造ってくヒーローアカデミア(リメイク前・凍結)   作:KEA

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第10話

「…………」

 

次々と騎馬戦のメンバーが決まっていく中、俺は焦っていた。

今回、俺は完璧何もできない。騎手になれば両手は使えるが地面には

手が届かず、錬成が行えない。騎馬だと手が塞がるため錬成が出来ない。

……出来ない事尽くしでヤバい。どうするべきだ?

 

あれを使うしかないか? でもあれは奥の手だ。ギリギリまで

誰にも知られたくはない。その時、肩を誰かに叩かれる。

振り返れば梅雨ちゃんに峰田だ。

 

「なぁなぁ神薙! 俺たちと組まねぇか?」

 

「えーっと、峰田に梅雨ちゃんに……障子?」

 

中々意外なメンツだな。つーか俺を選ぶメリットは?

俺何もできねーぞ今回。

 

「蛙吹がよー、せっかくだから神薙がぶべらばっ!」

 

「人数は少ないより多いほうがいいと思うの」

 

何やら言おうとした峰田が梅雨ちゃんによる舌ビンタで吹っ飛んだ。

まぁ誘ってくれたんだし、やるか?

作戦は障子の個性『複製腕』で俺たち三人を騎手とし、障子一人で騎馬を

務めるというまさかの逆。複製した腕で俺らを覆う事でポイントを取られることを防ぎ

更に触手の先に目を生やすことで後方確認にも使える。

なるほど。理には適っている。そこで4位の俺を加える事で総合のポイントを増やす、と。

 

それを俺は承諾し、4人のメンバーが出来上がった。

仕方ない。3人の期待に応えるためにも、奥の手を使おうじゃないか。

 

 

 

 

『よォーし組み終わったな!!? 準備はいいかなんて聞かねえぞ!!

いくぜ!! 残虐バトルロワイヤルカウントダウン!!』

 

俺らのポイントを合計すると

峰田の125

障子の145

梅雨ちゃんの150

そして俺の195のトータル615ポイント。

確かこれは轟と同点のハズ。

 

『3!!!』

 

障子の上に全員で乗り、それを包み込む。

カウントダウンが始まり、俺はすぐに人差し指の皮を噛み切った。

 

「うおお!? 神薙、お前なにしてんの!?」

 

「うっせ、静かにしてくれ」

 

その血で右の掌に文字を書き込んでいく。

 

『2!!』

 

実質、この戦いは如何にして1位のポイントを奪取し、守り切るかだ。

その中で一番厄介なのは常闇の『黒闇』と上鳴の『蓄電』。

これらを攻略しない限り1位は無理だ。

 

『1!!!』

 

隙間から様子を伺いつつ、全員がどの位置にいるかを確認する。

 

『START!』

 

全員が1位を目指して走り出していった。

……だよなぁ。まぁ俺らもなんだけどな!!

 

「まず一位の緑谷を狙ってくれ!」

 

「わかった」

 

サポート科の器械らしきもので飛んでいく緑谷。

その着地地点めがけて指示を出す。

 

「峰田! 足元にもぎもぎぶつけろ!」

 

「おうよ!」

 

もぎって投げた峰田の球は見事に足元に引っ付いた。

これに気づく前に1位のあれをもぎ取る!

 

「障子くん!? アレ!? 一人!? 騎馬戦だよ!?」

 

驚きの声が聞こえてくる。

普通そう思うよね。

 

「一旦距離を取れ! とにかく複数相手に立ち止まってはいかん!」

 

「っ……!? 何!? 取れへん!」

 

「峰田くんの!! いったいどこから……」

 

気づいてしまったか。

隙間が開き、峰田が顔を半分突き出した。

 

「ここからだよ緑谷ぁ……」

 

「なァァ!? それアリィ!!?」

 

「アリよ!」

 

審判からのGOサインも出たとこだし、ここからガンガン攻めさせてもらおう。

合図と共に、梅雨ちゃんの舌が一気に緑谷まで伸びる。

 

「わっ!!!?」

 

「わ!!?」

 

避けられた舌は、後方にいたB組の生徒にまで伸びるが取れはしなかった。

 

「さすがね緑谷ちゃん……!」

 

「蛙吹さんもか!! すごいな障子くん!!」

 

「梅雨ちゃんと呼んで」

 

実際三人を担いで走り回っているわけだから、緑谷の言う通り障子が凄い。

 

「後ろから茨のようなものが来てるぞ、どうする」

 

「無視しとけ。ただ、俺らの狙いだっつーのなら対処する」

 

目でしっかり後ろを見ていたからだろう。

後ろを這うようにして向かってきていた茨に気づくことができた。

今は無視。時間で緑谷を狙うか判断しよう。

 

それにそろそろ轟チームに警戒をしなくては……。

 

「障子、轟のチーム何かしてないか?」

 

「……分からないな。何やらシートのようなものと棒のようなものを

八百万が造りだしてるが」

 

「それだけわかりゃ充分! 障子、フルアタックモードだ!

