ディケイド復活!士の用意周到さには脱帽です。様々な状況を想定して事前に対策しておく、10年間旅を続けて来ての経験ですかね?というより今まで半分の力で戦ってたんかい!?
魔進チェイサー復活!かつてドライブとマッハを苦しめたその実力を遺憾なく発揮しゲイツとウォズを撃破!自身の矛盾した記憶に悩むその姿にかつてのチェイスを思い出しました。
次々と壊れるウォッチと現れる怪人たち、その光景はディケイドの1話を彷彿とさせます。ディケイドはこの世界を破壊するのか?ソウゴはオーマジオウとの決着を付けられるのか?ジオウいや平成ライダーもとうとう後2話!平成に生きたライダーファンとして最後まで全力で応援していきます!!
「速水さん、本当に・・・ごめんなさい!!」
「「「「「ごめんなさい!!」」」」」
教室に入った速水を待っていたのは片岡を中心とした083の計画に巻き込まれたメンバーからの深々と頭を下げての謝罪だった。
昨日の深夜、急に律から連絡が入り083の計画の概要が伝えられた。自分たちに接触した速水がロイミュードがコピーしたモノであったこと、夕方に一緒に帰った速水が083で083だと思っていたのこそが速水であったことを知った片岡たちは朝一番に速水に謝罪をした。
いきなりの謝罪に面食らった速水だったがすぐにその顔には笑みが浮かぶ。
「そんな、気にしてないわよ。今まで通りに接してくれればそれで良いわ」
もちろん、始めに覚えのない非難を浴びたときはふざけるなという気持ちにもなっていたが誤解が解けてちゃんと誤って貰えた今となってはそれほど気にすることも無かった。またこれからも今までと変わらず友達でいられればそれで十分だった。
速水からの許しを得たことに片岡たちもほっと安堵する。周りでその様子を見ていた者達も無事に和解したことに笑みを浮かべていた。
矢田と談笑しながら席に着こうとした速水はチラリと教室の後方、郷の席を見る。昨晩はつい勢いでキスをしてしまったが後になって以前に郷が「俺は気軽にキスなんかしない!するなら一生に一人、本当に好きになった奴とだけ!」と言っていたのを思い出し謝ろうと思っていたが、どうやらまだ来ていないらしかった。
「ふぅ・・・えっ!?」
席に着いて一息ついた瞬間、速水の机一杯に大量の花や速水の好きな猫のグッズが並べられていた。周りのみんなも突然現れた花に驚いていると速水の前に黄色い巨体が現れそして・・・
「誠に!・・・誠に申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ~~~~~!!!」
「・・・キャッァァッ!!?」
ガバッと持ち上がり穴という穴から涙、鼻水、汗と水分を溢れさせた殺せんせーの顔面が目の前に迫まってきて速水はらしくない悲鳴を上げながらカバンから取り出した銃を乱射した。
「にょぎゃぁぁぁぁ〜〜〜!!?」
――――――――――――――――――――――――――――
しばらくして落ち着いた速水に殺せんせーは深々と土下座をしていた。
「情けないです・・・教師でありながら生徒をニセモノと疑ってしまうとは・・・あるまじき失態・・」
土下座したまま殺せんせーの姿が一瞬ブレたと思えばその身を白装束に包んでいた。
「この責任は、先生の命をもって償います!」
和紙で包んだ対殺せんせー用ナイフを持ち切腹しようとする殺せんせーをその場の全員が慌てて止めにはいる。
「離してください!!生徒を疑った私に、もう教師の資格はありません!!」
「馬鹿か!?ンなことで一々死のうとすんじゃね〜よ!!」
「凛香ちゃんももう許してくれてるんだからさ!ね、落ち着こうよ!」
後ろから羽交い締めする寺坂やナイフを持つ触手を抑える倉橋が説得するが殺せんせーは尚も切腹を慣行しようとする。
そんな騒がしい教室のドアが開きカルマが欠伸をしながら入ってきた。
「ふぁ〜っあ、ん?何してんの?」
「カルマ君!?ちょっと、一緒に殺せんせーを止めるの手伝ってよ!!」
