ホウエン物語   作:ライミ

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 今回はいつもより早めに書き始めていたのでほんの少しだけ早く投稿できました...

 今までの話の細かいとこも少しずつ修正していかないと...

 ではどうぞ!


第10話

 「あ~~、風が気持ちいです」

 

 「それは何度も聞いたよ」

 

 ここは105番水道、天気は晴れていて風もなく、ポカポカとした気候であるこの海上を猛スピードで進んでいく小さな船の上である。

 この船に乗っているのは2人の少年少女で、ユウトとメイである。

 

 「何度も言うほど気持ちいいってことですよー」

 

 2人はこういった他愛もない会話を続けていた。

 すると、メイが何かを思い出したかのような顔をすると、外に向けていた顔をユウトに向ける。

 

 「初めて師匠のバトルを見た時から気になってることがあるんですよ」

 

 「何が?」

 

 「確かバシャーモの特性はもうかですよね?」

 

 このホウエン地方では、旅を始めるトレーナーがオダマキ博士の研究所を訪れた時にもらえるポケモン、俗にいう御三家と呼ばれるポケモンがいる。

 呼び名の通り3匹おり、それぞれ、ほのう・みず・くさタイプを持つ。

 また、その3匹が持つ特性として、もうか・げきりゅう・しんりょくがある。

 これらは自らの体力が残りわずかな時に特定のタイプの技の威力が上がるというものである。

 

 「そうだけど、それがどうかしたの?」

 

 「師匠のバシャーモの特性も...もうかなんですか?」

 

 そう言われたユウトの表情が、少し険しくなる。

 

 「実は私、師匠のバシャーモは他のバシャーモとは違う特性を持ってると思うんですよね」

 

 「成程...どうしてそう思ったの?」

 

 「私が見た師匠のバトルでは、バシャーモがビルドアップで自信を強化して、チルタリスにそれを受け継がせてました。」

 

 「確かにそうやって戦ってたよ。もともとそれが狙いだったしね」

 

 ユウトがそう答えると、メイは何かを考えるように目を瞑って腕を組み、うなっていた。

 

 「バシャーモが使ってたビルドアップって、こうげきとぼうぎょを強化するものですよね? でもあの時のチルタリスが受け継いでたのはそれだけじゃなかったような気がするんですよ。例えばすばやさとか。そうじゃなかったらメガボーマンダの後ろに回り込むなんて出来ないと思います」

 

 ユウトは驚いていた。

 初めて会った時にメイのイメージは、それほどポケモンの特性のことについてまで考えてはいなかったように感じたからだ。

 

 「もしそう考えるなら、チルタリスの特性のせいだとも考えられるよ」

 

 「うっ...それを言われると確かにそうなんですけど」

 

 ユウトに痛いところを指摘されたメイは、今度は頭を抱えてうなり声をあげる。

 

 「でも、いいところまで来てたから特別に教えてあげるよ」

 

 「ほんとですか!?」

 

 途端にメイの顔が明るくなる。

 ころころと変わるメイの表情を面白がりつつ、答えを教えるためにバシャーモをボールから出す。

 

 「普通バシャーモってのは、他の御三家と同じようにピンチになると強くなる特性がある。ただこいつは違ってな、かそくってやつなんだよ」

 

 そう言いながらバシャーモ毛を撫でるが、それが気に入らなかったのか、バシャーモはユウトの手を軽くはねのける。

 パートナーへの愛情表現を拒否されてしまったが、気を取り直して説明を続ける。

 

 「かそくのことはメイちゃんも知ってるとは思うけど、バトル中に少しずつすばやさが上がっていくんだよ。これのおかげで最初はかわせなかった技もかわせるようになったりして、結構便利なんだよね」

 

 「成程です...でもなんで師匠のバシャーモはかそくを持っているんですか?」

 

 「それについては俺もよく分からないんだよね。こいつがまだアチャモのときに貰ったからさ」

 