梅雨ちゃんは舌伸ばす準備、峰田ももぎもぎ用意しとけ!!」

 

八百万と上鳴。この二人がいるのなら確実にあの時の戦法を取ってくる。

それがわかってるから俺も奥の手を使うんだ。

覆っていた手が開くと同時に、俺は右腕を突き出した。

 

――無差別放電130万V!!

 

上鳴の放電が無差別にフィールド上へと広がる。

雷なんて防ぎようがない。大多数の生徒がモロに喰らい、一時的に

行動不能に陥る。

 

「峰田! 電気が終わる前に誰でもいい、騎馬にもぎもぎくっつけろ!

梅雨ちゃんは放電が終わると同時に舌伸ばしてハチマキぶんどれ!」

 

掌の錬成陣に描かれたのは、雷に関する構築式や錬成式だ。

それらを利用して雷を錬成。上鳴の放電を相殺することができた。

 

「――んでもって、障子! 飛べ! すぐに氷が来る!」

 

障子が大きく飛び、その足元を氷が這って行く。

更に峰田が他の騎馬の足止めに成功。梅雨ちゃんがその隙にポイントを回収。

 

「うし、完璧なチームワームだ」

 

何個かハチマキを奪うことができたが……右腕がめっちゃ痛い。

ビリビリと感電したような感覚だ。相殺というより、俺の腕に呼応させて

障子たちに電気がいかないようにした感じだな。

まだまだ改善の余地がありそうだ。

 

「……どうして轟達の動きが読めた?」

 

「上鳴の個性とデメリットは知ってた。その対策を八百万ができることもな。

だからこの戦法は絶対に来ると分かってた。轟の氷は、触れた物や足から氷結させてる。

棒を使うことで地面に触れさせ、そこから凍らせに来たんだ。

多分、感電させて動きを停止させてその隙に凍らせるといった感じだろ。

障害物んときはほとんどのA組は避けたし、それを反省したんだ」

 

ハチマキはそれなりに取れた。そこからは奥の手を隠す必要もないしバンバン使っていった。

嬉しい誤算だったのは強敵――緑谷、爆豪、轟の三人に見られなかったことか。

常に二人は1000万を狙っていたし、緑谷は襲い来るものを凌ぐのに精いっぱいだったからな。

雷で敵を鈍らせ、峰田で捕らえて梅雨ちゃんで奪い取る。

襲われれば俺たちを包み込んで攻撃から身を守ると、まさに最強の布陣だった。

タイムアップと言われるまで俺たちは暴れに暴れまくった。

 

『早速上位4チームを見てみよか!!』

 

その言葉と共に一位のチーム……それは轟チームだった。

次いで爆豪チーム。

 

『3位鉄て……あれェ!? オイ!!! 心操チーム!!?』

 

……ダメっぽくないか、これ。

 

『そしてそして四位! おおっと!? 4位が2チームだ!

……この場合どうすんの? あ、どっちも?』

 

ボソボソと何やら話し合ってる放送。ドキドキするから早くしてくれ。

 

『またせてSORRY! 4位は2チーム! 緑谷チームに峰田チームだ!!

5組っつー珍しいことになったが、その5組が最終種目へ進出だああーーーー!!』

 

「やったー!!! オイラ達やったぞー!!」

 

感極まって抱き着いてきた峰田……を避けた梅雨ちゃん。

すかさず舌ビンタが炸裂して峰田は撃沈した。

 

「……さすがにかわいそうじゃね?」

 

「前はそれで胸を触ってきたの。油断できないわ」

 

前科持ちだったかー。それは仕方ないな。

にしても疲れたなぁ。

 

『一時間程昼休憩挟んでから午後の部だぜ! じゃあな!!!

