疲労しながら執務室に入ると、机の上に猫が座っていた。
ねずみ色の模様で、身体が上半身しかない猫だった。最初に見た時は執務室の扉を開けたり閉めたり動揺してた。そんな事をしていると多摩がやってきたのだ。
「あっ、提督にゃ。ジョーシーちゃん知らないかにゃ?」
「ジョーシーって誰…?」
「多摩の部屋で住んでいる猫にゃ。身体が半分しかないのに普通の猫のように移動するにゃ……あっ、あんな所に居たにゃ」
執務室でジョーシーを見つけると多摩は近寄って頭を撫でてから抱いた。
「身体が半分しかないのに不思議な猫だな…」
多摩に抱かれたジョーシーの頭を撫でる。すると、喉をゴロゴロを鳴らしてご機嫌そうにしていた。ついでに多摩の頭も撫でてあげることにした。少し顔が赤くなってそのままパタパタと何処かに行ってしまった。
「さて…書類を書いて片付けないとな…。あぁ…もう邪魔しないでくれ…」
机の上の書類を書こうとすると、何処からやってきたのか、落書きをして描いたようなねこが書類の上で座っている。いや、ねこが居る。ちなみにねこが見え初めてから誰にもねこの事を喋っていない。1度喋ってしまうと伝染る可能性があるからだ。…まぁ、実際に暁から話を聞いてこうなってしまったのだが…。
「退いてくれなきゃ仕事が出来ないんだが…」
そして、書類の上に香箱座りをしてしまい一向に動こうとしない。なんだこのねこは…。
『……』
「人間のような目をしやがって…」
両手で頬らしき所を触りながらねこの邪魔をする。引っ掻かれる事はなく凝視しながらこちらを見ているだけだ。害はない…はず。
「…提督。なにしてるの?」
「!?あ、あぁ…陸奥か。ノックして入ってきてほしいな」
「ノックしたのに返事が無かったからつい入っちゃった。ねぇ?そういえば…風の噂で聞いたのだけれど…パパになるってどういう事?」
「いや、あー…あれは違う…多分…」
「多分ってどういう事よ?誰かと結婚するの?私以外の人と?そんなの絶対許さない。私じゃ不満なの?あの時の約束は嘘だったの?」
いつの間にか艤装を展開してじりじりと迫ってきている。非常に怖い。ねこよりも陸奥が怖い。ねこも消えている。
「私の物って言ったのに…。提督は私から離れようとするのね…」
「陸奥と一緒に居たいんだけどなぁ…。落ち着いてよ。今日は一緒に居よう?ね?」
「…今日の夜一緒に寝てくれたら許してあげる」
「分かった。じゃあ…書類を手伝ってくれないかな?」
「…お姉さんに任せてね。これが終わったら一緒に食事をして一緒にお部屋に帰って夜を明かしましょう?」
陸奥の機嫌も直り、何とか穏便に済ませたが今日の夜は寝れなくなりそうだ…。
次回はコラボ回です。ありがとうございます!
SCP-529
「半身猫のジョーシー」
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