Angel Beats! ~First Love~ 作:ナナシの新人
夕食後、ゆりさんと寮の玄関で合流して一緒に、
三人での話し合いの場は普段私の部屋なんですが、
「で、どうなりました?」
「当然だけど。みんな、混乱してたわ」
幹部への報告を済ませた後、ゆりさんは体育館に戦線メンバー全員(ギルドを除く)を招集し、天使と心残りの件についての話しをした。
今まで疑うこともなく、敵として対処していた訳で唐突に想定外の告白をされたのだから、答えを出すのに時間が掛かかるのは当然のこと。ゆりさんも。それを解っているから答えを出すことに対し、制限を決めずに解散させた。
「ゆっくり、答えを出してくれればいいわ。時間はあるんだから、それこそ永遠にね」
「そうですね。さあ、着きましたよ」
ノックをすると、少し間が開いてからドアが開いた。
「いらっしゃい。どうぞ」
「おじゃましまーす」
「お邪魔するわ」
部屋に上がらせてもらう。テーブルには、三人分のお茶と和菓子が用意されていた。
「準備するから、食べて待ってて」と言われたため、さっそくいただいていると、
「二人とも、これを見て」
準備が済んだらしく、私たちにディスプレイを見るように言った。
立ち上がって、
「これが、どうかしたの?」
「うん。先ずは、私のページを出すわ」
「次は、ゆりのページ」
続いて、ゆりさんのページを開く。
ゆりさんに顔を向けると、不思議そうな
「次は――」
「あたしっすね」
「うん」
「これ、どういうことなの?」
「私にも、解らない。他の人は、こんなことにならないから」
「
「それを、今から調べてみるの」
検索項目にカーソルを合わせて、キーボードを叩いた。
「出たわ。
――覚悟はいい? と問いかける様に
もし、これで
「いくわ」
「お願いします」
「何だか緊張するわね」
「さて、どういうことか説明して」
「あたしから話します」
「お願い」
いったん、パソコンを離れて来たときと同じ様にテーブルを囲んで座り、会話。
「川釣りの当日。
「ああ~、そういうことね。で、結局――」
ゆりさんは、パソコンに顔を向けた。同じように見る。
パソコンの画面上には、
「謎は、深まった訳ね」
「そういうことっす。さあ、始めましょう」
「いいの?」
「考えても解らないですから。今は、出来ることをしましょう」
「そうね。
「はい」
今は自衛に努める。私には、それしか出来ない。
「
「ううん。生徒会室と職員のパソコンからなら見れるわ」
「そう。なら、生徒会室のパソコンを
「う~ん......私は、許可出来ないわ。生徒会のパソコンは私物じゃないから、生徒会に所属してないと使えないの」
――生徒会のルールは絶対って訳ですね。手引きをしてバレたら責任は、生徒会長の
「
――なるほど、そういうことっすか。ゆりさんも、
「はい、もちろんいいですよ」
「うん、ありがとう。じゃあ16時に植物園の花壇で待ってるわ」
「
「さて、何のことかしら? 私は、ただ手伝いを頼んだだけよ」
とてもわざとらしく惚けた。
あとは、生徒会の
話題は変わって、神探しの件。ゆりさんは、
「どうだった?」
「先生も知らないって言っていたわ」
神社や教会が存在しないのなら、他に神に纏わる場所......関係ありそうな場所や施設を思い浮かべる。
――やっぱり空、とか。
「
「どういうことっすか?」
「二人は、
ゆりさんは、何か策が浮かんだみたい。
朝は毎日恒例の予習があるけど、休み時間に回してもらえばいいか。
「じゃあ、お風呂いきましょっ」
一度、部屋に戻り着替えを持って大浴場で待ち合わせになった。
* * *
「みんな、居るわね?」
「はい、全員居ます」
ゆりさんの問いかけに、
昨夜言っていた朝の臨時招集に、私も参加している。そのまま授業に向かえる様に、学園指定の制服での参加。
「よろしい。では、これからのことを話すわ。あなたたちは、三班に別れて行動してもらう」
リモコンを使って照明を落とし、同時に天井から巨大なスクリーンが降りて来た。
「先ずは、捜索班。文字通り自らの足で、神の手がかりを探す班よ」
ゆりさんは、話しながら机の上のパソコンを操作。するとスクリーンに捜索班の文字と、活動内容が箇条書きで映し出された。
「主な活動は、学園内及び周囲の森の捜索」
「だが、数十年かけて全てを調べたが何もなかったぞ?」
「
「わかってるわ、
「見逃していた? 何をだ?」
「我々は常に、神と云う存在のものを探して来たわ。主に建物や、隠れ家とかをね。けど、今回は違う。あなたたちには神に纏わる物を探して欲しい」
画像が切り替わった。神社、教会、鳥居、地蔵、祠、碑石、書物など、全て神様に深くまつわる物。「そんなものあるのか?」「見たことないぜ」と、みな存ぜぬという声ばかりが上がる。
「正直、わからない。少なくとも、教師は存在を否定しているわ。そこで第二班は、情報収集班」
再び映像が切り替わる。今度は情報収集班と記され、捜索班の時と同じく、活動内容が表示された。
「これは重大な任務よ。
「まさか、全員に聞くの......?」
「当然よ。聞かなければ可能性はゼロのままなんだから」
「マジかよ? 二千人はいるぜッ?」
「oh...my god」
「その神を探してんだろ」
批難に近い声が飛び交い、本部が騒がしくなった。パンパンッと、ゆりさんは手を叩いて注目を集める。
「ちょっと落ち着きなさい。いい? 情報収集は、時間との勝負よ」
「どうしてだ?」
「あとひと月足らずで夏休みだからよ」
「えっ? 夏休みがあるのかっ?」
「そりゃ有るさ、普通の学校だからな」
「そうなのか......」
「話しを戻すわよ。いいかしら?