 少し懐かしむようにバシャーモを見る自分の師を見て、昔のことを聞きたくなったがそこまで踏み込むのはどうかと思い、やめておく。

 

 「おーい、お前さんたち。もうすぐムロに着くぞい」

 

 ハギ老人に呼ばれた2人は降りる準備をしながら、今後のことについて話し合った。

 

 

 

 話し合った結果、今日はひとまず宿を取って残りの時間を自由に使い、次の日に石の洞窟で修行、明後日はジムに挑戦ということになった。

 少ししてムロに着き、ムロの地へと足を踏み入れる。

 

 「ハギさん、ありがとうございました」

 

 「ほっほっほ、これぐらいお安い御用じゃよ。わしはこの後カイナシティへ向かうでの、ムロから出るときはおぬしのポケナビで呼べばすぐに駆けつけよう」

 

 そう言ったハギ老人は船へと戻り、早速カイナシティへと向かっていく。

 

 ひとまず宿を取った2人は、先程決めた自由時間を満喫するために別行動をとった。

 

 

 

 

 

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 「申し訳ありませんマツブサ様、デボンの荷物脱却が2人のトレーナーに阻まれてしまい...」

 

 ここはミナモシティの側にある洞窟に造られたマグマ団のアジト。

 その中の会議室には、リーダーのマツブサと下っ端が1人いる。

 いつもなら幹部であるカガリとホムラもいるのだが、2人は他に任務を行っているため不在である。

 

 「まあいい、あれが無くとも今回の計画に支障が出ることは無い。邪魔が入ることを想定せずにいた私の落ち度でもある。もう戻っていい」

 

 任務失敗の報告を受けたマツブサは、特に怒るそぶりを見せず落ち着いた様子で部下に告げる。

 

 「はい、マツブサ様」

 

 部下は頭を下げると、部屋から出ていく。

 それと入れ替わるかのようにフード付きのコートを着た人物が入ってくる。

 フードを深く被っているせいか目元を見ることは出来ないが、マツブサはこの人物が誰なのかを知っている。

 

 「カロン...貴様、なぜまたここにいる。見張りの者がいたはずだが?」

 

 「ふふふ...そんなものは私にとっては無意味だよ。それは君が一番よく知っているだろう?」

 

 カロンと呼ばれた人物は口元を二ヤリとさせると、ここに来る途中で盗んできた資料を取り出して目を通す。

 

 「っ!? なぜそれを!」

 

 先程まで落ち着きを見せていたマツブサに動揺が見える。

 

 「なに、ここに来る途中で拾っただけさ」

 

 「見え見えの嘘をつくな。その書類をこっちに渡せ!」

 

 「嘘つきなのは君の方だろう? さっきのデボンの荷物、あれは君たちにとって無くてはならない代物のはずだ。それなのに部下の失態を水に流すとは、随分部下思いなんだね」

 

 「さっきの話を聞いていたのならすでに知っているだろう。あれは部下を1人で行かせた私の責任だ。さっきの者が気負うものではない」

 

 マツブサは真剣な表情でそう言うが、それとは対照的にカロンは笑みを浮かべている。

 

 「だからあれほど私が行くと言ったのに、まだ私のことが信用できないかい?」

 

 「当たり前だ。お前が初めてここに来たとき、私の部下を手あたり次第潰していったお前のことを誰が信用できる」

 

 「そうかい。だがあの荷物、取り返すのだろう?」

 

 「...無論だ。あの荷物には発振器を付けてある。今度は部隊を編成して向かわせる」

 

 そう言うとマツブサはカロンに近づき、書類を受け取ると内線を用いて次の作戦内容を伝え、部隊を編成するように言う。

 

 「では、私はそろそろ帰るとしよう。もし私の力が必要ならいつでも言ってくれて構わないよ」

 

 マツブサが指示をしている最中にカロンはそう言うと、部屋から出て姿を消した。

 

 




 いかがでしたでしょうか?
 いつもより少し短めになってしまいましたが、キリが良かったのでお許しください

 では皆さんご機嫌よう
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