人間を憎む怪獣王と人間を守る守護神、そして時々アホの子   作:木原@ウィング

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この作品の主人公、書きながらも自分でもうまく掴めていないです。
なので物凄くぶれぶれなキャラになっております(;'∀')
その辺り、ご容赦ください
固まっているのが
・怪獣は家族、もしくは喧嘩仲間
・慣れた人物には気さくに話しかける
・尊敬に値すると思った人物には敬語
・キライな人物にはとことん辛辣
この位しか固まっておりませんm(__)m


怪獣王 喧嘩を買う

「……」

 

 

「と、現在のISの国家間での取り決めはこのようになっているんです。分かりましたか?」

 

 

(……この山田とか言う先生の授業は、中々に分かり易いな)

 

 

護羅は一時間目のIS基礎理論授業を受けてみて真耶に対する評価をそう改めた。

先程の休み時間で幼馴染(あのバカ共)のせいで自分に対する周りの評価が変な風に固定されてしまったのが気に食わなかったがその不機嫌な気分を少しは無くすぐらいにはこの真耶の授業は分かり易く、良い物だった。

 

 

(……コイツについては少し、認識を改めてみるか)

 

 

そう心に思いながらノートに書きとどめる。

すると授業終了のチャイムが鳴り、挨拶をして終了となった。

 

 

「ねぇねぇ! どうだった、さっきの授業?」

 

 

「僕は分かり易くて好きだったよ? 一夏と護羅は?」

 

 

「…………まぁ、分かり易くて悪くは無かった」

 

 

「「おぉ!!」」

 

 

「……なんだよ、その意外そうな反応は?」

 

 

「いやだって、あの護羅だよ? あの護羅が自分からこんな風に言うなんて事は無かったじゃん?」

 

 

「だからつい感動しちゃって……」

 

 

「ッチ」

 

 

「で、一夏はどうだった?」

 

 

「……お、おぅ。ば、バッチリだ」

 

 

ゴモラからの質問に目を物凄く泳がせて動揺する一夏。

そんな一夏の分かりやすい反応を見て三人は悟った

 

(((あぁ、こいつ分かっていないな)))

 

 

その考えが顔に出ていたのか一夏は弁解しようとした瞬間

 

 

「ちょっと良いか?」

 

 

そんな声が聞こえてきて全員がその声の方を向いたために弁解も出来ず終いだった。

声の主は黒髪をポニーテールに白いリボンで結んだ女子生徒だった。

 

 

「……箒?」

 

 

「ねぇねぇ、一夏の知り合い?」

 

 

「あ、あぁ。一夏に用があるのだが借りても良いか?」

 

 

「……好きにしろ」

 

 

「で、一夏? この人は?」

 

 

「あ、あぁ。こいつは篠ノ之箒って言って……俺の幼馴染みなんだ。会うのは久しぶりなんですけど……」

 

 

「なるほど幼馴染みか」

 

 

「私や護羅や甲芽螺と同じだね!!」

 

 

「……あぁ、そうだな」

 

 

それを聞いたゴモラは二人に聞いて護羅と甲芽螺は軽く頷き、箒に向けていた視線をちらりと動かして教室に取り付けられた時計に向けると一夏に言う。

 

 

「まだ時間は十分あるし、僕達とは次の休み時間にでも話せばいいから、久しぶりにあった幼馴染みと話をしてきなよ」

 

 

「そうか! ありがとう!!」

 

 

一夏はそう言って箒と一緒に教室から出て行った。

その二人をゴモラと甲芽螺は微笑ましそうに見ていた。

が、護羅は興味が無さそうに腕を組んで目を閉じた

 

 

「また考え事?」

 

 

「そうだ、だから静かにしていろ」

 

 

「なになに? 何について考えているの?」

 

 

「お前、一秒前に俺が言った言葉聞いてたか? 静かにしろって言っただろう?」

 

 

「だって気になっちゃうじゃん」

 

 