「ん〜・・・・」
渚に言われ白装束にナイフを持つ殺せんせーとそんな殺せんせーを必死に抑えようとするみんなの姿を見てカルマは何となく今の状況を理解するとニヤリと笑う。
「みんなバカだなぁ〜100億のターゲットが自分で殺されてくれるって言ってるのに止めようとするなんてさぁ〜」
「「「「「「・・・・・・アッ」」」」」」
カルマの言葉に殺せんせーもその周りの生徒たちも動きを止める。
「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」
しばらくの沈黙が訪れる中、カルマは1人、悠々と自らの席に着きその様子をニヤニヤと眺め出した。
「「「「「・・・・・・・」」」」」
生徒たちはゆっくりと殺せんせーから離れていき目の前に並ぶ。その眼は先程までの必死さは無くみんな一様に笑顔で会った。磯貝が床に落ちたナイフを拾い丁寧に殺せんせーへと渡しみんなの中心に立つ。
その間、殺せんせーは無と言える表情で微動だにせずその様子を見ていたが生徒たちは笑顔のまま右手を出しそして・・・・
「「「「「「どうぞどうぞ」」」」」」
爽やかに切腹を勧めた。
「いや、待ってくださいよぉ〜!!いきなり変わり過ぎじゃないですかぁ~~!!?さっきまで見たいに止めて下さいよ!!」
「なに言ってんだ、生徒を疑ったんなら教師らしく責任をとれよな」
「凛香ちゃんは殺せんせーを信じていたのに・・・それを裏切ったなんて・・ひどいよ・・・」
あまりの手のひら返しに叫ぶ殺せんせーだったが先程までとはうって変わって生徒たちは切腹を薦め続けた。
「は、速水さん!速水さんは先生を許してくれるんですよね!?」
殺せんせーは一筋の希望を求め速水を見るが、
「殺せんせー・・・・100億は慰謝料として貰っておくわね」
なにか吹っ切れた様に周りに合わせ清々し笑顔を向けた。
「ハアアッ~~〜・・・・がくっ・・・・・・・・」
味方の居なくなった殺せんせーはその場に崩れ落ち教室には笑い声が溢れた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
「では、気を新たに出席を取ります!」
始業のチャイムがなり殺せんせーは素早くいつもの恰好に着替えると教台の前に立ち生徒たちもそれぞれの席についた。
また今まで通りの日常が始まると誰もが思っていた。ところが・・・・
「では続いて・・・郷くん!」
「「「「「「・・・・・・・・・?」」」」」」」
出席を取っていく殺せんせーが郷の名前を読んだがいつまでたっても返事が帰ってこなかった。
全員の視線が教室の後方、郷の席に向けられたがソコに郷の姿は無くそれどころかカバンや郷が何時も持っているカメラも無かった。
(郷、どうしたのよ・・・やっぱり昨日の事を・・・?)
速水は荷物の無い郷の机を見ながら寂しそうな顔をすると同時に昨晩の自分の行いを改めて後悔した。自分の感情を優先して郷の気持ちも考えなかった。そのことで嫌われてしまったんじゃないかと不安になって来た。
「変ですねぇ・・・欠席の連絡は受けていないんですが・・・」
殺せんせーが困惑の顔をしていると教室の扉が開いた。郷が来たのかと全員が扉に目を向けるとソコには専用の移動用の台座に収まったクリムが困ったような顔でいた。
「クリム先生、どうかしましたか?」
『ああ、殺せんせー・・・それが郷がねぇ』
クリムの話によると今朝になって郷が急に登校を拒否しだしたとのことだった。何時まで経っても部屋から出てこなくクリムが何度声を掛けても
「ムリ・・・・今日は・・・行きたくねぇ・・・・・」
と弱々しい声が返って来るだけとのことだった。律もスマホから呼びかけようとしたが電源が入れられていないらしく郷のスマホに入れなくなっていたらしい。
「そ・・・それはいけません!皆さん、1限目の授業は中止です!みんなで郷君を説得に行きましょう!!」
