暗殺教室・その転校生、未来人で、仮面ライダー!   作:真田丸

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ジオウにて壇黎斗がオーズに変身する。過去の作品のキャラが別の過去作品のライダーの力を使う。
記念作品だからこその展開で子損敵に結構好きですね。




夏祭りの時間②

夏休み最終日の夕方、速水はアサガオの柄の白い浴衣を身に纏い裏山の山道を歩いていた。

 

昨日、勇気をもって送ったメールはすぐに返信が来た。

『オッケー!宿題なんてマッハで終わらせてやるからな!!』

 

その文面を見て無意識にガッツボーズをしてしまったことに若干の恥ずかしさを感じながらもすぐに祭りで着ていく浴衣の用意をした。

 

 

そして祭り当日の今、速水は郷を迎えにいくためE組グラウンドの片隅にあるビットに向かっていた。

念のためにと家を出る前に律に宿題の進み具合を聞いたところ何とか終わりそうとのことだった。

 

 

「フゥ、何時もより時間がかかったわね」

ようやくビットの前まで着いた速水だったがなれない浴衣姿では思っていた以上に時間がかかり既に祭りが始まった時刻になってしまった。

 

(まぁ最悪花火に間に合えば良いわね)

 

出来れば一緒に屋台を廻りたいが今から会場に向かうとなるとどうしても着くのは祭りの終盤になりそうだった。

仕方ないと思い直し速水はビットの扉を開けた。

 

「って、あっつ!?」

 

柄にもなく叫んでしまったがその反応も仕方ないような熱気がビット内から流れ出てきたのだった。反射的に閉めた扉を今度はゆっくりと開ける。

 

「ウッ!・・・アッツ・・・」

 

再び熱気が襲い来るが先程ので多少は空気が入れ替わったお陰か少しはマシになっていた。

 

まるでサウナの様に纏わりつくような熱気を感じながらもビット内に足を踏み入れるとビット内の一角に置かれた机の上でうつぶせで倒れ頭に氷の入った袋を乗せている郷がおりその隣ではクリムと律もいた。

 

 

『あっ速水さん!御早いお着きですね!』

 

「えっええ・・・クリム先生もこんばんわ・・・」

 

『ウム、good evening』

 

2人とあいさつを交わす速水だったがやはり目の前で死に体となっている郷が気になって仕方が無かった。

 

「あの・・郷はどうしたんですか?」

 

『ん?ああ、気にしないでくれたまえ。集中的に勉強をやり過ぎて頭がオーバーヒートしただけだからねすぐに治るよ』

クリムの説明を聞いている間にシフトカーたちによって溶け切った氷が新しいモノに交換されたが郷の頭に乗った瞬間に瞬時に溶け出した。

 

「ああ〜〜〜・・・・・」

 

『郷さん、速水さんが来ましたよ。起きてください』

 

「んあ〜〜??」

 

律に起こされ顔を上げた郷はうつろな目で速水を見る。

 

「・・・よぉ〜〜速水ぃ〜〜しゅ、宿題ならちゃんと全部終わらせたぞぉ〜〜・・・」

 

郷はまるでゾンビの様なぎこちない動きで机に積まれた宿題のノートを差し出す。受け取った速水は見ても良いのかとクリムに視線を向けるとクリムも『構わないよ』と言ったためノートを開いた。

所々間違っているところはあったが確かに全部終わっていた。

 

「まったく、最初からちゃんとやっていなさいよね」

 

「ウエ〜〜イ・・・まあそれは置いといて・・・」

 

郷はいきなりガバッと起き上がった。

 

「速く祭り行こうぜ!祭り!ハリ~アップ!!」

 

いつの間に用意したのかその手にはパンパンに中身が入ったサイフといつものカメラが握られていた。

 

『ですが郷さん、今から会場に向かいますと到着するのはお祭りの終盤になりそうですよ』

 

「ん?ああ、モ~マンタイ」

 

そう言い郷はビットの一角に置かれた盛り上がったシートに近づく。

「オレが誰か忘れたのか?アイアム・仮面ライダー!」

 

シートを勢いよく剥がすとライドマッハーが姿を現した。

 

「コイツでマッハで行けば全然余裕だろ?」

 

「確かにそうだけど・・・ロイミュードが出た訳でもないのにバイクを使っちゃって良いんですか?」

 

郷やクリムのことは殺せんせーと同様に各国が認識している事だとは聞いていたが仮にも中学生が堂々とバイクを走らせて良いのか?速水はクリムに聴くが

 

『まぁ、今回は郷も頑張ったことだからね。烏間にはワタシが後で言っておこう』

 

「お〜い!2人とも速くしろよ!」

 

ライドマッハーに跨がりながら郷は速水に自分のと同じデザインのヘルメットを投げ渡す。良く見てみると取り付けられたスタンドに収まったスマホの画面では律もピンクのヘルメットを被り今か今かと待っていた。

少し戸惑いながらも速水はヘルメットを被りクリムを持ち郷の後ろに跨がった。

 

「んじゃ、飛ばすぜ〜」

 

郷がアクセルを全開にした次の瞬間、速水は風が全身を走るような今まで感じたことのない感覚を味わった。

 