「何だっていいだろう? 良いからお前らは次の授業の準備でもしてろ」

 

 

護羅に言われて少し不満そうな顔をする二人だったが護羅に言われ準備に取り掛かった。

 

――――  ――――

 

「……であるからして、ISの基本的な運用は現時点では……」

 

 

山田先生がすらすらと教科書を読んでいく。読みながらポイントなど教えてくれるので、とても分かりやすく、護羅達はノートを取るのも楽でいい。ちなみに織斑先生は教壇の下の壁に背中を預けて腕をくんで聞いている。

 

ちなみに、護羅は山田先生の評価を改めるのと同じ頃に織斑先生の事も評価を改めていた。

今朝の時点での印象は「身の程を知らない奴」だったが現在は「なかなかの好敵手」に変わっている。理由は「自分の殺気を受けてもあまり変わらなかったから」である。

 

 

(……宇宙に行く為のパワードスーツ、ね。宇宙と言えばあの野郎は倒すのに苦労したな)

 

 

護羅はかつての強敵との戦いを思い出しながらふと、織斑 一夏の席の方を見る。

するとそこには周りをキョロキョロ見ている織斑 一夏がいった。

 

 

(おいおいやっぱり分かっていなかったんだな。……ここって初歩の初歩だぜ?アイツこの先大丈夫か?)

 

 

この時、護羅は今朝まで自分が抱いていた思いがなりを潜めている事に気が付いているのだろうか? この現状に気が付くのは一体何時頃か……

 

 

「織斑君、何か分からないところがありますか?」

 

 

一夏のそのキョロキョロと周りを見る様子に気づいた山田先生が声をかける。

声をかけられた一夏はビクンと姿勢を正してカチコチになりながら山田先生を見やる。

 

 

「あ、いや、えーと。」

 

 

(うん、まさかこんな初歩的なところで分からないなんて言えないよな。しかも分かりやすいのに)

 

 

(さてさて~一夏はどんな風に答えるのかな~?)

 

 

「分からないところがあったら聞いて下さいね。なにせ私は先生ですから。」

 

 

えっへんと胸を張る山田先生。そしてそんな山田先生を前にした一夏を見てニヤニヤする護羅達。

 

 

「はい! 山田先生!!」

 

 

そんな中ついに言う決心をしたのか織斑 一夏が手を挙げた。

 

 

「はい、織斑君!」

 

 

「ほとんど全部分かりません!」

 

 

「え?」

 

 

「「「ぶふぅ!!」」」

 

 

一夏の堂々とした宣言に護羅達は思いっきり吹き出してしまう。

まぁ、予想は付いていたがまさかここまで堂々と宣言するとは

 

 

「え・・・・。ぜ、全部、ですか?」

 

 

山田先生の顔が引きつっている。

それを見て三人の心境は山田先生に対するご愁傷様という結構酷い物だった。

 

 

(そりゃあ、あんだけ分かり易い説明で分からないって言われればな)

 

 

「え、えーと今の段階で分からない人はどのくらいいますか?」

 

 

  シーン

 

山田先生のその質問に教室に居る生徒は誰も手をあげない。

護羅達も一切手を上げていないことに一夏は驚愕の表情を浮かべていた。

 

 

(……そりゃそうだ。こいつらだって勉強して来ているんだ。分からない訳がない)

 

 

「護羅君達も分かりますか?」

 

 

「はい、とても分かりやすいので問題ありません。」

 

 

「……同じく」

 

 

「そうですか。良かったです。」

 

 

護羅達の解答に安堵する山田先生。大丈夫だ、貴女は悪く無い。

 

 

「織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

 

「古い電話帳と間違えて捨てました。」

 

 

ドンガラガッシャーン!!

 

 

一夏のそのお馬鹿発言を聞いたクラスの生徒達全員が椅子から崩れ落ちる。

 

 

(はぁ!? 捨てた!? あいつ、バカじゃねぇの!?)