「ああ、悪い、続けてくれ。それで、夏休みになると何か不味いことがあるのか?」
ゆりさんは、ええ、と頷く。
「夏休みに入ると、多くの
来たばかりの私と
しかし帰省と言っても、実際に学園の外に家が在ある訳ではなく、天上学園から一時的に消えるだけで、休み明けには何ごともなかったかのように登校してくるとのこと。
「なるほど。夏休みまでに聞き込みを終えなければ、教師の監視の目が少なくなる夏休みに効率的に行動出来なくなる、と」
「そう。
ゆりさんは、
「最後は、未練解消班。これは、
「俺、一人なのか?」
少し不安そうな
「誰でもいいわ。ただし、授業を受ける必要がある
「じゃあ、えっと......」
「じゃあ、
「よしっ、やろうぜっ、
思わせ振りな態度に、
「なんでだよッ!?」
「いや、冗談だって。
「......俺は、時々お前が解らない時があるぞ。やっぱSなのか?」
釈然としない様子の
「他は好きに別れてちょうだい。あと、
「何ですか?」
「特別な仕事を頼みたい。あなたにしか出来ない仕事よ。16時に生徒会室に来て」
「わかりました。お任せください。それから僕――」
「以上、解散!」
ゆりさんの解散宣言を聞いて、私は一人、授業を受けるため教室に向かった。
午前の授業を終えて、お昼ご飯を済ませる。そして、午後の授業を受ける。授業を全て終えて、
「失礼しまーす」
ノックをしてから、生徒会室に入る。
会長に復帰した
「どうしたの?」
約束の時間にまだ早いこともあって、
「はい、そちらの方に用がありまして」
彼女の近くで棚の整理をしていた、副会長に顔を向ける。振り向いた
「僕に、だと......?」
「はい、話したいことがあります。ちょっと外に来てください」
「貴様、僕に命令する気かっ!」
すっ、とビデオカメラの画面を見せる。見せた映像はもちろん、
「きますよね?」
「くっ......」
「何の話だ? 僕は貴様と違って忙しい、手短に済ませろ」
思いっきり不機嫌そうな
「実は、
「えっ?
「それが、人にものを頼む時の態度でしょーか?」
「くっ......教えてください」
「お願いします、は?」
「......お願いします」
「もっと」
「......教えてください、お願いします......」
屈辱的な
「そこまでされたら仕方ないっすねー。はいはい、教えてあげますよー。
ここではあえて、
「なるほど、僕を
「大変なことだと思いますから。そこで
「フッ、愚問だ。待っててくださいっ、
生徒会の仕事を放り出して、廊下を走っていった。はい、計算通りです。生徒会室に戻る。
「あれ?
「用事を思い出したみたいで、廊下を走っていきました」
「そう。困った人ね」
「代わりに手伝います」
「でも......」
「大丈夫でーす。慣れてますから」
「大変ですっ! 野球場の水道で赤水が出ました!」
「それは、大変。今すぐに事態の収拾に向かって」
「はい、行ってきますっ!」
「私たちも行きましょう」
「はい」
「どうして、
「居ない方が、二人も作業しやすいと思いまして」
「そう」
「お願いします」
「任せなさいっ」
すれ違い様に声を掛けると、力強い言葉を返してくれた。
後は、二人に任せます。
私には、待つ事しか出来ないですから。