造ってくヒーローアカデミア(リメイク前・凍結)   作:KEA

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第6話

「――今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイトそして

もう一人の三人体制で見ることになった」

 

昼を過ぎた5時間目。昼飯をたらふく食べた後、俺は授業に臨んだ。

今日は財布を忘れずにもって食堂に行きました。

白米美味しかったです。

 

ただ、梅雨ちゃんにまだお礼が出来てないんだよなぁ。

本人は気にしてないけど、ちゃんとお礼はしないと。

 

「災害水難なんでもござれ――人命救助訓練だ!!」

 

出されたプレートには『RESCUE』の文字。

 

「レスキュー……今回も大変そうだな」

 

「ねー!」

 

「バカおめー、これこそヒーローの本分だぜ!?

鳴るぜ!! 腕が!!」

 

「水難なら私の独壇場……ケロケロ」

 

落ち着きなさい。話してる途中に私語なんてしたら――

 

「――おい。まだ途中」

 

鋭い眼で睨み付ける相澤先生。

怖いです。

 

「今回戦闘服の着用は各自の判断で構わない。

中には活動を限定する戦闘服もあるだろうからな」

 

相澤先生が片手に持ったリモコンらしきものを操作する。

すると、前と同じく戦闘服が入ったケースが出てきた。

どうするか。救助が目的であれば今回炎は必要としないだろうし。

取り敢えず万が一のために持っていくか?ほとんどの生徒も着替えてるしな。

ケースを取り、中身を確認する。目立った傷は無し!

 

 

 

着替えて出れば、外には一台のバスが止まっていた。

これに乗って目的地に向かうのだろう。

 

「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう」

 

笛を吹きながら指示を出す飯田。張り切ってんなーオイ。

座席は予想とは違い、そんなことは意味をなさなかったが。

 

「こういうタイプだったくそう!!!」

 

「イミなかったなー」

 

落ち込む飯田に芦戸が声をかける。

それぞれ話し出す人たちを見ながら、俺は欠伸を噛み殺した。

昨日は遅くまで勉強してたからな……少し寝不足だ。

バスの振動に合わせて頭が揺れる。隣に誰もいなくてよかった。

 

「――派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪、神薙だな」

 

「……んぁ?」

 

「ケッ」

 

名前を呼ばれた気がしたが……気のせいか?

再び目を瞑る。

 

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気でなさそ」

 

「――んだとコラ出すわ!!」

 

「ホラ」

 

梅雨ちゃん思ったこと口に出すからなぁ……。

そんなこと言ったら短気な爆豪なんてすぐに切れるぞ。

 

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と

認識されるってすげぇよ」

 

「てめぇのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!」

 

爆豪が弄られてんのは珍しい。雄英は凄いという事だろうな。

 

「もう着くぞ。いい加減にしとけよ……」

 

「はい!!!」

 

……結局仮眠取れなかった……。

敷地内にあるんだからそんな時間かからねーよな。

バスで数十分? そんな程度か? 少し意識飛んでたから分からないな。

 

バスから降り、入口へ数分。

 

「――すっげーーー!!! USJかよ!!?」

 

驚きだった。テーマパークと言われても疑わないぞこれ。

そして今回、学校では初顔合わせの先生がやってきた。

 

「水難事故、土砂災害、火事……etc.あらゆる事故や災害を想定し

僕が作った演習場です。その名も――(ウソの)(災害や)(事故ルーム)!!」

 

「USJだった!!」

 

宇宙服のような戦闘服を着た先生。

彼はスペースヒーロー13号。

災害救助でめざましい活躍をしている紳士的ヒーロー。

 

以上、緑谷と麗日からの情報でした。

 

「13号、オールマイトは? ここで待ち合わせてるはずだが」

 

「先輩、それが……」

 

ボソボソと話している二人。会話はうまく聞き取れない。

オールマイトが絡んでいるらしいが。

 

「仕方ない。始めるか」

 

「えー始める前にお小言を一つ二つ、三つ……四つ」

 

13号先生の話が始まった。

彼の個性は『ブラックホール』どんなものも吸い込んで塵にする。

それを利用して人を救い上げているヒーロー。

だが、一歩間違えれば簡単に人を殺せる力。

 

「皆の中にもそういう個性がいるでしょう」

 

そう言われ、俺は両手を見た。

確かにそうだ。ぶっちゃけ、人を傷つける事に特化しているともいえるかも。

先生の話は続く。

 

個性の使用を資格化し規制。

しかし一歩間違えれば簡単に人を殺せる個性を

個々が持っていることを忘れてはいけない。

 

相澤先生のテストで秘めている可能性を。

オールマイトの対人訓練で人に向ける危うさを。

 

「――この授業では心機一転! 人命の為に個性をどう活用するかを

学んでいきましょう。君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。

助けるためにあるのだと、心得て帰ってくださいな」

 

……か、かっけえええええ!