殺せんせーは焦った顔で何時の間に用意したのか殺せんせーは触手一杯に【生徒との向き合い方】【現代っ子のメンタルケア】【Break the shell】等といったタイトルの本を読みながら皆に呼び掛けた。
グラウンドの片隅に建つ郷とクリムの基地兼住居のドライブピットに来たE組メンバー、だが流石に全員がいっぺんに入ると狭いので郷と特に中の良いメンバーが中に入ることになった。
選抜されたメンバーの速水に千葉、カルマと岡島に中村・木村・岡野そして殺せんせーがピット内に入った。
「さて、皆さんいきますよ」
どこぞの高校で長年にわたり3年B組を受け持ち続けて来た国民的教師のコスプレをした殺せんせーはピット内の郷の部屋の前に立ちドアをノックする。
「郷く~ん!みんなが待ってます。一緒に学校に行きましょ~~!!」
「殺・・・せんせー・・・・?ワリィ・・今日は・・・行きたくないっス・・」
部屋の中から帰って来るのはやはり弱々しい声であった。
続いては千葉がドアの前に立ち声を掛ける。
「郷、どこか具合でも悪いのか?だったら病院に行った方が良いぞ!」
「・・・千葉か・・・具合は・・・悪いわけじゃないんだ・・・ただ・・今日はちょっと・・・行きたくないんだ・・」
具合が悪い訳ではないと言いつつもその絞り出したような声はとても正常な状態とは思えなかった。
「ご〜う!いい加減に出てこないと郷の机にイタズラしちゃうぞ〜!」
「・・・・カルマ・・・やるのは勝手だけど・・後でぶっ潰す・・・」
カルマの挑発に対してもやはり何時もの覇気はなかった。
その後も岡島がエロ本で釣ろうとしても中村が渚の女装撮影会に誘っても、木村や岡野が競走を挑んでも返ってくるのは途切れ途切の返事ばかりであった。
「にゅ〜〜困りましたねぇ〜〜・・・・」
どうしたものかと殺せんせーが頭を悩ませていると速水が扉の前に立ち控え目に扉を叩く。
「・・・・・郷、良いかしら?」
「速水・・・・・か?・・・悪いけど今はっ・・・ファッ!?・・はっ速水!?ガヅァッ!!」
「ッ!?郷くん、大丈夫ですか!?こうなったら・・・・強行突破です!」
さっきまでとは明らかに違う反応と部屋から聞こえる何かが崩れるような物音にただ事ではないと感じた殺せんせーは部屋の扉をピッキングし中に突撃する。速水や千葉たちも続いて部屋の中に入る。
室内は意外と簡単な造りになっていた。部屋を四方に囲う真っ白な壁には窓が無く代わりに郷が撮ったであろう裏山の自然や街の景観、E組の日常など様々な種類の写真が貼られおり部屋の片隅に設置された机の上にはタブレット端末と数冊のアルバム、写真が乱雑に置かれている。
他には小さな本棚と部屋の真ん中に置かれたテーブルと机の反対側にベット代わりのハンモックといった内装だった。
そして丁度揺れるハンモックの真下、ひっくり返った体勢で倒れるこの部屋の主である郷は頭を押さえながら立ち上がろうとしていた。
「イッテテ・・・・・・・・ッ!?///」
そこで殺せんせーたちが部屋まで入って来ていたことに気付いた郷は速水の姿を見た瞬間その顔を異常と言えるまで赤くする。
「は・・・はやっ!・・はややややっっっ!/////」
「ご、郷くん・・・大丈夫ですか・・?」「お、おい・・・郷?」
その様子は明らかに普通ではなく殺せんせーたちが駆け寄ろうとするが・・・・
「ちょっと郷!?しっかりしなさいっ「キュ~~・・・・////」郷っ!!?」
速水が一歩近づいた瞬間、郷は顔から湯気を上げながら仰向けに倒れた。
「郷く~ん!!???」「「「「ご~うぅぅ!!???」」」」
「あ~らら・・・・ん?・・ああ、な~るほどねぇ~」
慌てて駆け寄る殺せんせーたち、そんな中でカルマはチラリとハンモックに視線を向けると何かを察した様に笑う。ハンモックの上にはクラスではめったに見る事のない速水の笑顔が写る写真が何枚も置かれていた。
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