 

 

パァン

 

 

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者。」

 

 

「す、すいません」

 

 

「後で再発行してやるから1週間以内に覚えろ。いいな。」

 

 

「い、いや、1週間であの分厚さはちょっと・・・」

 

 

「やれと言っている。」ギロッ

 

 

「はい・・。」

 

 

キーン コーン カーン コーン

 

 

一夏に対する死刑判決同然の処遇が決まったのと同じ時間で授業が終わった。

授業が終わるとすぐに一夏走るようには護羅達の所に来た。

 

 

「どうしよう?」

 

 

「知るか」

 

 

「う、う~ん。覚えるしかないんじゃない?」

 

 

「一夏って私よりも馬鹿だね~」

 

 

ゴモラの満面の笑みからの天然発言で一夏のHPがガリガリ減った。

それを見て甲芽螺が慰めてゴモラはそんな一夏を見て不思議そうに首をかしげて護羅は目を閉じて考え事をしていた。

 

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

 

そんな風に声をかけてくる奴が来るまでは

 

 

「……」

 

 

「ちょっと!聞いていますの!」ダンッ

 

 

「あ”?」

 

 

「っひ!?」

 

 

考え事を邪魔されて少し苛ついている護羅の返事を受けて思わずたじろぐ相手。

そしてそんな返事をした護羅の頭を叩くゴモラと甲芽螺

 

 

「痛ってぇな!? 何しやがる!!」

 

 

「だーかーら!! いつも言ってるでしょう!?」

 

 

「初対面の人には愛想よくしろってさぁ!!」

 

 

その様子を見た他のクラスメイト達はこう思った

 

 

((((((どんだけ人付き合い苦手なの? 護羅君は))))))

 

 

「ま、まあ!なんですのそのお返事は!わたくしに声をかけられるだけでも光栄なのだからそれ相応の態度があるのではなくて?」

 

 

((うわー、今時の人だこの人。めんどいからやんわりと追い返そう))

 

 

「ゴメンゴメン、この子君が誰だか知らないし。」

 

 

「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生で、入試首席のこのわたくしを!?」

 

 

「知るか、さっさと目の前から消え失せろ」

 

 

「なっ!? あ、あなた何ですのその態度は!?」

 

 

「……テメェみたいなのに態度とか言われたくねぇんだよ」

 

 

「……っ! あなた、喧嘩を売っていますの?」

 

 

「テメェが先に売ってきたように思えたんだが? 」

 

 

「ふん! あなたの様な野蛮そうな人が私に話かけられることなんて無いのですから光栄に思いなさい」

 

 

「……だから、何なんだ? 別に俺はお前に話かけてもらいたいなんてこれっぽっちも思ってねぇよ 」

 

 

段々とセシリアに対する護羅のイラつきが上がっていく。

しかし、自分に酔っているのかそんな護羅の様子に全く気が付かないセシリアはなおも続ける。

 

 

「ふん、やはり頭の方も残念な様ですね。」

 

 

「……」

 

「まったく、そのような事も分からないなんてこれはもはや」

 

 

「はいはい! ストーップ!!」

 

 

いい加減にキレそうだった護羅の前にゴモラが立ってセシリアの発言を強制的にやめさせる。

 

 

「……一体何の真似ですの?」

 

 

「それはこっちの台詞だよ。わざわざ私たちの所に来たのは貶すためですか? あんまりそう言うの感心しないんですけど?」

 

 

セシリアの不満そうな声にゴモラは少しだけ怒ったような口調で応える。

見ると一夏と甲芽螺も少し怒ったような表情でセシリアを見ていた。

 

 

「ッまた後ほど来ますわ。逃げないでくださいね」

 

 

四人に強く睨まれていた事にようやく気が付いたため、セシリアはすごすごと自分の席に戻って行った

 

 

「何だったんだ? あれ?」

 

 

「…………どうだって良い」

 

 

「……本当に今時の子だね」

 

 

「やっぱりいると思ってたけどよりにもよって護羅に突っかかるなんて」

 

