これから少しずつですがペースを戻していきたいです!!
想いを告げた速水と郷が互いの温もりを感じるように抱き締め合ってしばらくの時間が流れた。ふと速水は顔を上げ郷を見上げる。
「・・・郷、まだ私に秘密にしてることってあるわよね?」
「あ~・・・分かる?」
ばつが悪そうな顔をする郷を速水はジド目で見上げる。
「全部、話してくれるんでしょうね?」
「・・・分かったよ。全部聞いてからやっぱり好きなのは訂正するなんて無しだからな?」
一瞬渋った郷だったが自分の正体がロイミュードである真実を知ってもなお、自分を受け入れると言ってくれた速水に郷も自分の秘密を全て告げる決心をした。
「以上がロイミュードと俺の歴史でした・・・っと」
数分後、郷は自分の出生や何故ロイミュードでありながらロイミュードと戦うのか、そもそもロイミュードとは何なのかその全てを話し終えた。
それまで黙って郷の話を聞いていた速水だったが郷がひと息つくのを確認すると再び郷に抱き付く。
「ごめんなさい。そんな辛いことを話させちゃって・・・」
「別に構わないって、俺も誰かに聴いて欲しかったしな、それに・・・受け入れてくれるんだろ?」
「ええ、例え郷が何であろうと私は・・・速水凛香は詩藤郷の側にいるわ」
速水はその日、いや今までの人生で1番の笑顔を見せた。その美しくさに郷は思わず見とれてしまったがすぐに首に掛けたカメラを構える。
「じゃあ、俺からも言わないとな。俺に・・・詩藤郷にこの先、誰よりも多く速水凛香の笑顔を撮らせてくれ」
カシャッとシャッターを切った郷が口にした言葉に速水は思わず吹いてしまった。
「ぷっ、なによその台詞?」
「ッ!?悪かったな変な台詞で///」
少々捻りすぎだがそれはそれで郷らしい告白に速水の眼には涙が浮かぶ。一方、郷は自分なりの一世一代の告白を笑われてふて腐れたようにそっぽを向いた。
「フフフ」
「・・・ハハッ」
その子供っぽい姿に速水はますます可笑しくなり笑ってしまう。そっぽを向いた郷もその笑い声につられるように笑いだした。
お互いの笑い声につられ合い2人はしばらくの間笑いあった。
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「さぁ~ってと」
ひとしきり笑った郷はおもむろに足元に転がる小石を拾う。何をするのか?首をかしげる速水に背を向けると・・・
「はい!そこぉーー!!」
大きく振りかぶり近くの茂みへ投げつけた。その瞬間、茂みがガサァと音を立て揺れた。
「ニョァッ!?」
締まりのない叫び声と共に茂みから飛び出て来た殺せんせー、触手いっぱいにペンやノート、更にはカメラやボイスレコーダーまで持っている。その姿を見た速水は瞬時に今までの事を見られていたことに気付く。
「殺せんせ~~なぁ~~っにやってんっスか?」
郷がジド目で問い掛けると殺せんせーはあからさまに動揺し何とか誤魔化そうとする。
「ニュア!こ、これは違うんですよ!実は先生、最近バードウォッチングに嵌まっていましてね!眺めるだけじゃなく、スケッチしたり写真に納めたりポエムを詠んだり鳴き声を録音したり・・・!」
マシンガンのように言い訳をする殺せんせーだったがあいにく速水にはその言葉は届いてはいなかった。
「あっ・・・あのぉ~・・・速水さん・・?」
「ッ~~~///!!」
先程までの自分の言動を思い出しそれが見られていたことに言い様のない羞恥心に襲われその恥ずかしさのあまり顔を隠しながらその場に座り込んでしまった。
「ちょっと拝借ぅ~~」
「ちょっ!郷くんッ!?」
殺せんせーからボイスレコーダーを奪い取った郷即座に録音内容を再生した。
『私は、速水凛香は!郷の事が好きなのよ!!』
「ッ~~~~~///!?!???!?!??!!」
ボイスレコーダーから流れたのは先程の速水の告白だった。もはや速水の顔はトマトかと思うほど真っ赤になりパニックになりながら思考する。
このままじゃみんなに知られる、それを防ぐ為にはどうするか?
