PSVitaの調子が悪いぃい!
アキト「知らんがな」
てな訳で・・・・・今回もどうぞ・・・
陽もトップリと落ちた夜。
そんな静寂を打ち破るかのように一台の白い車種が猛スピードで住宅街を激走していた。
車は未遠川の防波堤付近にドリフト走行で駐車すると勢いよく車内からスーツ姿の金髪少女が飛び出る。セイバーだ。
彼女はそのまま堤を駆けあがり、川を見る。
「ッ!!」
そこには、冬木市で起こっている連続児童誘拐事件の主犯格であるギョロ目玉の男、キャスターが水面に立っていた。キャスターの手には禍々しい邪気を放つドス紫色の魔力が垂れ流されている。
「キャスター・・・!」
セイバーに追いついて堤に上がったアイリスフィールは、やはりかと思えるように眉をひそめて呟く。
「キャスターが何らかの大規模魔術を遂行中である事は、この尋常ならざる魔力の放射から疑う余地はありません」
セイバーは淡々とされど身構えながら状況をアイリスフィールに説明する。
そうしていると彼女達に気づいたのか、キャスターは閉じていた眼をこちらに向けて薄ら笑みを浮かべる。そして、そのまま丁寧にお辞儀をした。
「ようこそ! 聖女ジャンヌよ。再びお目にかかれたのは、恐悦の至り・・・!」
相変わらずセイバーを自分の想い人だと勘違いしているキャスターは、実に嬉しそうな笑みを浮かべている。
「性懲りもなく・・・外道め! 今夜は、なにをしでかす気だ?!!」
「申訳ないがジャンヌ。今宵の主賓は貴女ではない・・・ですが、貴女もまた列席して頂けるというのなら、私としては至上の喜びですとも」
そんなキャスターに呆れを通り越した怒号をぶつけた。対してキャスターは体を起こすと悪びれもせずに返答をかえす。
「不肖、ジル・ド・レェめが擁する『死』と『退廃』の共演を・・・どうか心行くまで満喫されますよーうッ!」
劇場の役者のように手を広げるキャスター。
それが合図となったのか、足元でウネウネと動いていた触手がキャスターの体に絡みつく。これから起こるであろう惨劇にセイバーはより一層、身構えた。
「今再び・・・我らは救世の旗を掲げよ―――うッ!!」
ドジャァ―――アンと水面が盛り上がり、水中に隠れていた通常の何倍もある海魔が出現した。巨大海魔はさらに口から幾本もの触手を伸ばし、キャスターを己が体内へと吸収していく。
「見捨てられたる者は集うがいい! 私が率いる、私が統べる! 我ら貶めたれらる者達の怨嗟は必ずや天上へと届くッ!」
「こ・・・これは・・・!?」
キャスターを吸収した巨大海魔は川から起き上がり、その全貌を露わにする。その大きさは30mを優に越え、光の超人に出てくる怪物そのままであった。
セイバー達がキャスターの予想を上回る大規模魔術に驚愕しているとその後ろに雷を纏った戦車が着陸した。
「よう騎士王!」
「征服王・・・ッ!」
戦車に乗っていたライダーは、片手を上げて挨拶をする。まるで町中で知人に会ったように軽いノリだ。そんな彼にセイバーは、明らかな警戒心丸出しで対応する。
「止せ止せ、今夜ばかりは休戦だ」
警戒心丸出しの彼女にライダーは両掌を見せて、敵意がない事を表す。そのまま呆れたように川にそそり立つ巨大海魔を見た。
「あんなデカブツを放って置いたら、オチオチ死合いの一つも出来んわい。さっきからそう呼び掛けて回っておるのだ」
「なに?」
「ランサーは承諾した。直に追いついて来る筈だ」
「了解した、こちらも共闘に異存はない。征服王、しばしの間だが共に忠を誓おう」
彼の発言を聞いて、セイバーはアイリスフィールと無言で頷き合い、ライダーの提案を了承する。同じくして、セイバーはキョロキョロと辺りを見渡した。
「んん? どうした騎士王?」
「いえ・・・貴方方と常に一緒にいるバーサーカーの姿が見えないのですが。彼は?」
