暗殺教室・その転校生、未来人で、仮面ライダー!   作:真田丸

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2人目の未来ライダークイズが登場しましたね。

前回の忍びというヒーローとしてはメジャーなモチーフの次がクイズ、中々個性的なモチーフですね。

こうなるともう1人はどんなライダーなのか?予想が出来ない・・・

個人的には未来ライダーということで仮面ライダーアクアがサプライズで出てもらいたいという願望がありますが・・・無理でしょうねぇ~


プリンの時間①

「あ〜今日は何っ食おっかな?」

 

郷がその日の晩ご飯のオカズを決めようと冷蔵庫を開けるが中にはスポーツドリンク数本とタマゴしか入っていなかった。

 

「ゲッ、タマゴだけか〜・・・しゃ〜ない、ご飯にかけるかな」

 

タマゴを取り出し米の盛られた茶碗と一緒にテーブルに置いた。

 

『ん?待ちたまえ郷、そのタマゴは期限が過ぎているんじゃないのか?』

 

「えっ、リアリ〜マジで?」

 

言われて確認してみると確かに1週間程過ぎていたが

 

「まぁ〜・・・大丈夫だろ?冷蔵庫に入れてたんだしさ、無問題、無問題〜」

 

1度は躊躇したが他に食べ物も無かったため結局はそのタマゴをご飯にかけて食べた。

 

だが、郷もクリムも気付かないでいた。実は数日前にビット内で作業をしていた時に冷蔵庫の線が抜けていたことに、そして残暑が残る9月の気温で日中温まったビット内に放置されていたタマゴが既に痛み出していたことに・・・

 

 

 

「グオォォォッ〜〜〜!?」

 

その夜、郷はトイレの中で1夜を過ごすこととなった。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

「アアアッ〜〜〜・・・・」

 

翌日、郷は食料の買い出しのために街に出ていた。

昨晩ほどの便意は無いが未だに腹の辺りには違和感を感じる。

 

『郷さん、大丈夫ですか?』

 

胸ポケットに入れたスマホから律も心配そうにしている。

 

「決めた。しばらくはぜってぇ〜タマゴは食べない!」

 

郷の小さな決心に律も思わず苦笑した。

すると、メールの着信のメロディーが鳴った。

 

『あ、茅野さんから皆さんへの一斉メールですね』

 

「茅野から?珍しいな」

 

『えっと、「新しい暗殺の計画を実行するからみんなグラウンドに集合ね!」とのことです』

 

「へ〜〜茅野が暗殺の計画を立てなるなんて始めてじゃないか?」

 

基本、他の人のサポートに徹することが多い茅野が立てた暗殺計画、ソレに郷は少しばかりの興味を持つ。

「面白そうだな。よし!行くぞ律!」

 

面白そうな事にはには取り合えず飛び込む。郷は腹の痛みなど吹き飛び帰路を走った。

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

「ゴメンねみんな。せっかくの休みなのに」

 

全員集合したE組グラウンドでホワイトボードを背に茅野がみんなの前に立つがすぐに1人足りないことに気づく。

 

「あれ、郷くんは?」

 

「郷ならあそこよ」

 

速水が呆れ顔でドライブビットを指差す。

実は、郷は急に走った影響かグラウンドに着いたとたんに再び腹痛に襲われそのままトイレに直行していた。

 

仕方なく待っていること数分後、ゲッソリとした顔の郷が腹部を抑えながら出てきた。

 

「お、おお〜〜〜・・・またせ~」

 

ゾンビのようにゆっくりと近付いて来る郷に茅野は軽く引きながらも気を取り直す。

 

「あ、うん・・・じゃ、じゃあ私の計画を発表するね!今回の暗殺に使用するのは・・・・コレです!」

 

茅野が取り出したものを見た瞬間郷はゲッと顔を歪ませる。

ソレは今の郷にとって最も見たくないものだろう。それこそ現在進行形で郷を苦しめている元凶、タマゴであった。

 

「・・・・・・・・・・・(ガルル~~!)」

 

「・・・え~っと郷くん?なんか目が怖いんだけど・・・」

「・・・今の俺にはコレが親の仇の様に憎く見える」

 

「ちょっと落ち着きなさいよ茅野が怖がってるじゃない」

 

今にも噛みつきそうな勢いで茅野の手にあるタマゴを凝視する郷に若干怯え気味の茅野を見かねて速水が引き離す。

 

未だに唸りながらタマゴを睨む郷の視線を受けながらも茅野は説明を続けた。

 

「実は先日ね。殺せんせーと一緒にプリンを食べてた時に言ってたの『1度で良いから巨大なプリンに飛び込みながらお腹一杯食べたい』って、ええ、叶えてあげましょうその願い!!題して、《巨大プリン大爆発大作戦!》ぶっちゃけ私も食べたい!!」