答えは決まっている。
この場で殺せんせーを殺すしかない!
隠し持っている銃を素早く抜き取り殺せんせーへと向けた。
「死ね!この覗きタコ///!!」
「ニョォ~~!!?」
明らかにキャラじゃない怒声を叫びながら銃を構え狙いを付け撃つ。恐らく今までで最も早く一連の動作を行った速水の弾丸だったがやはり殺せんせーには躱される。そのままの勢いで逃げようとした殺せんせーだったが不意に身体が重くなるのを感じた。
「ニュアッ!これは!?」
殺せんせーは重い身体を動かし何とか後方を見ると同じ様に身体の異変に驚く速水の隣で郷が地面に手を当てていた。
「殺せんせ~~、生徒の告白覗いておいて簡単に帰すわけないっスよねぇ~」
重加速を発生させた郷は速水にシグナルマッハを持たせ殺せんせーに近づく。シグナルマッハを受け取った速水も身体が軽くなったのを確認するとその後を追い二人で殺せんせーを囲う。
「二、ニュア~~~・・・」
さすがに不味いと冷や汗を流す殺せんせーだったが速水は兎も角として郷はあまり怒っている様子はなく指を鳴らすと同時に重加速を解除させた。
「悪いんだけど殺せんせ~、みんなを教室に集めといてくれないっスかね?」
「ニャッ?」
「えっ!?郷・・・?」
てっきり怒られると思っていた殺せんせーだったが郷からの要求に思わず変な返事をしてしまう。速水もその要求は知らなかったため目を丸くして郷を見る。
「ハイ、ハリーアップ!」
「はい!直ちに~!」
速水が瞬きをした間に殺せんせーはこの場から消え校舎へと向かっていた。それを見送った郷はのんびりと校舎へと向かっていく。速水もそれを追いかけながら郷に問いかける。
「何でわざわざみんなを集めるのよ?」
「いや~・・・どうせ殺せんせーにばれたならいっそのことみんなに公表しようと思ってなぁ~~」
「はぁ!?」
寝耳に水の速水は声を上げ郷に詰め寄る。速水としては郷との関係に関しては恥ずかしさもあり出来る事なら皆には内緒にしておきたいと思っていた。
「どういう事よ!?」
「いやだってさ・・・カルマとか中村辺りなんか感が良いからなぁ~どうせすぐにバレるって、なら先に言っておいた方がまだ良いだろ?」
「うっ・・・確かに・・そうね・・・」
郷の言い分に速水も納得した。確かに黙っていたらそれはそれでながいことからかわれる事になると容易に想像は出来た。なら、早いうちに公言しておいた方がましかもしれないっと。
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「っというわけで・・・俺たち、晴れて付き合う事になりましたぁ~~イエ~イ!」
「「「「「いや、なんでだよ!!!??」」」」」
教室にて、顔を赤めうつむく速水の手を握り高らかと宣言した郷に男子たちは叫ぶ。
「おまっ!ついさっき付き合う気はないって言ってたじゃね~かよ!」
「おいおい寺坂ぁ~男心は秋の空って言葉を知らねぇ~のか?」
「それを言うなら女心と秋の空だろうが!!ちゃんと説明しやがれ!!」
寺坂を皮切りに男子たちは一斉に郷へと詰め寄っていく。
郷は身体を揺さぶられたり肩を強く叩かれたり頭をもみくちゃにされながらも笑顔でそれらを受け入れる。
一方で速水もまた女子たちに取り囲まれ根掘り葉掘り聞かれていた。
「凛香ちゃん!凛香ちゃん!どっちから告白したの?」「凛香ったら急に走り出したからびっくりしたけど、ちゃんと想いを伝えられたんだね!」
「も、もしかして・・・またキスってしたの!?///」「もし郷くんが速水さんを悲しませるようなことをしたら私たちが成敗してあげるわね!」
年頃の女の子らしく恋愛ごとに興奮する倉橋に友達として素直に喜ぶ矢田、真っ赤な顔に鼻息を荒くし詰め寄る茅野やとても頼もしい片岡