「ほほう? 騎士王、こんな時に貴様は自らの血を啜った男に現を抜かしておるのか? それともマスターのカリヤの方にかのぉ?」
「なッ!?」
ニヤニヤと笑むライダーにセイバーは、虚を突かれた様にうろたえた。
「き、貴様はッ、騎士を愚弄する気か?!!」
「はいはい、痴話喧嘩はそこまでだ」
「ち、ちわッ!?」
「アインツベルン、アンタ達に策は? キャスター本人と戦うのは、これが最初じゃないんだろう?」
激昂するセイバーを雑に処理したウェイバーは、アイリスフィールに問いかける。セイバーがキャスターと戦った事は、アキトからの話で聞いていたからだ。
「ともかく、速攻で倒すしかないわ。あの怪物はまだ、キャスターからの魔力供給で現界を保っているのだろうけど・・・あれが糧を得て、自給自足をはじめたら手に負えない。そうなる前にキャスターを止めなくては!」
「なぁるほどな・・・ヤツが川岸にあがって、食事をおっぱじめる前にケリをつけなきゃならん訳だ」
怪物は宿主からの魔力をあてにしてはいない。聞こえは悪いが、幸いにも騒ぎを聞きつけた近隣住民が集まりはじめた。その肉を目掛けて、怪物はゆっくりと進んで行く。
「しかし・・・当のキャスターは、あの分厚い肉の奥底ときた。さぁて、どうする?」
ライダーは、あの対軍宝具で対処する手立ても考えた。が、何分あの宝具は使うのに多量の魔力を有する。だから長時間使用には限りがあった。
「ならば、引きずり出す。それしかあるまいて」
『!』
皆の目線の先に現れたのは、霊体化を解除した二槍使いのランサーであった。
「ヤツの宝具さえ剥き出しに出来れば・・・俺の『
アインツベルンの森の戦闘でキャスターの宝具を破壊した事のある『朱槍』をランサーは自慢げに掲げる。
「ランサー、その槍の投擲で、岸からキャスターの宝具を狙えるか?」
「フッ・・・モノさえ見えてしまえば、造作もないさ」
「ならば先鋒は、私とライダーが務める。いいな、征服王?」
「構わんが、余の戦車に道はいらぬとしても・・・騎士王、貴様は川の中の敵をどう攻める気だ?」
ライダーの疑問は真っ当なものである。
ライダーの宝具である戦車は空中を走れるが、セイバーはそのような宝具を持ち合わせていないのではないかと。まさか、水面の上を歩くとでも言うのだろうか。
「この身は湖の乙女より加護を授かっている。水であろうとも我が歩みを阻む事はない」
実は、そのまさかである。
アーサー王伝説の中でアーサー王は湖の精霊から加護を受けており、水面を地面と同じように歩けるのだという。
「おぉ! それはまた稀有なヤツ。益々、我が配下に加えたくなったぞ」
「先程の妄言のツケは、いずれまた払ってもらう。今はまず、あの化物のハラワタからキャスターを暴き出すのが先決だ」
「ハハハッ、然り! ならば、一番槍は・・・頂くぞッ!」
一つ快活に笑声をたてたライダーは手綱を大きく振るった。それを合図に戦車は、青白い雷を纏うと空へと走り出す。
「え、え、うわぁぁあぁあ―――ッ!!?」
ウェイバーの叫び声というオプション付きで、戦車は怪物へと突撃していった。
「セイバー、武運を」
「はい」
アイリスフィールの言葉に頷くとセイバーもまた、怪物へと目掛けて走る。途中、ブラックスーツは青銀の戦装束へと変貌し、風に隠された剣を構えた。
水面を蹴り、尋常ならざる速さで迫っていくセイバー。怪物もその気配に気づいたか、自らの触手を大きくうねらせて襲い掛かる。
「決着をつけるぞ・・・キャスター!!」
セイバーは、水面を力強く蹴り浮くと襲い掛かる触手を切り裂いた。
斯くして、サーヴァント達のキャスター討伐の火蓋は切って落とされたのだった。
←続く
かくして一期は終わりを迎え、二期へと駒を進める。
アキト「その最後に俺が出てないって・・・」
う~む。まぁ、参考が参考だからね。