摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について 作:ミカヅキ
ようやっと物語が動き出した、という感じです。
さぁ、これからどうなるのか、どうかお楽しみに!!
ガッ!
ドッ!
ゴッ!
拳と拳、蹴りと蹴りがぶつかり合う。
パワーでは劣るジャスミンだったが、スピードでは黄猿に勝っていた。“ピカピカの実”の能力の特性を発揮されていれば分からなかったが、ジャスミンのスピードは黄猿にその余裕を与えなかった。
しかし、海軍最高戦力の呼び声は
ピュン!
ジャスミンの
バシッ!
が、事も無げに手で払い
「!何…?!」
瞬時に
「悪いけど、」
カッ…………!!!
言葉と同時に黄猿の目前に
ドォオ………ン……!!!
「あなたの能力じゃ、私には勝てない。」
「ぐっ……!」
「おいおい、マジかよ…?」
いとも
ジャスミンも黄猿も当然、“
「大したダメージじゃないでしょ?立ちなよ?」
ザッザッザ…
ゆっくりと距離を詰めながらジャスミンが黄猿を
放たれた
しかし、決して殺さないよう、そして周囲に被害を与えないようにそれなりに手加減されていたとはいえ、ジャスミンの
「こりゃあ…、参ったねェ……!」
30m程吹っ飛ばされた黄猿だが、海軍大将としての意地とでも言うべきか、直撃を喰らった頭を
黄猿こと、海軍大将ボルサリーノは“ピカピカの実”の“光人間”。その体は“光”そのものであるが
だが、同じような性質を持つと言っても、
“光”であるが
「話には聞いちゃいたが…、ここまでの“化け物”だったとはねェ……。」
「…さっきも言ったけど、“光人間”には言われたくない
「……これだけの力を持っていながら、何でまたァ“麦わら”たちとつるんでるんだい…?」
フラフラとよろめく体を何とか平行に保とうと努力しつつ、黄猿がジャスミンに問う。
「別につるんでるって訳じゃない。友達の助けになる事は別に不思議でも何でも無いでしょ?………そんな事より、」
淡々と答えていたジャスミンが、不意に振り返らないまま左手を後ろに向けた。
ズオッ………!!!
ドガァンッ………!!!!!
後ろを振り返る事無く
「くだらない会話で気を引いている間に後ろから襲うのが海軍のやり方?」
ドガッ!!
バチッ…!
バチバチッ…!!
背後で小さな爆破を繰り返し、火花を散らしている“パシフィスタ”に構う事無く、ジャスミンが黄猿を
「…正攻法じゃ
そのやり取りに、見物に回らざるを得なくなった周囲の方が背筋が寒くなる。
空気を読んでとっとと撤退した“ホーキンス海賊団”の面々はともかく、出て行くタイミングを完全に逃したアプーや、黄猿がジャスミンに
「“中将殺し”ジャスミンか…。何て強さだ。あの“パシフィスタ”をああもあっさりと……!」
特に
「…1つ聞きたいんだけど。」
「オォ~、何だい?あっしが答えられる事なら答えてあげるよォ~。」
「あの“兵器”…。“元”はどうやって手に入れたの?」
「……どういう意味だァい?」
ジャスミンの発言が完全に予想外だった、と言わんばかりの表情で黄猿が目を細める。
「
「………。」
「どういう意味だ、ありゃ…?人体実験?人間を改造ってオイ………!」
妙な緊張感が
少なからず
「顔だけバーソロミュー・くまそっくりに整形したっていう線はまず無い。体格までそっくり同じっていうのは考えられないし、何よりいちいちそんな無駄な事をする理由も分からない。次に、バーソロミュー・くまそっくりの兄弟を改造したっていうのも考え難い。くまに兄弟がいるって話は聞かないし、仮に兄弟だったならくまに負けず劣らず戦闘経験が豊富でもおかしく無いのに、さっきの
「オォ~。残念だねェ…。それはあっしには答えられねェ質問だよォ~…。」
確信を持って問いかけるジャスミンに、黄猿は答えをはぐらかす。
「…そう。じゃあ、良いや。取り
そう言って、ジャスミンが再び
「!」
ジャスミンが何かに気付いたようにハッと顔を上げ、構えを取った。
ガキィッ!!!!
瞬時に目の前に現れた男が、ジャスミンに襲い掛かる。迷い無く顔面を狙ってきた拳を、
「
“気”でガードしているにも関わらず、骨まで響くような激痛がジャスミンの両腕に走る。
しかし、ジャスミンが距離を取るよりも早く、男がそのまま逆の手でジャスミンの
ドゴォッ…!!!
「ぐっぅ……!!!!」
衝撃で息が詰まり、ジャスミンの体がくの字に曲がる。
ガッ…!
そのまま倒れ込みそうになったジャスミンを、男がその前髪を
「ガホッ…!ゲホッ……!!」
咳き込みと共に
「こっの……!!!」
ズォッ……!!!
痛みを
「!」
「何者だァい…?海軍じゃァねェが、海賊にも見えないねェ…。」
ジャスミンが襲われた瞬間、“ピカピカの実”の能力で距離を取っていた黄猿が呟く。
そしてアプーやドレークも、突然の乱入者に驚きを隠せなかった。海軍大将を相手に一方的に勝負を進めていたジャスミンが手も足も出ない相手。
そして何よりも、
「う、浮いてやがる……!」
そして、ジャスミンもまた驚愕していた。
「
ジャスミンの視線の先、彼女の前方上空100m程の所に
顔は仮面で分からないが、その出で立ちには見覚えがあった。
そして何よりもその“気”。自身が
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