「フフッどうやら私のアドバイスが役に立った様ね」
生徒の輪に入って来たイリーナは腕を組みどや顔でウンウン頷く。
「みんな・・・ビッチ先生・・・ありがとう・・///」
みんなから心からの祝福されているんだと感じ速水は心から感謝する。
「ダァッ~~~!!いい加減にしろやぁ~~!!!」
散々にもみくちゃにされていた郷だったが散々に扱われることにやがて限界に達し纏わりつく男子たちを振り払う。
「人が我慢していたら図に乗りやがって!そんなにリア充になった俺が妬ましいか非リア充共!?」
郷のその一言に今の今まで祝福ムードだった一部の男子の眼の色が変わった。
「当たり前だぁ‼️」
岡島がまるで血の涙でも流さんばかりに目を見開き叫ぶ。
「郷ッ!俺は信じてたんだぞッ・・・ッ確かにお前は俺たちよりも顔は良い方かもしれない、それでも共にこのクラスのエロ仲間としてこれからも一緒に歩いていけるってッ!それなのに・・・それなのにッ!なに1人だけ彼女作ってんだぁ‼️」
「この裏切りもんがぁ~!!」「なぁ~にが速水と付き合う気はないだ!」「お前の罪を数えろやぁ~~!!」
先程までの祝福の小突きとは違う明確な敵意を持った拳が次々と郷へと振り下ろされていくが郷は素早くそれらを躱し距離を取り対峙した。
「上等だ、非リア充共がぁ!!リア充と非リア充の格の違いを教えてやらぁ~!!」
「「「「「非リア充舐めんなぁ~~!!」」」」」
唐突に始まった郷VS男子(一部)の闘いに残りの男子及び女子たちは溜め息を吐いた。
「全く、何をやっているのか・・・」
『良いじゃないか烏間、1つの恋であれだけはしゃぐことができるのも若者の特権さ』
教室の外の廊下からその様子を見ていた烏間も頭に手をやり呆れておりクリムは微笑ましそうに見ていた。
「シクシク・・・私はただ、生徒の甘い青春の記録を残そうとしただけなのに・・・」
ちなみに殺せんせーは2人の後ろで首に[私は生徒の恋事を隠し撮りしました]と書かれたプラカードが下げながら正座をさせられていた。
郷は向かって来る男子たちを次々と薙ぎ倒していき岡島の背に乗りながら両腕を絞り上げる。
「喰らえやァ~!パロ・スペシャル‼️」
「ギィヤァァァァ‼️たっ、助けてくれぇーー‼️」
技が完璧に決まり悲鳴を上げる岡島は助けを求めるが共に郷へと挑んだ同士たちは既に全員地に伏せっていた。
不参戦組も磯貝と渚は苦笑しておりカルマは面白そうにニヤニヤ眺めている。千葉に至っては巻き込まれないためにか目をそらしていた。
誰も助けてくれない。無情な現実に絶望する岡島に対し郷はさらに力を加えた。
「ギィヤァァァァァァァァァァァァ‼️‼️」
「よ~し!今日ははやみんと郷を祝して夜までお祝いだ~~!!」
「「「「「おおーーーー!!」」」」」
岡島の叫びを無視した中村の提案に倒れていた男子たちも起き上がりみんなが賛同した。
何人かが祝いの買い出しに行こうと教室を出ようとすると烏間が咳払いをしやれやれと言った顔で叫ぶ。
「騒ぐのは良いが各自、家には連絡を入れておくんだぞ!」
「「「「「はーーーい‼️」」」」」
烏間は教師の立場からあまり生徒が遅くまで騒ぐことに賛同はできなかったが笑顔で盛り上がる生徒たちを見て水を指すのは無粋だと思った。そんな烏間を見てクリムは小さく笑った。
1度は崩れかかったE組の絆は新しい繋りが生まれより強いものへと変わった。その日、夜遅くまで教室からは笑い声が絶えないでいた。
「タワーブリッジ‼️」
「もう勘弁してくれ~!郷ぅ~~‼️」
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