 

「あ、そうだ護羅」

 

 

「……なんだよ」

 

 

「さっきあいつ代表候補生って言っていたけど……代表候補生って何?」

 

 

一夏のその発言にその場に居た全員は再び椅子から滑り落ちた。

瞬間、三時限目の始業を告げるチャイムが鳴り響いた。

 

 

「この時間は実践で使用する各種装備の特性についてだ。」

 

 

一、二時間目の授業とは違い山田先生ではなく千冬先生が教壇に立っている。そして山田先生は教室の脇でノートを手に持っている。

恐らく、今後の自分の授業の参考にする為だろう

 

 

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな。本来は朝のSHRで決めるんだが護羅達の事でそんな時間はなかった。」

 

 

思い出したように千冬がいう。なんか護羅達のせいにしてるような気がするが。ふとゴモラが護羅の方を見ると、額に青筋を立てて千冬を見ていた。

 

 

(あ~あれは不味い。後でまたケアしないと……)

 

 

護羅の様子を見てこの後の行動を決めたゴモラは心の中で溜息を吐いた。

 

 

「クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会の出席・・まあ、クラス長のようなものだと思えばいい。クラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力を測るものだ。今の段階でたいして差はないが競争は向上心を生む。あと一度決まると一年間変更はないからそのつもりでな。」

 

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

 

千冬のその発言にクラスが騒がしくなる。

それはそうだ。これで今年一年のクラスの顔役が決まるのだから、騒がしくなるのも無理はない。

 

 

「はい、織斑くんを推薦します!」

 

 

そんな中、ショートカットの女子生徒が一夏を推薦した。

 

 

「私も織斑くんがいいと思います。」

 

 

それに釣られるようにどんどんと他の女子生徒も一夏を推薦し始める。

 

 

「それじゃあ私は甲芽螺君を推薦します!!」

 

 

「私はゴモラちゃんを!!」

 

 

「わ、私は護羅さんを……」

 

 

最期の女子生徒の推薦相手を聞いたクラスの全員は驚いた表情をしていたが……護羅は何の反応も示さなかった。

 

 

「では候補者は織斑 一夏に真那 甲芽螺、柴葉ゴモラに護羅……。他にいないか?自薦他薦は問わないぞ。」

 

 

「お、俺!?」

 

 

ようやく自分の置かれている状況を理解したのか、一夏がびっくりして立ち上がってしまった。早速、周りから視線を浴びる。

 

 

「ちょっと待ってください!僕はそんなのやらn」

 

 

「自薦他薦問わないと言った。他薦されたものに拒否権などない。選ばれた以上覚悟しろ」

 

 

千冬にそう言われ絶句したような表情をする甲芽螺と一夏。

それを一瞥した千冬は改めて教室を見回して聞く。

 

 

「他に居ないのなら、この中で決める事になるが……」

 

 

「納得がいきませんわ!」

 

 

声の主はバンと机を叩いて立ち上がる。

 

 

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表なんていい恥さらしですわ!このわたくし、セシリア オルコットにそのような恥辱を一年も味わえとおっしゃるのですか!?」

 

 

立ち上がるなり中々の暴言を吐いたのはセシリアだ。

その発言に甲芽螺とゴモラ、一夏は嫌そうな顔をする。

 

 

「実力から行けばこのわたくしがクラス代表になるのは当然。それを物珍しいからという理由で極東の猿なんかにされては困ります!わたくしはISの技術の修練にこのような島国まで来ているのであって、サーカスをしに来たわけではありませんわ!」

 

 

(失礼な! 今は僕達だって人間だ!というかイギリスも島国じゃなかったっけ?)

