世界一の錬金術師の養女は、ホグワーツへ入学するそうです。   作:東風吹かば

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ブレーズ・ザビニの独白

There is only one happiness in life, to love and be loved.

 

 

 

 

愛せよ。人生においてよいものはそれのみである。

 

 

 

ジョルジュ・サンド(フランスの女流作家)

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 愛って何なんだろうなぁ、とぼんやり考える。

 

 

 

 

 身内が言うのも何なんだが美人の母は結婚を繰り返している。と言っても離婚と結婚の繰り返しってわけじゃなく、結婚相手が死んでるだけだ。

 

 それで得た保険金で母さんはオレを何一つ不自由なく育ててくれた。まあそれはホントにありがてぇとは思うけど、そんな母から愛をもらったかと聞かれれば微妙なトコだ。

 

 

 

 

 

 母さんから受け継いだこの顔のおかげで女子に嫌われる、なんてことは稀だった。ま、好かれる事は多かったけど。

 

 

 

 「……好きです」なんてオレに言う何人が、オレのことを()()()知ってんだか。オレのことを知ろうとしてんだか。考えただけでちゃんちゃらおかしい。

 

 まあ腹ん中で何を考えていようがとりあえずオレは。いつも通り仮面をつける(を演じる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 瞳には感情が宿る、と言われるがその通りで、オレは眼からある程度感情も読み取れた。

 

 

 好意

 嫌悪感

 嫉妬

 殺意

 喜び

 悲しみ

 愛情 エトセトラ、エトセトラ

 

 

 色んな感情が視えても、人間の根幹っつーもんは変わらねぇのか、な〜んて絶望した時もあった。

 

 まあオレもその人間に含まれてんだからどうしようもねぇか、だなんて達観できるにはまだオレは若い。

 

 結局心ん中で世の理不尽を叫んでは毎日(日常)生きて(演じて)いくしかない子ども(ガキ)なんだ、オレは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「澄んだ瞳だ」だなんて口説き落とすには向かねぇ言葉だが、オレにとっては特別な意味がある。

 

 アイラ・ド・サドは、セオドール・ノットはーーーー面白い瞳をしていた。

 

 ノットは狂人一歩手前みたいな眼をしてて、それでも表面上は一般人に溶け込んでんだから面白い。

 

 イラの瞳は特に変わってる。

 

 聖人が如く澄んだ瞳の時もあれば、死神のように濁った瞳をしている時もある。聖母の如く愛に満ち溢れた瞳の時もあれば、氷のように冷酷な瞳の時もある。そして何より、その瞳に乗せた感情は……オレにさえ一切視えなかった。

 

 

 

 

 

『かわい子ちゃん』なんて言ったのは、世辞でも容姿についてでもなくただ単に口をついて出ただけだ。それも、無意識に。

 

 どこかしら可哀想だ、とか不憫だとか思うものがあったのか。まあ今となってはわからねぇけど。

 

 

 

 

 

 スリザリンに組み分けされたのは元々の性格もあるだろぉが、そんな面白い2人を間近で観察したかったって無意識な考えも含まれてるだろうな。

 

 やっぱ2人は他のスリザリン生でもつるむってか、ヒエラルキー上位の集まったグループの連中の中でも群を抜いて異質だ(面白い)

 

 同室になったドラコ・マルフォイは()()()()()思い上がった貴族の坊ちゃんだった。傲慢で、自分の思い通りに事が進まないとイラつくタイプ。それでいて本質的には臆病なんだから救いようがねぇ馬鹿(ガキ)だ。

 

 他のルームメイトの……セオドール・ノットはまあ、そうだな。「孤独な優等生」がぴったり合うように自分でしてる割には他人との関わりを渇望してる。普段は黙ってるか、言葉をよく吟味してからゆったり話すのに相手から話かけられりゃそこそこ饒舌に喋んのがいい例だ。

 

 クラッブとゴイルとかいうマルフォイの腰巾着たちはただ「食欲」しかない。ってか食べることしか考えてねぇだろ。

 

 イラのルームメイトのパンジー・パーキンソンは……はいはい恋する乙女だな~。

 

 ミリセント・ブルストロードは女子にしては背が高いこと以外は普通の貴族の子女だな。はじめっからイラに媚び売ってたのはいい判断だったと思うが。

 

 ダフネ・グリーングラスはオレらの年のスリザリンではいっちゃん可愛いんじゃねぇの? まあほかの寮含めると双子のパチル姉妹がトップかと思うけど。あれでもっと扱いやすけりゃ楽なのに。

 

 まあ全員、イラと関わったことで多少は変わってるかもなぁ。なにせ、イラの気質は周りの気質をあっさり変えることも容易だし。そうだな、こう考えてるオレの思考もイラの影響を受けてるっつわれても納得できるレベルには。

 

 王子様の騎士団(L'ORDRE DU PRINCE)なんてその典型的な例だろ。あれは有名人の追っかけなんかとは違う。ーーーーーー多かれ少なかれ気質を変化させられ、文字通りイラに心酔したヤツらだ。

 

 それでいて本人は周りに無頓着なんだからタチが悪いよな、ホント。

 

 まあ無頓着って言い方はアレか。んー、なんつーか、周りをよく見てるが故の無頓着? 自分にとって価値ある行動しかしないんだよな。それも多分無意識に。

 

 たぶんアレだ、恋愛とかも自分の利益で計るタイプだな。まったく、恋の駆け引きが大好きなオレとは真反対だぜ。

 

 ガッコでも色んな女子と恋したいけど、イラとだけはちょっと遠慮してぇや。予想だが「付き合ってくれ」っつってもOKされるだろうな。ただオレが好きだからっつーわけじゃ全然なく、利益とか割り切った関係ができるとかそんなんで。

 

 パーキンソンみたいに熱烈なラブコールをしろとは言わねぇが、もうちょい楽しく生きてもいいと思うんだけどなぁ。

 

 

 

 実際、「好きなヤツいる?」って聞いたら「扱いやすい婚約者候補なら」って言われたし。『扱いやすい』って婚約者候補に付ける言葉じゃねぇだろ!

 

 で、そんな愚痴っぽいのをノットに言ったら「…………婚約者は扱いやすい方がいいのは、正論では?」って! 仲いいなオマエら!! 付き合っちまえよ……ダメだ、お互い扱いづれぇ。

 

 マルフォイなんかはお子様だからそんな恋愛について言ってもわかんねぇだろうけどよ。パーキンソンへの感情がどんなんか自分でもわかってないっぽいが、たぶん付き合っても上手くいかねぇな。マルフォイにはもっと、こう、なんつーか……優しく後ろから支えてくれるような人が合うと思うぜ。こう言うとイラも条件に合っちまうか。そうだな、マルフォイには年下が合うってことも付け足そう。

 

 まあこんなんで、他人の恋愛については(さと)いつもりだし、よくわかんだけど自分については点でダメだな。ま、若いうちはたっぷり経験しようと思ってっからいいんだけどよ。

 

 

 結局何が言いたいのかって?

 

 あー、そうだなぁ。

 

 ま、これからの人生も楽しくいきましょうやってことか。

 

 少なくともホグワーツでは退屈しなさそうだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 






最近は寒さも増してきました。体調に気をつけてお過ごしください。ちなみに自分は何故か脇腹が痛いです。


次は、セオドール・ノットの独白となります。



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