「キャァッ!!」

 

郷の腰に回した腕に力が入る。周りの景色が目回しく変わっていく。

 

「どうだ速水、風を切って走るのって気持ちいいだろ!?」

 

郷の心から笑っているような声に速水の顔も思わず綻びる。そして改めて流れていく景色を見る。いつの間にか山を抜け街中に出ていたらしく街灯や家の明かりが光の川のように流れて行った。

「・・・・キレイ・・」

 

口からそんな言葉が出てことに気付かない程に速水はその景色に心を奪われた。今まで何度も通ってきた街がまるで初めて訪れたようにさえ思えた。

 

 

 

「よっし、到着!」

 

「えっ?」

 

速水が高速の世界の光景に見惚れていると不意にその世界は終わった。気付かなかったがいつの間にか祭り会場の神社の目の前に来ていた。あの光の川が見納めになったことに少しばかり名残惜しいと感じながらも速水はバイクから降りた。

 

「もう着いたのね・・」

 

「んじゃ、邪魔になんないところに停めてくるからさ先行っててくれ」

クリムと律を渡された速水はライドマッハーを押しながら神社の脇へと歩いていく郷を見送り神社の境内へと入った。

 

 

既に境内は多数の出店とそれを廻る人たちで溢れていた。その中を速水はクリムと律を抱えながら歩いていく。

 

『コレがお祭りですか、やっぱり動画で見るのと実際に見るのとは違いますね!』

 

『そうか、律くんは祭りに来るのは初めてだったね。やはり日本の祭りは賑やかな中にもしっかりと風情があり良いものだからね思う存分楽しむんだよ』

 

『はい!分かりました!』

 

ベルトとスマホという間違いなく世界で最も変わっている教師と教え子の会話聞きながら歩いていくと焼きそばの屋台の前に矢田と倉橋の2人がいた。

「あ、凛香〜!こっち、こっち!」

 

2人も速水に気付き手を振る。

それに答えるように速水も2人に近づく

 

「矢田たちも来てたんだ」

「うん、他のみんなももう来ててそれぞれで回ってるよ」

 

矢田に言われ速水が周囲を見渡してみると確かにあちこちの出店にE組生の姿があった。

 

 

「律もクリム先生も来たんだ」

 

『はい!ワタシも本物のお祭りを是非とも体験したく思いまして!』

 

倉橋は速水から受け取った郷のスマホに映る律と楽しそうに会話をしながら手に持つりんご飴を口にする。それを見た律もまた真似するようにりんご飴を取り出し口にする。

「それにしても・・・郷ったら遅いわね」

 

しばらくの間矢田たちやその後合流した中村と話をしていた速水だったがバイクを止めに行った郷がいつまでたっても来ない事に若干の違和感を感じた。

 

「あれ、郷ならさっき向こうで見たけど?」

 

そう言って中村が指差し先を見た速水は手にもったフランクフルトの串をバキッと握り折った。

 

「「「ヒィッ!?」」」

 

速水から溢れ出る怒りに向けられた訳でもないのに身震いをした矢田たちがその視線を追うとそこには・・・・

 

「はい、もう1枚撮りますよ〜!あっそうだ、現像できたら写真送りますんで住所教えて貰えますか?」

浴衣を着た大学生と思われる女性にカメラを向けながらナンパをする郷の姿があった。

 

「あの・・・バカ・・・・コロス!」

 

速水は2つに折れた串を持つ腕を振りかぶりながら殺気の込められたカタコトを口にする。

その目が見据える先では件のバカが女子大生たちの周りを縦横無尽に動き回りながらシャッターを切り続けている。

 

 

 

「こうやって出会ったのも何かの縁ですし奢りますから綿あめ食べませんか?」

 

バイクを置いた後、速水と合流しようと境内に入ったが3日間に渡る缶詰生活からの解放と初めての夏祭りによる興奮によりいつも以上にテンションが高まっていた郷は視界に入る浴衣女子に片っ端から声をかけていた。

 

「おね〜さん!夏の思い出に1枚どうですか?住所教えて貰えれば後で送りますよ!」

 

たった今声を掛けた女子大生グループが快く撮影に応じてくれたため少し距離を取りカメラを向ける。彼女たちからしたらちょっとした時間つぶしのつもりなのだろうが郷としてはそれでも構わなかった。初めての夏祭りの思い出に華やかない写真を1枚でも多く飾る事が出来るのだから。

 

「は~い!撮りますねぇ~~チ~・・・・ズッ!?」

 

シャッターを切る直前カメラ越しに見た女子学生たちの横からこちらに向かって来る何かが見えたような気がしたがそのままシャッターを切った。するとその瞬間、頬を何かが掠めた。

「・・・・・エエ?・・リアリ~・・・マジで?」

 

ハラハラと耳元で自分の髪が数本音ていく音が聞こえた。ギギギギと古いブリキの様な音を立てて後ろを振り向くと木に折れた串が突き刺さっていた。

再びブリキのような音を立てて首を戻すと人の波の間にソレは見えた。両手に大量の串を持ち今まさに振りかぶろうとする白い浴衣の殺し屋の姿だった。

 

 

 




モチベーションが上がるので感想よろしくお願いします。
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