 

 

「いいですか!?クラス代表は実力トップのわたくしがなるべきですわ!大体文化として後進的な国で暮らさなくてはならないこと自体、わたくしには耐え難い苦痛で・・」

 

 

(この国が後進的な国? ……言ってくれるね)

 

 

「イギリスだって大したお国自慢ないだろ。世界一不味い料理で何年覇者だよ。」

 

 

「なっ・・・!?あ、あなたわたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

 

「先に侮辱したのはそっちだろ!おい護羅達は何とも思わないのか!?」

 

 

「そりゃ思うけどさ……」

 

 

「わざわざこんな所で言う物じゃないし……」

 

 

「………………」

 

 

「ゆ、許せませんわ!! 決闘ですわ!」

 

 

「おう。いいぜ。四の五の言うよりわかりやすい。」

 

 

「もしわざと負けたりしたらわたくしの小間使い、いえ奴隷にしますわよ。」

 

 

「ストップ!! その発言はもはや人としてどうなの!?」

 

 

「はっ!勝負で手を抜くほど腐っちゃいない。」

 

 

「一夏もなにを乗り気になって言っているんだ!?」

 

 

「腰抜けさん達は黙っていてもらえません? そうですか。何にせよ、イギリス代表候補生の実力を示すまたとない機会ですわ!」

 

 

「こ、腰抜け?」

 

 

「あら? 違いますの?」

 

 

「……」

 

 

「それで? ハンデはどうする?」

 

 

「だから! なんで一夏もガンガン話を進めているんだよ!?」

 

 

「あら?早速お願いかしら?」

 

 

「いや、俺がどのくらいハンデをつければいいのかなと。」

 

 

アハハハハ!

一夏のその発言でクラスの皆が一斉に爆笑する。

 

 

「織斑くんそれ本気で言ってるの?」

 

 

「男が女より強かったのって、大昔の話だよ?」

 

 

「織斑くんはISを使えるかも知れないけどそれは言い過ぎだよ。」

 

 

「もし男と女が戦争したら3日持たないって話だよ。」

 

 

護羅達が存在していた地球ではISなどを超える超兵器などは沢山あったが、この世界では現時点ではISに対抗できる兵器がないため、ISは最強の兵器ということになっている。

 

 

「…じゃあハンデはいい。」

 

 

「賢明ですわね。むしろわたくしがハンデを付けなくていいのか迷うくらいですわ。ふふっ、日本の男子はジョークセンスがありますわね。」

 

 

さっきまでの激昂はどこへいったのか、今のセシリアは嘲笑を浮かべていた。

 

 

「あなた達! いい加減にしなさい!!」

 

 

「さっきから五月蠅いですわよ! 身の程をわきまえなさいと言ったのが聞こえませんでしたか?」

 

 

「…………おい」

 

 

その時、教室の空気がビシリと音を立てた錯覚をその場の全員が感じた。

そして、教室の一点から有り得ないほどの殺気があふれ出した。

そこにいたのは…………言わずもがな護羅だった。

 

 

「……さっきから黙って聞いていれば、お前らは何なんだ?」

 

 

そう言いながらも護羅は席を立ちあがりセシリアの目の前まで歩いて行く。

 

 

(な、何ですの!? 何なんですの!? このただならぬ殺気は!?)

 

 

「なぁ? 俺が聞いているんだから答えて見せろよ。セシリア・オルコット(猿以下の存在が)?」

 

 

護羅の鋭い眼光を受けてセシリアは自分の呼吸する速度が物凄く早くなるのを感じた。

例えるならそう、今生身の状態で戦車の砲身を向けられている様な威圧感が全身に掛かっているのだ。

 

 

「さっきからお前の発言は、国際問題になっても可笑しくないものばかりだったんだけどよ? お前、自分の立場って言う物が分かっていないのか?」

 

 

「た、立場。ですの?」

 

 

「そうだ、お前はさっき自分の立場を高らかに言っていた筈だぞ? 「自分はイギリスの代表候補生」ってな?」

 

 

「そ、それが何か?」

 

 

「……代表候補生って事はその国の代表になるかもしれない、つまりそいつの発言はその国の「意思。もしくは発言」って事になるんだが? それを理解してのさっきの発言なんだよな?」