 

「以上! ご清聴ありがとうございました」

 

「ステキ―!」

 

「ブラボー!! ブラーボー!!」

 

全員が13号に拍手を送った。

 

「そんじゃあまずは……」

 

手すりに寄りかかり、始めようとした相澤先生の動きが止まる。

 

「……?」

 

相澤先生は無言で噴水広場のほうへと顔を向けた。

 

「一かたまりになって動くな!」

 

「え?」

 

意味がわからねぇ。先生は何を見て――

俺も噴水のほうへと視線を向けた。

すると、黒い靄のようなものが広がり、大勢の人が出てくる。

 

――このとき、俺は無意識に手袋をしていた。

 

「13号! 生徒を守れ!」

 

「何だアリャ!? また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

「動くな、あれは――敵だ!!!!」

 

ゴーグルをつけて見据える先生。いつもの気だるげな様子は

微塵も感じられなかった。

 

「13号に……イレイザーヘッドですか……先日頂いた教師側のカリキュラムでは

オールマイトがここにいるはず、なのですが……」

 

「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」

 

相澤先生は冷静に物事を判断してるけど、この人数を相手にどうするんだ?

全身に手のひらがくっ付いたような異様な敵――存在感が強いやつがいる。

そいつが顔を上げる。顔にも手のひらがついていて、顔面を見ることはできない。

決して、大声を張り上げているワケでもないのに、その声は生徒全員にも届いた。

 

「――どこだよ……せっかくこんなに大衆ひきつれてきたのにさ……

オールマイト……平和の象徴……いないなんて……子どもを殺せば来るのかなぁ?」

 

黒い靄が消え、恐らく全員の敵が入ったのだろう。進行を開始する。

 

侵入者用センサーが反応する気配はなし。

恐らくそういうことができる個性もちがいるという事になる。

ここは校舎とも離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間帯……。

バカだがアホではない。目的があり、用意周到に画策された奇襲だ。

 

「13号、避難開始! 学校に電話試せ! センサーの対策も頭にある敵だ。

電波系の個性が妨害している可能性もある――上鳴、お前も個性で連絡試せ」

 

「ッス!」

 

髪が逆立ち、捕縛武器が揺らめく。

 

「先生は一人で戦うんですか!? あの数じゃいくら個性を消すっていっても!!

イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……」

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号! 任せたぞ」

 

階段を一気に飛び降りて戦闘を開始する先生。

流石プロヒーロー捕縛武器、個性、体術を駆使した戦いで大勢を相手取っていく。

多数対一でも先生が有利だった……けど。

 

「相手が多すぎんだろ……!」

 

これは、俺たちも加勢に加わ……。

僅かに振動を起こす俺の四肢。俺は怯えている?

本物の敵。戦闘訓練なんかじゃない。本当の闘い。

負ければ、殺される……。

 

両頬を叩き、そんな考えは捨てる。

ヒーローが負けた時のことを考えてどーするってんだ。

 

「分析してる場合じゃない! 早く避難を!!」

 

「神薙ちゃん、行くわよ」

 

ずっと先生を見ていた俺の腕を取り、梅雨ちゃんと共に出口へと向かう。

出口まではそれなりに距離がある。それを駆ける俺たちに、一人の敵が回り込んだ。

 

「――させませんよ」

 

一気に周囲に広がる黒い靄。どんな個性かは大体検討が付く。

靄で包み込み、相手をワープさせる能力とみていいだろう。

 

「初めまして、我々は敵連合。せんえつながら……この度ヒーローの巣窟。

雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことでして」

 

……は!? コイツは何を言ってるんだ? オールマイトを……殺す!?