最後に少しの欲望を見せながら茅野がホワイトボードを引っくり返すとそこに書かれた絵で作戦の概要を説明し出す。

「作戦は単純、全国の廃棄処分されてしまうタマゴを集めて殺せんせーが夢中になっちゃうような美味しい巨大プリンをみんなで作って殺せんせーに食べさせる。殺せんせーが食べることに夢中になっている隙にプリンの底に仕込んだ火薬仕様の対先生弾の爆弾を爆発させます!」

 

どうかな?と茅野は自信満々でみんなを見る。

 

「良いかもな」

「殺せんせーって甘いものに目がないから上手くいくかも!」

「何より今までサポートに徹していた茅野の作戦だから意外性もあるね」

 

みんなが口々に賛同の声を上げていくが、ここで一人空気の読めないヤツがいた。

 

「異議あ〜り!」

後ろの方でピシッと右腕を伸ばしながら郷が出てきた。

 

「オイオイ郷、いい加減にタマゴに目くじら立てるなよなぁ」

「ちげ〜よ。ソコじゃなくてだな」

 

タマゴに当たったことを未だに根に持っていると思っていた吉田に否定し郷はホワイトボードの前に立つ。

 

「タマゴを使うことには反対しないけどなどうせ作るならプリンなんかじゃなくて・・・・・ドーナッツだろうが!!」

 

「「「「「「「・・・・・・・・は?」」」」」」」「・・・・・ああっ!? 」

 

郷が腹の内から出した言葉に思わず間抜けな声が出た。(約1名の声には殺意が籠っていた)

 

「あからさまに巨大プリンなんか渡しても殺せんせーが警戒するに決まっている。そしてなにか仕込むなら底部だって言うのも容易に想像できる!対してドーナッツなら円状のドコに仕掛けがあるか予想が困難になるから成功率も上がるハズ!それにな、この前一緒にドーナッツ食ってた時に『1度で良いから巨大なドーナッツを食べながら一周してみたいですね〜』って言ってた!つーか俺もしてみたいっ――「ウラァッ!」――ガスガッ!?」

 

先程の茅野に負けず劣らずの熱弁(ついでに最後に漏らした自身の欲望)を繰り出す郷の意見に周りからは『一理あるかも』という雰囲気がではじめたのだったが突如繰り出された膝蹴りによって郷は地面に沈んだ。

 

「おっおい郷!?」

 

視界から飛ぶように消えた郷に駆け寄ろうとした千葉の前に郷を沈めた人物が仁王立ちで立ち塞がった。

その人物は言うまでも無く茅野であった。普段の小動物の様な可愛らしさは消え失せその眼は自身の道を妨げるものは力をもって排除する凶戦士の様だった。

そしてその眼は郷の意見に賛同しかけていた者達にも向けられる。

 

「みんなはどうなのかなぁ~?まさか郷くんの味方するわけじゃないよねぇ~・・・・」

 

 

「「「「イエッ滅相もありません!!」」」」

 

みんなわが身可愛さに一瞬頭に浮かんでいた郷の意見に対しての評価を消し飛ばした。そのことに満足したのか茅野から殺意が消え再び華やかな笑顔が咲く。

「だよねぇ〜!やっぱり作るならプリンに決まって――――「何すんだこのまな板娘ぇ〜!!」―――いぎゃぁぁぁぁ!!?」

 

茅野の笑顔を横から伸びて来た手が覆った。

郷のアイアンクローを受け茅野は悲痛の叫びを上げる。

 

「プリンなんか笑止千万!作るのはみんな大好き、ドーナッツに決まってん―――「うるさい出歯亀!!」――だぶさっ!?」

 

茅野はアイアンクローを喰らった状態から郷の腹へと膝蹴りを打ち込んだ。下痢ぎみの腹にそんなものを喰らい平気なハズなはく郷はその場にうずくまる。

 

「ドーナッツのおいしさは確かに認める。でもこの巨大プリンを作る一世一代のチャンスだけは誰にも渡さないんだからぁ!!」

茅野はうずくまる郷の両脚を掴むとその体型からは考えられない力で逆さに持ち上げた。

 

 

「うおっりあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ワッツ!?ちゃっとまっ――――!」

 

茅野は年頃の女子が上げるのはどうなのかと思う雄叫びと共に郷を持ち上げたまま跳んだ。

 

ドシィン!と地響きを起こしながら着地すると郷の首、背骨そして股に尋常ではないダメージを与えた。

 

「ああ・・・アレは!プリンス・カメハメが作り出した48の殺人技の1つ、キン肉バスター!!」

 

不破が両手を握り締め熱く語りだしたが、他のみんなは茅野の明らかに異常なその力に思いっきり引いていた。

 

 

「ウブッ!?・・・・ブハァ!!」

 

郷が吐血し白眼を剥いたのを確認し脚を離す。その際、郷の血の一部が顔に着いたがそれを拭うこともせず茅野はの笑顔がみんなに向けられる。

 

「じゃぁ~作ろっか!プリン」

 

「「「「「「「Yes・Ma‘am!!!」」」」」」

 

 

この瞬間、E組に1つの暗黙の了解が生まれた。【プリンに関して茅野に逆らってはダメ】

 




モチベーションがあがるので感想宜しくお願い致します。

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