 

 

「いや、分かる訳無かったか。悪いな、そりゃあ猿より劣る奴にはこれはちょっと難しかったよな?」

 

 

「ここは猿じゃ理解が難しいだろうからよぉ、サーカスにでも行って芸でもやっていた方が良いぜ?」

 

 

護羅が懇切丁寧に説明したことでセシリアはようやく自分が先ほど犯したとんでもない失態に気が付いた。

尤も、護羅はそれを親切心で教えたのではない。

先程から目障りだったこの小娘を黙らさせる為である。

 

 

「あぁ、後はあれな? さっきの極東の猿って発言。これを聞いた瞬間、思わず吹きかけちまったよ」

 

 

「ど、どういう意味でしょうか?」

 

 

「おいおい? お前ってまさかISを作った奴の出身国も知らないのか?」

 

 

「ISを作った人の出身国……ッッ!?」

 

 

「まぁ、あのクソ野郎もとい篠ノ之 束なんだが……あいつの出身国はここ日本だ」

 

 

護羅が篠ノ之 束をクソ野郎と発言したことにクラスに居た人間全員が驚いていた。

まさか稀代の天災と呼ばれた人物をクソ野郎何て呼ぶ者は普通はいないからだ。

 

 

「そんな事良いんだよ。それよりも俺が今、なによりもテメェにキレているのは……テメェはあいつをバカにしやがった」

 

 

「あ、アイツ?」

 

 

「…………先に言っておく。俺の妹と友達をバカにする、手を出す奴は俺は容赦しねぇ」

 

 

その発言をした時、護羅はセシリアの瞳を覗き込みながら言った。

セシリアはその瞳を見て恐怖した。

その瞳にはとても言い表せない位の怒りと憎悪が込められていた。

 

 

(こ、この人は一体、な、何者なんですの!?)

 

 

「それに一夏。テメェもだ」

 

 

「お、俺も!?」

 

 

「甲芽螺とゴモラが止めていたのを無視して勝手に話を進めただろ? お前、殺されてぇのか?」

 

 

護羅は一夏にもセシリアと同じように殺気を向ける。

それを受けて一夏も恐怖してそのまま固まってしまった。

 

 

「それにISが最強の兵器って言っていた奴ら……正直に言うぜ。バカじゃねぇの?」

 

 

護羅のその発言はその場の全員を更に氷漬けさせるには十分すぎた。

 

 

「その最強の兵器を調整してるのは誰だ? 主に男がやってんだろ? 整備中に爆弾でも設置されたら空飛んでる時点でお陀仏だぞ? そんなのも分からねぇのか?」

 

 

「それに少なくとも、俺と甲芽螺は……微妙だがゴモラはISなんて物が目じゃない程の兵器を見て来た」

 

 

「あ~……まぁ、確かにそうだけどそれ言っちゃう?」

 

 

「そ、そんな物が……」

 

 

「まぁ、それもどうでも良い。で、何だっけ? お前がさっき一夏に向けて言っていた決闘ってやつ? 俺達も参加させてもらうぜ?」

 

 

「……えぇ、お好きにどうぞ」

 

 

「怖気づいて逃げ出すなよ? ……まぁ、逃がさねぇけどな」

 

 

護羅はそれだけ言うとゴモラの頭を撫でながら席に戻った。

その様子はもはや興味もないと言った感じだった。

 

 

キーン♪コーン♪カーン♪コーン♪

どうやら授業が終わってしまったようだ。

 

 

「フム、チャイムが鳴ってしまったな。それでは勝負は一週間後の月曜の放課後。第三アリーナで行う。織斑とオルコット、柴葉に真那、それに護羅はそれぞれ用意をしておくように。それでは授業を終わる。」

 

 

護羅の殺気から立ち直った千冬がそう言ってその日の授業は終わりを告げた。

しかし、それからしばらくしてもゴモラ達以外では誰も席を立たなかったという……

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