隠蔽された鎮守府   作:黒い玉

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捨て艦娘の行方

とある鎮守府にて、砂川と呼ばれる提督は艦娘を指揮していた。鎮守府内では、艦娘達に暴力を振るい、酷使する艦娘達の間で悪い意味で有名な男だった。

砂川提督は現在、水雷戦隊を編成し、バシー諸島周辺の探索をしていた。

 

『敵艦隊の攻撃によって天龍さん、多磨さん、長月、…3人が大破したわ。これ以上はもうだめね』

 

駆逐艦、霞からの通信が執務室の中に届く。砂川提督は考える間も無く、冷静に言った。

 

『大破進撃だ…進め』

 

『なっ…!!』

 

『別に、代わりはいくらでも居る。所詮お前達は人間の形をした兵器に過ぎんのだ。まぁ、身体の具合は上出来だがな。霞、生意気な態度を取ったので君達にはそこで沈んでもらうよ』

 

葉巻を2度、3度吹かしながら天井を見上げる。砂川提督の頭にはもう夜の相手は誰にしてもらうかと、考えていた。

 

『今日の相手は愛宕に決まりだな。ん?どうした?早く進まないか?』

 

『…この…!クソ提督…!死ね!!』

 

『では、さよなら』

 

ガチャンと通信を切断し、執務室から砂川提督は出ていった。夜の相手を誘うために。

 

そして、編成した水雷戦隊はその鎮守府には戻ってくる事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!しっかりしろ!」

 

朝、提督が砂浜で北方棲姫と一緒に散歩をしていると打ち上げられている艦娘達を発見した。損傷は激しく、艤装がボロボロだ。此処の周辺じゃない『何処か』で戦闘をして流れついたのだろう。なんらかの異常を察知したのか、地面から水面のように波打ちはじめその中から頭がオオクチバスの憲兵さんが現れた。北方棲姫は提督の後ろに隠れて様子を見ている。

 

「ビックリした…じゃなくて急いでこの子達を入渠ドックに運んでやってくれ!頼む」

 

憲兵さんは手をグッとすると、再び砂浜が水面のように波打ちはじめ、そこから憲兵さんが6体現れ、艦娘を担ぎ地面に消えていった。

 

「北方ちゃん、散歩はまた明日だね。今からあの子達の看病をしてくるよ」

 

「…分カッタ。烈風デ許ス」

 

「作ってあげるから!じゃあ急ぐよー!」

 

北方ちゃんを抱っこしながら鎮守府に急いで戻った。憲兵さんは既に戻っており、紙を渡してきた。紙には『しゅうふくバケツをにんずうぶんつかって、いむしつにねかせてあげました』と書かれていた。

 

北方ちゃんを港湾棲姫さんの所に持って行き、医務室へと急いだ。

 

 

 

医務室に入ると、1人が目を覚ましていた。

眼帯をしている艦娘と目があった。

近くに行き、椅子に座って見つめる。

 

「ここは一体…それに…アンタは誰だ?」

 

「佐久間と言う…。この鎮守府の提督だ。えっと…何があったか覚えているか?」

 

「あぁ…思い出すだけでもあの提督を殺したくなってくる。オレの名前は天龍…だ。助けてくれてありがとう…。俺達は…捨て艦だ」

 

「捨て艦…!?」

 

「あぁ。オレ達はあの鎮守府から捨てられた。いわゆる要らない艦だ。なあ…オレ達は噂の鎮守府に流れ着いたって事か?」

 

「噂の鎮守府…?」

 

「少し離れた場所にある鎮守府。そして、この周辺だけは一切深海棲艦と戦いをしない場所。そして不可思議な物が沢山置いている所って、オレが居た鎮守府では艦娘達の間では話題になってたぜ」

 

「そうか…。それで天龍は…どうしたい?元の場所に帰るか…ここに残るか」

 

「あの場所に戻るなんて絶対に嫌だ。嫌だ……」

 

「よく頑張ったな…。さぁ、ゆっくり休んでくれ…」

 

「あぁ…すまないな…」

 

天龍はそう言う横になって布団を被った。話を聞く限りこの子達は大変な目に合っていたのだろう。場所には心当たりがある。眠っているこの子達の話を聞いてあげて、後にこの子達が居た鎮守府に電話をかける決意をした。

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