「えーっと…ここはどこだ?」
彼、『鈴木タクミ』はいつのまにか見覚えの無い場所に座っていた。
周りは、夜空を感じさせるような黒い景色ばかり。
唯一タクミが座っている椅子と、タクミの自身の色が淡い光を放っている。
「鈴木タクミさん ようこそ 死後の世界へ」
周りを見渡していると、瞬間タクミの前に女性が現れた。
その女性は綺麗な青い髪をしており、街を歩けば誰もが振り向きそうな整った顔をしていた。
…とそこまで考えたところで、タクミの思考は停止した。
「…へ? んーっと よく聞き取れなかったなー 今… なんていったんですか?」
「だから 死後の世界っていったの! あなたはもう死んでるの! わかった?」
そう女性が言うと、タクミの脳裏に先ほどの光景が映し出された。
タクミが生きていたころの光景、自転車で高校に登校しようとした自分は、交差点で周囲を確認せずに曲がったのだ。
そこで目の前は真っ暗に、どこぞのゲームみたくポ○モンセンターに行くのではなく、死後の世界に着いたという訳だ。
「ああ… 親になんていえば… 親不孝な息子でごめんよ!」
「もういいかしら? そんな親不孝なあなたには選択肢があるの」
…ところでこの人は誰なんだろう。
こんな口調じゃなければ結構かわいいと思うんだけどなー…
女神様だったりして? そんな訳ないよな!
「1つ 日本でもう一回赤ん坊として生まれる。 2つ天国で地獄みたいな生活をする。 どれがいい?」
もう一回赤ん坊って… 面倒だな どうせ記憶も持っていけなさそうだし。
持っていけたらこの世が天才まみれになる。そんな世の中にならないのは記憶を消してるからだろう。
ていうかいくつかって、2つしかないんだが。
「…? 天国で地獄ってどういうこと?」
「あそこは地獄と変わりないって事 食べ物もない ネットもない 世間話か ひなたぼっこしかやることはないわね」
ネットすらないのか… クソのような世界だな 天国と言うのはただの夢ということか。
でもまた1からってのもちょっと気が引けるよなー… どうせ記憶は無いだろうし。
残念そうな顔を浮かべるタクミをみて、女性はニヤニヤし始めた。
…? なんだろう 気持ち悪いな。
「どっちも退屈しか待ってないと思ったでしょ! そんなあなたに3つ目の選択肢をあげるわ!」
おお! やっぱり女神じゃないか! 口調がアレだけどやっぱり女神だこの人!
「実はね? 今 ある世界がやばいことになってるのよ あなたたちでいう 異世界 みたいなものかしら その世界には魔王軍みたいなものがあって 人間の数が随分減らされているの!」
ふむふむ、この展開は知っている。どうせそこに転生するんだろう。
面白そうだがちょっとなー…
「俺はそこまで力は強いわけではないんだが…」
「わかっているわ! 転生したとしてもすぐ死んでしまっては結局意味がないってことは!!」
えっと… そんなに俺非力な訳ではないと思うんですけどー…
と考えていると女神様は話を続けていく。
「だから どうせ送るなら若くして死んだ人を肉体と記憶を残して送ってあげる そしてついでに何か1つだけ特別に好きなものを持っていける権利をあげているの チート職業やチート武器 それにチート魔法具だったり …そしたら異世界とはいえ人生をやり直せるわ! これでどう?」
あー…本当によくある転生物の小説と同じだな。
そういうのは結構な確立で変な特典を持っていってしまいそうだな。
まあそんな事が無いように気をつけて選びましょうか!
「じゃあそれでお願いします」
「そう! じゃあこの中から選んで頂戴! 1つだけだからね」
女神様が変なポーズをとると、後ろから紙が舞い上がり コチラに落ちてきた。髪ではない、紙だ。
その紙1つ1つにチート級の武器や、能力が書かれている。
あ! この剣カッコイイ… と思ったらそれが地雷の可能性がある。
タクミは紙の中から詳細をよく見て、しっかり内容を確認し、1つの紙を手に取った。
「これは… 使い勝手がよさそうだな この懐中時計を希望します」
「はーい それじゃあ この魔方陣から出ないように気をつけてー」
そういうと、タクミの足元に魔方陣が浮かび上がる。
カッコイイなこれ、まさに女神に選ばれた勇者って感じだ。
そう考えているとタクミが持っている紙が徐々に変化していき、銀色の懐中時計に変化した。
「これだこれ! やっぱりかっこいいな懐中時計! 最近あまり見かけないけどデザインがいいよ!」
俺は手に入れた懐中時計を握り締め 魔方陣と共に消え去った。
主人公は、身長180cm 体重60kg (背が高い)という設定。
顔はフツメン 学校の成績はそれなりです。