白狐+ショタ=正義! ~世界は厳しく甘ったるい~   作:星の屑鉄

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先週おやすみしてしまったこと、まことに申し訳ありませんでした。

また、UA数20000件突破ありがとうございます!

今回も短いですが、本編をどうぞ。


第二十話 飛鳥閉幕

 全てはその通りに進んでいる。

 我々傍観者からしてみれば、この世界の豊聡耳神子と物部布都はこの時代にて、尸解仙となるべく眠りにつく。それが正道である。

 

 しかし、ふと足元に目を向けてみると、決定的な正道との乖離が見受けられる。誰もが分かる大きな違いだ。それはコインの表と裏の関係によく似ている。

 世界には、概念として確かに存在する。それが表裏のどちらに身を潜めているのか、それだけの話なのだ。

 

 正道では裏にある。

 邪道では表にある。

 表裏はどの世界においても存在する。

 

 これら三つは前提条件である。

 この世界では確かにコインが表に向いている。誰が見ても明らかなものが。

 

 故に、この世界は正道にあらず、邪道である。

 Q.E.D.

 

 

 

 ◆

 

 

 

 八雲紫がすべてに気がついたとき、最初は自分の手に負えないと問題を放り投げていた。それ以上を考えれば自我が崩壊しそうだった。

 彼女の考えが正しければ、想定される相手は全能なる神のような力の持ち主であった。ティアマト、ゼウス、アマテラス、神話に登場する神々と比較しても、想定される相手の方が圧倒的に厄介だ。何せ、攻略方法が無い。

 

 しかし、それから程なくして、一つの光が未来に差した。一つの想定外なことが彼女の前で発生した。現在と未来の合致により、たった一つの勝機が見出された。そして彼女の頭の中でパズルのピースは補完され、ついに勝利の方程式が完成した。

 

 彼女が直接手を下すことはない。未来、現実より淘汰され幻想に生きるしかない妖怪にとって、相手はあまりに相性が悪すぎる。何故なら、想定される相手は「存在を否定する程度の能力」に類するものを持っている。加えるならば、「回帰する程度の能力」も持ち合わせている。どれだけ肉体を消滅させようと、魂ごと消し飛ばそうと、相手はもとの完全な存在に「回帰」する。相手の魂の記録媒体はどうしようもないところにあるのだから、それも当然だ。

 

 そんなどうしようもない相手に対しての勝機は、本当に目の前で降って湧いたようなものだ。相手が一枚岩でないことが幸いした。いや、分裂を起こしたからこそ救われた、というべきか。

 

 ――どちらにしても。

 

「白。行きましょう」

 

 まずは目の前で落ち込んでいる彼を元気づけようと、八雲紫は声を掛ける。

 

 なんて事はない。正道通り、豊聡耳神子と物部布都が、剣と皿を傍らに眠っているだけだ。彼女たちは死んだわけではない。ただ、少し長い眠りについているだけである。

 

 白からしてみれば、長い別れになるのかもしれないが、いずれ必ず会えるのだから、今は我慢してもらう他にない。

 

「ねぇ、ゆかり」

「なに?」

 

 どこまでも子どもであるしかない白の言葉に耳を傾ける。

 

「これで、よかったのかな」

「この世界に、もしかしたら、何てものは無いのよ。あるのは、今目の前にある現実だけ」

「そう、だよね。うん。ありがとう」

 

 八雲紫は誓う。ずっと頑張ってきた彼のために、諸悪の根源を断ち切る、と。

 例えそれが、どのような結末にあったとしても。

 

 八雲紫は、ひた走ることをやめはしない。

 

 

 

 ――これにて、飛鳥時代、閉幕。




 短いですが、ゆかりんを主軸に置くことにより、ラスボスの存在を仄めかすことが出来ました。
 ただ、私の中にあるプロットが若干乱れており、まだまだ整理が必要な状態。

 次の更新は……来週、1月6日の土曜日の定時を予定しております。
 何とか週一更新出来るように、執筆ペースを上げていこうと思います。

 そして添削の結果がこれなのですが、もうごっちゃになってわけわからなかったので、一から書き直したという……添削とは一体なんだったのか。

 それでは、また来週に。
 良いお年を!
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