摩訶不思議アドベンチャーな世界に転生したかと思ったら一繋ぎの世界にトリップした件について   作:ミカヅキ

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最後に更新したのいつだコレ…。


第59話 仮面の男の正体!時を超えた戦士

 ──────砕かれた仮面の下から現れたその顔に、3人の戦士が驚愕に目を見開いた。

「と、父さん…?!」

「ご、悟空さん?!!」

「悟空おじさんにそっくり……。」

 その正体を半ば予見していたジャスミンでさえ、思わず呟く程に()()()は地球の英雄・孫悟空に瓜二つだった。

 違うのは鋭い目付きと、左頬に刻まれた十字型の傷痕のみ。

 

 因みに、全くの余談だがジャスミンは悟空やクリリンの事を幼い頃は"〇〇おじさん"と呼んでいた。中学に進学してからは名前で呼ぶようになったものの、ほんの2年程前までは亀仙人でさえ"亀のおじいちゃん"呼びだったので、今でもうっかりすると昔の呼び方が出てしまう。

 また、悟空は何を考えているのかいまいちな読めないものの、クリリンや亀仙人などは呼び方が変わった事が寂しいらしく、事あるごとに「おじさんで良いぞ」だの「もうおじいちゃんとは呼んでくれんのか?」だのとジャスミンに訴える事もしばしばだった。

 

 

 閑話休題(かんわきゅうだい)

 

 

「おかげで頭がスッキリしたぜ……。」

 額に手を当てたまま、頭をはっきりさせるように軽く首を振る男を、3人が凝視する。

「あ、あなたは一体…?サイヤ人、ですよね………?」

 以前にも悟空にそっくりなサイヤ人、ターレスから"下級戦士はタイプが少ない"と聞かされていた悟飯がいち早く衝撃から立ち直り、男に尋ねた。

 その問いに、男は悟飯へと向き直り、トランクス、そしてジャスミンへと目を向けた。

「………カカロットの息子か…。"王子"の息子もいやがるとはな………。そっちのガキは知らねぇが…。」

 その言葉に、悟飯とトランクスがわずかに身構え、ジャスミンも驚愕に目を(またた)いた。

(この2人を知ってる、って事はやっぱりこの人は………。)

「オレの名はバーダック。………カカロットの父親だ。」

「「え?」」

(やっぱり……。)

 

「と、父さんの父親………?!」

「ま、まさか…。サイヤ人はわずかな生き残りを残して全滅した(はず)…。そ、それに悟空さんの父親というには若過ぎます……!」

 男、バーダックからの予想外の台詞(セリフ)に、悟飯が目を()き、トランクスが真っ向から否定する。

「あの、」

 ジャスミンが口を開いた瞬間、3人の視線が一斉に向けられ、思わずジャスミンがビクついた。

「ベ、ベジータさんからサイヤ人は戦闘民族だから、戦う為に若い期間が長いと聞いた事があります…。悟空さんもベジータさんも、もう50歳近くていらっしゃるのに私が生まれる前とほとんど外見変わっておられませんし…。」

 まぁ、厳密に言えば悟空は7年間死んでいたので肉体年齢は実年齢(-7歳)なのだが。

「た、確かに…。先程お会いしたベジータさんもほとんど昔のままだったし…。」

「で、ではどうやってフリーザから(のが)れて……?いや、それよりも何故オレたちの事を知っているんです?」

 ジャスミンの言葉に悟飯が一応納得した様子を見せるものの、トランクスが新たな疑問を口にする。

「……正確に言やぁ、オレはフリーザに殺される()()だった…。今ここにいるのは、あのトワって女に連れて来られたからだ。」

「そ、そうか…!トワが過去を改変して本来死ぬ(はず)だったあなたを洗脳して手駒に……!!」

「オレとトランクスの事も、トワから聞いたんですか?」

 これでバーダックとトワが繋がった。

 再度尋ねた悟飯に、バーダックが首を振った。

「いや、詳細は(はぶ)くが、オレは未来を一部だけだが()()事が出来る。(もっと)も、自分でコントロールする事は出来ねぇから知らねぇ事も多いがな……。現に、そのガキの事も知らねぇ。」

 ジャスミンに目をやりながら説明するバーダックに、悟飯とトランクスが納得している一方で、ジャスミンは情報を整理していた。

("未来視"の力があるという事は、この人はアニメ寄りの世界から来たという事…?)

