Angel Beats! ~First Love~ 作:ナナシの新人
試験終了を告げるチャイムが、校舎内に鳴り響いた。
鳴り止む前に監視役の教師が、解答用紙回収の指示を出し、後ろの席の人から前の席の人へ解答用紙が送られていく。
「お、終わった~っ」
斜め前の席で試験を受けていた
まったく、この人たちは。筆記用具を片付けて席を立ち、一番近い席の
「さあ、お昼へ行きますよ。がんばったご褒美に、デザート奢ってあげますよー」
「ほんとっ!」
ガバッと勢いよく起き上がった彼女の目は、キラキラと輝かせていた。二人にも声を掛けて、学食へ移動。約束通り人数分のデザートを用意して、彼女たちが待つテーブルにトレイに置くと、さっきまでが嘘みたいに笑顔なった。
やっぱり甘い物には、女子を笑顔にする力があるんですね。
私も、口に運ぶ。
「んぅ~んっ」
今後の報道部の活動について話ながらスプーンを進めていると、
みんなに断りを入れ、
「こんにちはー、いいっすか?」
「こんにちは、どうぞ」
許しを貰って、正面の席に腰かける。
「いかがでしたか? 手応えの方は」
「返ってこないと分からないけど、全問埋めることは出来たわ。問題用紙は、あとで渡すわね」
「はーい」
「
「ん?」
放課後、部室でパソコンを操作していると
「ほら」
「どもっす」
受け取ったカメラの録画映像を確認すると、試験中の
「ありがとうございまーす」
「それで、
「はい、あなたの予想通りです。あたしたちと同じ、魂を持った人間でした。それから、生前に未練があるみたいです」
「やはりな......」
「ゆりは?」
「もう、分かっていると思います。ただ、頭では理解しているけど、心が納得がしないって感じっすね」
「まあ、そうだろうな......」
何十年も神の使いと信じて戦い続けて来たんですから、そう簡単に割り切れる訳がない。部室内の空気が重くなった。
「他の連中はともかく、ゆりは難しいだろうな」
「どういう意味っすか?」
「聞いていないのか? そうか――」
立ち上がった
「ゆりの生前の話しだ。あいつが話してないのなら、俺から話す事じゃない。さて、定例会議の時間だ。じゃあな」
気になる言葉を残して、部室を出て行った。
――さて、ご飯行きますか。
* * *
お風呂の後、
普段から優等生を演じていると、こう言う時に便利なんですよね。
「よし、やるかぁ~」
少し気合いを入れる。
作業を始めてどの位の時間が経ただろうか、部屋のドアがノックされた音で手を止める。誰だろう。時計を見る。消灯時間から30分程が過ぎていた。
教師かな? とも思いましたが、ドア越しに声を掛けてこないところを見ると違うみたい。
警戒しながら、ゆっくりとドアを開く。すると模範生の制服を着た、ポニーテールの女子が立っていた。一瞬誰だか分かりませんでしたが、頭に付けた淡い緑色のリボン付きのカチューシャで正体が判明。
「
「ええ、そうよ」
やはり、
髪型と服装だけで、こんなに印象が変わるものなんですね。
「あ! やばっ、見回りの教師が来たわっ」
「どうぞ、入ってください」
カーテンの隙間から漏れる灯りを頼りに窓際まで行ってカーテンを全開にする。外は曇り空でしたが、彼女の顔が見えるくらいの明るさを確保することが出来た。
クッションを渡すと、お尻に敷いて話を切り出した。
「今日は、どうしたの?」
「自己採点をしていて、さっきのノックで気がつきました」
机の方を見ながら答えると
「あなた、生きてた頃からそうだったの?」
「はい」
私のは、今日のテスト以外採点済みです。
「
「普通しないわよ......。成績も良いみたいだし、生きてた頃は勉強漬けの人生だったの?」
「いえ、特には」
一応、将来を見据えて勉強はしてましたけど、大半は特殊能力者対策に時間を割いてたし。
「まあ、いいわ。本題に戻すわよ。全教科の解答用紙のすり替えに成功したわ」
「そうですか、それでどうですか?」
「まだわからないけど、数日中に何かしらの処分があるはず。そこで。どう出るかで判断するわ」
そして、数日後。
その噂を裏付ける様に、臨時の全校集会が開かれた。
『ええ......
体育館の壇上で学校でも古株の教師が、
『つきましては、後任が決まるまでの間、生徒会副会長の
同じく壇上に居た副会長が、生徒会長代理として紹介された。食堂で、
翌日の昼休み、食堂で一人食事をしていた
「こんにちはー」
「こんにちは、どうしたの?」
「約束を果たしに来ました」
「約束?」
試験前の約束を果たすため食べ終わった
「
「おっ、
隣を歩く、
私は、構わずに話を続けた。
「今から購買へ行くんですけど。
「天使も、一緒にか?」
迷いながらも一緒に女子寮の購買へ来た
「なんだよ、これ?」
「どうしたんすか?」
「パンツって、こんなに種類があるのかっ?」
「しばらく来てない間に、すごい増えてるわ」
二人とも、何やらショックを受けているみたい。
「これ......ただの、
「......隠れるのか、それ? こっちのは、どうだ?」
「どれ?」
最初は警戒していた
さて、私も見て回りますか。しばらく見て回っていると、下着を入れたカゴを持った二人が来ました。
「気に入ったものは、見つかりましたか?」
「いくつか候補はあるわ。
「そういうことだ。
カゴの中の下着を手に持って、見比べる。
「う~ん......」
「どうかしら?」
「どれも似たようなデザインですね」
多少デザインに違いはあっても全部、白系の下着だった。
清楚な感じなので、
「これなんてどうっすか?」
近くのラックから、
「可愛いわ。だけど、私に似合うかしら。どう思う?」
「よく分からないけど、似合うんじゃないか?」
「じゃあ、これにするわ」
「
「正直、パンツにはあまり興味がない。ひさ子に頼んで、ついでに買ってきて貰う」
「そうですか。ではまず、下着かショーツと言い方を変えることから始めましょう」
会計をしている
「肌触りとか、こだわりはありますか?」
「ギターが弾きやすければ、なんでもいい」
「となると、この辺りか。これはどうですか?」
「見た感じ動き難そうだ」
「触ってみてください」
「おっ、伸びる!」
ブラを軽く引っ張ると、とても感動していた。
「今は、伸縮タイプでも様々なデザインがあります。それにこの下着はワイヤレスなので、腕を大きく上げても違和感が少ないかと。試着してみたらいかがですか?」
「そうだな。付けてみるか」
試着室に入って数分後、
「そう言えば、採点が終わりました。今夜、届けに行きます」
「そう、ありがとう。どうだった?」
「平均七割越えでしたよ」
「ほんと?」
「本当です」と、頷いて答える。
「あなたのお陰ね」
「実際に問題を解いたのは、
話して待っていると、バッ! と勢いよく、試着室のカーテンを開いた。
「このブラ、スゲーなっ!」
気に入ったみたいですね。色とデザインを選んで、
「昨夜は、大変でしたね」
「昨夜? なにかあったのか?」
「
「知らない。そんな事があったのか。たぶん、ギター弾いてた時だな」
食欲よりも音楽を選ぶなんて、さすが
「今、新曲を作ってるんだ」
「そうですか。完成したら聴かせてください」
「ああ、一番に聴かせてやるよ」
この世界で、新しい楽しみがひとつ出来た。
夕食前、採点が終わったテストを渡すために、
またしても、反応が返って来ることはなかった――。