 

揺らめきながら黒い靄は話を続ける。

 

「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ……ですが。

何か変更があったのでしょうか? まぁ、それとは関係なく……私の役目はこれ」

 

言い終える前に二人の影が飛び出した。

爆豪と切島だ。腕を硬化、手のひらから爆破でそれぞれ靄を攻撃する。

 

「――その前に俺たちにやられることは、考えてなかったか!?」

 

臆することなく飛び出した二人に、俺は素直にすげぇと思った。

怯えず、敵に突っ込むなどそうそうできることではない。

ただ、今回は褒められない。

 

13号先生が吸い込むことをできなかった。

 

「危ない危ない……そう、生徒といえど優秀な金の卵」

 

「ダメだ、どきなさい二人とも!!」

 

黒い靄が大きく周囲を包み込む。

 

「散らして――嬲り殺す」

 

「うっ……!」

 

視界が黒に包まれる。掴んでいた梅雨ちゃんの手のひらも感じない。

瞬間、視界が徐々に見えてくる。落下場所は地面。

かっこよく着地をすることはできなかった。

口に入った砂利を吐き出しながら立ち上がる。

 

「ぐぇあっ!!?」

 

瞬間、背中に衝撃が走り俺は地面へと倒れこんだ。

何か重いものが背中にのしかかっている。

 

「あっ、神薙さん! すみません!」

 

声と共にすぐに重みは無くなり、背中を摩りながら俺は立った。

また口に砂利が……。にしてもここは山岳ゾーン、か?

資料で見た景色だ。

ここに飛ばされたのは、俺に八百万。それに上鳴と耳郎か。

 

そして辺りには敵の集団。ちょうど囲まれる位置に俺たちは飛ばされていた。

徐々に距離を詰めてきている。

 

「あー、八百万? ウチに武器くれない?」

 

「……えぇ、どうぞ」

 

八百万の片足からはナイフが、もう片方からは長い棒が飛び出した。

すっげー個性だな。色々法則を無視してるだろそれ。

等価交換とか質量保存とか無視できるとか羨ましすぎるんだけど。

 

俺は今回は武器は使わず、炎で行く。

戦闘訓練の時の甘い考えは捨てろ。殺さず燃やし尽くす。

 

「――うぅわ!!!」

 

上鳴が繰り出した拳を避け、俺たちと合流を果たした。

 

「コエーーー!! マジ!! 今見えた!!

三途見えたマジ!! 何なんだよこいつらは!! どうなってんだよォ!!?」

 

泣き言? 弱音を言う上鳴。

取り敢えず全員で背中を合わせ、前に集中する。

 

「そういうのは後にしよ」

 

「今はこの数をどう切り抜けるか、ですわ」

 

「上鳴、お前の放電ってここ等周辺纏めてできるか?」

 

炎を出しつつ相手を近寄らせないようにしつつ、上鳴に問いかける。

 

「あ? まぁ、最大出力でやりゃできるけどよ、お前らも巻き添え食うぞ?

あれだ、轟と一緒よ!?」

 

俺にも武器くれ、と言って電気を発して見せる。

 

「助けを呼ぼうにも特製電子変換無線、今ジャミングヤベェしさ、いいか三人とも!

今俺は頼りになんねー!! 頼りにしてるぜ!!」

 

「上鳴、お前さぁ」

 

「男のくせにウダウダと……」

 

耳郎と顔を見合わせ、せーので上鳴を蹴り飛ばす。

 

「じゃあさ、人間スタンガン!!」

 

「マジかバカ!!!」

 

敵に触れると同時に、敵は苦痛の声をあげた。

ビリビリと感電させ一人を再起不能へと陥らせる。

 

「あ、通用するわコレ。俺強え!! 三人とも!! 俺を頼れ!!」

 

「軽いなオイ……」

 

親指を立てる上鳴に呆れ顔で見る耳郎。

だが、上鳴が敵に突っ込んだ事に変わりはなく、派手に狙われる。

 

「ふざけてんなよガキィ!!!」

 

大岩が上鳴へと迫るも、耳郎の個性で爆音を飛ばし、大岩を吹き飛ばす。

続いて飛び込んでくるナイフ使いに炎を浴びせる。

 

「あっちぃぃぃぃ!!?」

 

ゴロゴロと転げまわる敵。死にゃしねーから安心しろ。

当分風呂は入れねーだろうけどな。

 