 最初に発表されたアニメオリジナルVer.と、後に書き下ろされた公式コミックスVer.では設定に若干の差があるのだ。

「……と、いう事はつまりあなたはオレの祖父という事ですね?」

 恐る恐る確認する悟飯に、バーダックが頷いた。

「オメェがオレのガキのガキ、っつう以上はそうなるだろうな。」

(この人と悟空さんと12~13歳位の悟天くんを3人並べてみたい…。)

 複雑な初対面を果たす祖父と孫を尻目に、ジャスミンの思考が思わず明後日(あさって)の方に跳んだ。

 

 因みに、何故現在ではなく12~13歳の悟天かというと、中二位で身長がグンと伸び始めた悟天が父である悟空と間違えられる回数が格段に上がり、業を煮やして強引にヘアスタイルを変えた為、若干そっくり度が下がったからである。

 

 

 閑話休題(かんわきゅうだい)

 

 

 どこか妙な緊張感の漂う祖父と孫に、どう声をかければ良いか戸惑うトランクスとジャスミンだったが、その空気に割り込む声があった。

「見付けたぞ!"中将殺し"!!!」

「あ。」

 ドヤドヤと周囲を取り囲む海兵たちに、ジャスミンが状況を思い出した。

 それどころじゃなかった為、頭からすっかり抜けていたが、良く見れば黄猿もいない。

 "気"を探ってもシャボンディ諸島内に"麦わらの一味"の"気"が感じられない為、どうやら自分(ジャスミン)がバーダックと交戦している間に()()は進んでいたらしい。

「"中将殺し"?」

 物騒な呼び名に、悟飯は怪訝そうな顔を見せる。

「あぁ~…、私の事です。一応言っておきますが、誰も殺してません。ちょっと諸事情あってこの世界の軍隊みたいなのに追われてまして……。」

「ど、どんな事情があってそうなったんだい?」

 保護した少女(ジャスミン)がそんな事態に巻き込まれているとは想像もしていなかったトランクスが思わず顔を引き攣らせる。

「ざっくり言うと、犯罪らしい犯罪は犯していない海賊と友達になって、その海賊が世界規模の陰謀に巻き込まれているのを手助けしたら指名手配されまして………。」

「指名手配?!」

 予想外の言葉に、トランクスの声がひっくり返った。悟飯も目を見開いている。

「………取り敢えず、場所を変えましょう。ここじゃ、落ち着いて情報をすり合わせる事も出来ませんし…。」

「その方が良いだろうね…。」

 色々聞きたい事はあれど、一旦は飲み込んだ悟飯がジャスミンに同意する。

「近くに私が修行に使っていた無人島があります。一旦上空に上がってから()()に行けば、取り敢えずは誤魔化(ごまか)せるかと…。」

「分かった。それじゃ、行こうか。……バーダックさん、でしたっけ?あなたも一旦オレたちと一緒に来てもらえませんか?」

「…ああ。」

 バーダックが頷いたのを確認し、ジャスミンは舞空術(ぶくうじゅつ)で上空へと体を浮き上がらせる。悟飯とトランクス、バーダックもそれに続いた。

「んな?!待て、"中将殺し"!!」

 ガン無視される形となった海兵たちががなり立て、発砲するが、既に空高く飛び上がった彼らに届く(はず)も無い。

 4人の戦士たちは既に視認するのも難しい程の上空から、いずこかへと飛び去っていた。

 

 