オイ、イレイザーゲッド飯行こうぜ……!』

 

『寝る』

 

『ヒュー』

 

 

 

 

「ウチ、峰田が突破するなんて思わなかった」

 

「私もー」

 

「オイラだって泣くときは泣くぞ!?」

 

スタジアムを離れ、昼食を食べに食堂へ。

耳郎と芦戸の発言に若干涙ぐんでる峰田はさておき、とりあえず昼飯だ。

上鳴を除いて全員とくに怪我はなかった。

今上鳴は脳がショートして一時的にあれになってる。

 

「にしても、緑谷に爆豪、轟はどこ行ったんだ? さっきから見当たんねーけど」

 

「知らねぇ。でも今は飯だ飯! 食っとかねーと! 行くぞ!」

 

探そうとした矢先、切島に肩を持たれて食堂へ。

食堂で料理を受け取るころには上鳴ももとに戻り、席に着くまで電気を蓄えておく

余裕が出てきていた。無難にカレーライスを頼み、席を取って食べる。

 

「最終種目って何だろうな」

 

「さぁ? 一人対一人ってのはわかるけど」

 

切島の問いに答えたのは瀬呂だ。

なんでわかるのかと聞けば、内容は違えど最終種目は確実に

一人対一人。毎年行われてる体育祭の生放送ではそうだったらしい。

俺そんな見た記憶ないなぁ。体育祭は知ってたけども。

そんな時、まだ席についていない峰田と上鳴。

視線を動かせば、八百万達と何やら話している。

少し耳を澄まして聞いてみれば、何やら聞いたことのない

相澤先生からの言伝を伝えているようだった。

 

……知らん。俺は何も聞いてないし何も見てないです。

 

 

 

 

『最終種目発表の前に予選落ちの皆に朗報だ!

あくまで体育祭! ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!

本場アメリカからもチアリーダーを呼んで一層盛り上げ……ん? ありゃ?』

 

『なーにやってんだ……?』

 

A組の生徒も同じく、チアの衣装にポンポンをもって立っていた。

うん。なーにやってんですかね。

 

『どーしたA組!!?』

 

峰田と上鳴の策略に気づいたのか全員目が死んでるね。

どうせ先生の言伝だとか言ってだましたんだろうなぁ。

……まぁ目の保養になったのは事実ではある。それは認める。

そこだけは褒めてやろう。よくやった峰田。

 

俺だって高校生だもの。そういう欲ぐらいあります。

 

『さァさァ皆楽しく競えよレクリエーション!

それが終われば最終種目、進出5チーム総勢20名からなる

トーナメント形式!! 一対一のガチバトルだ!!』

 

「トーナメントか……! 毎年テレビで見てた舞台に立つんだあ……!」

 

「去年トーナメントだっけ?」

 

「形式は違ったりするけど例年サシで競ってるよ」

 

つまりここからは全員が敵。如何にして相手の個性を把握して戦うかだ。

A組は大体把握してるとして、問題は普通科の奴とB組の奴だな。

 

「それじゃあ組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ。

組がきまったらレクリエーションを挟んで開始になります!

レクに関して進出者16人は参加するもしないも個人の判断に任せるわ。

息抜きしたい人も温存したい人もいるしね。んじゃ1位チームから順に……」

 

ミッドナイトの声を遮って手を挙げたのは尾白。

その顔は浮かない。

 

「あの……! すいません、俺辞退します」

 

「尾白くん! 何で……!? せっかくプロに見てもらえる場なのに!!」

 

尾白が言うには、騎馬戦の記憶がぼんやりとしかなく、恐らくは普通科の奴の

個性の仕業だという。

それでも参加したほうがいい、という意見がでても彼は本戦には出ないと言った。

 

それと共に同じく辞退を申し出たのは庄田二連撃。

 

「僕も同様の理由から棄権したい! 実力如何以前に……何もしてない者が

上がるのはこの体育祭の趣旨と相反するものではないだろうか!」

 

「なんだこいつら……!! 男らしいな!」

 

切島が険しい顔でそんな二人を見ていた。

男らしいのは同意だが……自分の意志で辞退するっていうのなら深くは

言わないし言えない。本人もプライドの問題だって言ってたしな。

 

『なんか妙なことになってるが……』

 

『ここは主審ミッドナイトの采配がどうなるか……』

 

確かにそうだ。今回、ほとんどの取り決めはミッドナイトが決めてる。

それを許可するかどうか。

 

「そういう青臭い話はさァ……好み!!」

 

勢いよく鞭を振るいながら、ミッドナイトは好みで二人の危険を認めた。

その中でも青山はやるそうだが。

辞退した二人の穴を埋めるため、2組の鉄哲と塩崎が入ったことで決まり

トーナメントが発表される。

 

俺は一回戦はシード扱いとなり、二回戦目で塩崎か峰田のどっちかと当たることになる。

……戦いが始まるまでしっかり落ち着かせてもらおう。

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