隠蔽された鎮守府   作:黒い玉

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夏①

梅雨が終わり、年に一度の暑い季節がやってくる。鎮守府の中は涼しい所があり、艦娘と深海棲艦達はそこで休みながら過ごしているようだ。

朝から執務室に入ってからずっと書類作業をしているので、手が痺れてきた。

 

「提督、休憩ハシナイノ?」

 

パタパタと足を揺らして、口にアイスクリームを頬張っている飛行場姫がジト目で見ている。

 

「もう少しで終わるから、これが完了したら休憩をするよ」

 

「…ン…。アイスクリーム、私ノ食ベカケデ良カッタライル?ネ、食ベルデショ?…ネ?」

 

「…わ、分かった。も…貰うから!その後ろの艤装しまってくれないかな?じゃないと陸奥に怒られるよ?いいの?」

 

食べかけのアイスクリームを受け取り、口の中に頬張った。少し溶けているがやはり美味しい。また後で貰いに行こう。

 

執務室の扉にノックをする音が聞こえた。飛行場姫が代わりに扉を開けると入ってきたのは天龍だった。

 

「提督、これを見てくれ」

 

天龍が持ってきたのは1冊の古びた絵日記だった。

表紙の指名欄には『1年3組』と書かれており、名前は黒く塗り潰されている。

 

「これは一体何処から持ってきたんだい?」

 

「オレの部屋を片付けをしていたら絵日記があった。提督、何か知らないか?」

 

「うーん、分からないかなぁ…。荷物に紛れてたのかな?」

 

天龍はパラパラと読みながら絵日記を捲る。10ページ辺りの所に指を差した。

そのページには少年が布団で寝ている絵が描かれており、日記の内容は『やる事がなく、1日中寝てた』と書かれていた。

 

「フフッ…オレもこんなふうにぐっすり寝れたらなぁ…。とても気持ちよさそうだ」

 

「寝れないのか?」

 

「そんな事はないけどなんだろう…。このページを選んだら日記と同じ内容をしなくちゃいけないような気がしてな…。気のせいだと良いんだが…」

 

「気のせいじゃないのかい?とりあえずその絵日記は預かっておくよ。もしかしたら駆逐艦の子達が描いた絵日記かも知れないしな」

 

絵日記を預かり机の中に仕舞うと、天龍は部屋の片付けの途中だったらしく執務室から出て行った。

 

それから2日後、天龍に3日間の休暇を与えた。

 

 

 

「…結局さ、やる事が無くてずっと1日中寝てた。起きたら休暇が終わってたんだよ…。…そういえば、この鎮守府遠征ぐらいしかやる事が無いだろ?なんでオレに休暇を与えたんだ?」

 

「何故だかそうしなければならないなぁ…と思って」

 

「やっぱりあの絵日記、少し曰く付きじゃないのか?試しに他の人達にも見てもらったらどうだ?」

 

「…そうだな。じゃあ誰か1人執務室に呼んできてくれ」

 

「分かった」

 

天龍はそう言ってから部屋から出て行った。さて…誰が来るのだろうか…?

 




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「夏休みの友」
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