 ────────―とある無人島。

 海兵たちから姿を(くら)まし、無人島へと身を隠したジャスミンたちは、一先(ひとま)ずジャスミンの出したカプセルハウスで一息()いていた。

 取り敢えず、と仙豆(せんず)を食べて回復を図った後にソファに座る3人にお茶を出す。

「すいません、紅茶しか無いんですけど…。」

 来客用のティーカップなども無い為、生憎(あいにく)紙コップだが。

「ありがとう。」

 悟飯がジャスミンに微笑み、トランクスが目礼する。バーダックはチラリ、と目の前に置かれた紙コップに目を走らせはしたが、それ以上の反応は無かった。

 自身も自分の分の紅茶を持ってソファに座り、おずおずと話を切り出す。

「え、と…。お2人は未来の世界から来られた、という事で良いんですよね?」

 いまいち状況が把握出来ていないジャスミンが、情報を整理すべく悟飯とトランクスに尋ねる。

「そうだよ。直接会った事は無いだろうけど、ここにいるトランクスが昔タイムマシンで過去の世界に行った事は知ってるかい?」

「はい。お父さ…、父たちから聞いた事がありますし、カプセルコーポレーションで写真を見せてもらった事もあります。」

 悟飯がジャスミンの問いに頷き、まずはジャスミンがトランクス(未来)の存在を知っているかどうかを確認した。

「オレたちがこの世界に来たのは、第一に君を保護する為だ。」

「私を…?」

 悟飯から言われた言葉に、一瞬ポカンとしたジャスミンだったが、じわじわと期待がその顔に浮かんでいった。

「地球に帰れるんですか?!」

「勿論。オレたちが絶対に君を地球に連れて帰るよ。」

 悟飯の断言に、ジャスミンの目に涙が浮かぶ。

 ジワリと滲む涙を拭い、「良かった…。」と心からの笑みを浮かべるジャスミンを微笑まし気に見詰めながら、わずかに顔を引き締めた悟飯が続けた。

「まずは、君がこの世界に来てしまった原因を話さなくちゃいけない…。」

 そして語られたのは、"タイムパトロール"の存在と歴史改変を目論(もくろ)む魔族・トワの存在。

「じゃあ、あのダーブラそっくりの禍々(まがまが)しい"気"は………。」

「トワのものだろう。アイツはダーブラの実の妹だからね…。」

 納得したように頷くジャスミンに、悟飯も頷く。

 そこで、ジャスミンの脳裏にとある情報が(よぎ)った。

「そうだ…。そのトワでしたっけ?その魔族に仲間、あるいは部下がいませんか?」

「…アイツは、主にその時代にいる人間を操って歴史を改変しようとするんだが、確かに腹心と呼べる部下が1人いたよ。ミラ、トワが作り出した人造人間だ。」

「だけど、ミラは既にオレたちが倒している。バーダックさんという部下も失った今、最も警戒すべきは誰かこの世界の住人が洗脳されないかという点だけど……。アイツがこの世界に来た理由も分からないし……。」

 悟飯に続き、トランクスが補足するが、ジャスミンにはとある情報があった。

「いえ…。恐らく、トワの目的はミラの復活です。」

 そう、"魔術師"バジル・ホーキンスからの情報が。

 "人間のようであってそうでない、男女の2人組が追手から逃れて来て3人目の仲間を復活させようとしている。"

 ここにきて提示された、新たな情報に悟飯とトランクスが目を見開いた。

「その情報、どこまで信用出来るんだい?」

「少なくとも、"人間のようであってそうでない"という部分は魔族とサイヤ人という宇宙人という点で符号します。そして、"追手から逃れて来て"という点も合致する……。」

 悟飯の問いに、ジャスミンが根拠と考える点を挙げていく。

 そんな中、それまで沈黙を保っていたバーダックが口を開いた。

「…そのガキの推測はおおよそ当たってやがるぜ……。」

 バッと3人の視線がバーダックへと集まった。

「操られてた間の事はあんまり覚えちゃいねぇが、朧気(おぼろげ)に記憶に残ってる…。そのミラとかいう奴かは知らねぇが、青い肌の男を復活させる為とか言ってたからな…。その為に必要なエネルギーを集める為、とか言ってあちこちの戦場に顔を出してたぜ。オレにそのガキを襲わせたのも、"キリ"とか何とかそのエネルギーを集めるって言ってたな………。」

 バーダックの言葉に、悟飯とトランクスが一気に顔を険しくさせた。

「青い肌の男…。間違い無い、ミラです。」

「ミラが復活、となると厄介ですね……。」

「バーダックさん、トワが今潜伏している場所を覚えていますか?」

 流石(さすが)に"おじいちゃん"とは呼べないらしい悟飯が、若干呼び難そうにバーダックへと尋ねる。

「だいたいの場所なら分かるが、いくつかの島が連なってる所だったからな…。細かい場所までは覚えてねぇ。それに、あの女"結界"とか言って周囲から見えなくするバリアみたいなモン張ってやがった。出入りもあの女の許可無しには出来なかったからな……。」

「そうですか…。」

「どうやって奴の居場所を特定しましょうか?」

 険しい表情を見合わせる悟飯とトランクスに、再度ジャスミンの記憶が刺激される。

(そう言えば………。)

「…あの、バーダックさん。」

「ああ?」

 おもむろに話しかけてきたジャスミンに、バーダックが器用に片眉を上げて反応する。

「"あちこちの戦場に顔を出していた"という事は、その"キリ"は戦闘時に発生されるものなんですか?」

「そうらしいな。オレも詳しくは知らねぇが……。」

「そして、私と戦ったのもそのエネルギーを集める為……。」

「そう言ってんだろ。」

 確認するように呟くジャスミンに、バーダックが吐き捨てる。

「…具体的に今どれ位のエネルギーが集まっているのか分かりますか?」

 その問いに、悟飯とトランクスも2人へと視線を向け、バーダックが記憶を辿(たど)る。

「テメェと戦ってどれ位集まったかは知らねぇが、オレがテメェの所に行くまでは5分の1も集まって無かった(はず)だぜ。エネルギーの集まりが悪いってイライラしてやがったからな…。」

「という事は、まだそのミラの復活までには間があると考えても良いですね……。であれば、次にトワに現れるのは恐らく7日後です。」

 

『…何をしているかまでは知らんが、男の方が戦いの場に出現しているようだ。今から10日後に動く、と出ている。』

『10日後?何か大きな戦争でも起こるんですか?』

『“世界を動かす争い”と出ている。闇雲(やみくも)に“新世界”を探し回るよりも、それを待った方が確実だろう。』

 

 ほんの3日前にバジル・ホーキンスと交わした会話がジャスミンの脳裏に蘇る。

 "7日後"。

 そう断言したジャスミンに、悟飯とトランクスの顔が引き締まり、バーダックが好戦的な笑みを浮かべた。

 

 

 ────────7日後に何が起こるのか。

 未だ、ジャスミンは知らない。

 

 

 

 

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