「三人とも……少しは真剣に!!」

 

「ごめん」

 

「すまん」

 

耳郎の爆音で動けない奴らに炎を浴びせ、火傷を起こさせる。

 

「――八百万! 絶縁体シートって作れるか!?」

 

「考えることは同じようですね。今出来ました!!」

 

服を引きちぎりながら飛び出したのは、大きなシート。

それが俺たちを包み込む。

 

「上鳴!!」

 

「厚さ100mmの絶縁体シートです」

 

鼻血を流しながらニヤリと笑う上鳴。

全身に電気を纏い、両腕を振り下ろす。

 

「これなら俺は……クソ強え!!」

 

一瞬で電気を周囲が包み、無差別の放電を放つ。

防御不可の全体攻撃って強いよなぁ。

八百万には視線を向けずにシートを出てゆく。

 

さっき背中から服破けてるの見えたしな。

流石に異性には見られたくないだろ。

ごそごそと中で服を作り出しているであろう八百万を置いて上鳴へと駆けつける。

 

「上鳴、お前すっげー強いん……だ、な?」

 

様子が可笑しい。親指を突き立て、左右にブンブン振って口からは涎が垂れてる。

目は上を向き、明らかにいつもの上鳴じゃない。

 

「うェ~~~~い」

 

ヘロヘロとしながら腕を振り続ける上鳴を見て、俺は噴出した。

バカになるってそういう……。

その時、ボコンと上鳴の足元が膨らみ、腕が足を掴む。

形成は逆転した。

 

「さて、と……手ぇ上げろ、個性は禁止だ。使えばコイツを殺す」

 

「上鳴さん……!!」

 

「やられた……! 完全に油断してた……」

 

地面から出てきたのは、骸骨頭のゴツゴツとした敵。

上鳴の服を掴んで持ち上げながら電気を見せる。

 

「同じ電気系個性としては殺しはしたくないがしょうがないよなぁ。

それとお前、手袋外せ」

 

言われるまま、手袋を外す。

そこに電気が飛び、手袋を燃やし尽くしてしまった。

 

全滅させたと思わせてからの伏兵。想定すらできなかったぞ。

電気系、恐らく通信妨害しているヤツとみていいだろう。

耳郎のノーモーションの攻撃も、奴は気づいた。

恐らくずっと俺たちの戦いを見て、個性を把握したと。

 

「そ、ソイツがどうなったっていい。この女子二人が死んでもいい」

 

ぶるぶると震えながら神薙は膝をついた。

神に祈るように手を合わせた後、土下座のような形で頭を地面に擦り付ける。

 

「おれ、俺だけは見逃してください。お願いします」

 

「はぁ!? アンタ、何言って――」

 

一瞬ポカンとした敵だが、すぐに大声で笑いだした。

 

「ハハハハ!! そうだよなぁ!? 自分の命が惜しいよなぁ!

一般人なら普通の反応だが、ヒーローとしては失格だよ、お前」

 

「……神薙さん」

 

冷めた目で見つめる八百万。

 

「うるっせぇんだよ! 俺はこんなところで死にたくはねぇ!」

 

ゴン、という鈍い音が響き渡る。

白目を向いて倒れたのは骸骨頭の敵だった。

立ち上がり、服についた埃諸々を払いのける。

 

「ナイス、神薙」

 

まさか轟と同じ戦法がコイツにも通用するとは思わなかったな。

アイツは俺の手のひらに注意を向けていた。

その隙を突いて奴の後ろの地面を錬成、岩の拳骨で気絶してもらった。

 

「俺の個性を手のひらから炎だすって勘違いしてくれて助かった。

さてと……八百万、耳郎。ここは任せていいか?」

 

「神薙さんは、どうしますの?」

 

「俺は広場に向かってみる。たぶん、皆の敵は俺らと同レベル。

一番怖いのは広場で集まった時に黒い靄と手のひらヤローに襲われることだ。

先生が戦ってる奴らが一番強い。加勢できるかわかんねーけど、やれることはやって

おきたいから」

 

「……わかりました。私たちも縛り終えたらすぐに向かいます」

 

「気をつけなよ、神薙」

 

敵を縛るために紐を作り出す八百万と、上鳴の様子を見ている耳郎。

ここは任せて、俺は広場へと駆けた。数分もかからないでいけるだろう。

 

 

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