東方古神録   作:しおさば

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作「閑話〜!!」

霞「今回は誰だ?」

作「んなもん見てればわかる!!」

霞「よく分からんが、なんでそんなテンションなんだよ」


閑話4/風邪薬は苦いらしい

「はい、ってなわけで第2回作者権限!!」

「「「いぇ〜い!!」」」

 

どうしてこうなったのか、落ち着いて思い出していこうと思う。

確か、昨日は紫と藍と、一緒に飲みに行っていた。馴染みの飲み屋に行って、凡そ1樽程の酒を飲んだのは覚えている。

問題はそこからの記憶がないということだ。

本来、俺が酔うなんてことはまずない。鬼と飲んでも、飲み勝つ自信はあるし、実際勝っている。

それが記憶を失う?ありえない。なんなら樽をあと二つ程飲んでも、ビクともしないはずなのに。

「……やられたな」

つまりは俺の意識を混濁させるような、薬か若しくは術が掛けられていたのだろう。

そんな事を出来るのは、紫か永琳くらいか。

 

「そんじゃ早速行ってみよー!!」

おい、俺の回想とか無視すんなや。

 

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「んで、今回は永琳か」

「あら、不満かしら?」

一瞬の意識の喪失の後、俺の隣には永琳が立っていた。

いつもの如く、赤と青のツートンカラーな服を着て、何故か不敵に笑っている。

「ってか、お前酒に何かしただろ」

「わかった?流石に貴方を眠らせる薬なんて、作るの大変だったのよ」

そんな苦労をしながら、なんでココまでするかな。

若干呆れつつも、俺は現在位置を確認する。確か、前回は現代の横浜に居たはず。今回は……。

「……人里……か?」

「えぇ」

そこは見慣れた建物が並ぶ人里だった。

「んで、ココで何がしたいんだ?」

「……そうね。特には決めてないわ」

「はい?」

 

 

 

-------------------

 

「おや、霞さん。今日はまた別の別嬪さんとご一緒で」

「あら、お上手ね」

人里を歩くと顔見知りが多いのか、霞は良く声をかけられる。さっきは団子屋の女将に、今度は魚屋の主人。寺子屋の子供たちにまで懐かれているのは多少驚いた。

「今度またいい魚を仕入れておきますんで、また宜しくお願いしますよ」

「あぁ、まぁその時には寄らせてもらうよ」

 

「意外と人気なのね」

「一応、これでも神様だからな」

だとしたら、逆に馴れ馴れしさを覚えるのだけれど。

普通ならば神とは人に崇められる存在。こんな人里を平気で歩き回るような事はしないと思うのだけれども、そこは霞だから、で納得するしかない。

遥か昔から、霞はそうだ。何ものにも縛られず、何ものをも受け入れる。いつか『自由を司る神』と教えられた時も、なるほどと納得してしまったし。

 

私と霞の関係は、多分人間では1番長いのではないだろうか。まだ月の民が地上に生きていた頃からの知り合いだし、何より私の命の恩人でもある。

霞と出会ったあの日、怪我をした私の前に颯爽と現れ、妖怪から助けてくれた。あの時は、不覚にもトキメイてしまったものだ。

「少し疲れたわね。アソコで休みましょう?」

「んぁ?わかった」

まさか私を助けたのが、この世界の創造神だなんて思いもしなかったけれど。

それは今も時々思う。本当に創造神なのだろうかと、疑問に思わされてしまう。それくらい、私の知っている神と言う存在と霞はかけ離れていた。

こうやって私と並んで、人里を目的もなく歩きたい、なんて怒られても仕方ないような願いも、霞は嫌な顔一つせず叶えてくれる。

 

「もうちょい他にやりたい事とか無いのか?」

「やりたい事?」

そう言われて悩む。本当は今回だって、あの作者に言われてから悩み抜いて決めたことだし。

何時もならば、研究室に籠って新薬の開発など、机に向かっていることが多い日常で、突然『1日自由にしていい(霞付き)』と言われても、何をしていいのかわからない。姫様には『偶には外で遊んできなさいよ』と、逆に私が言いたくなるような台詞を言われたし、てゐには『師匠の逢引。……これは売れる!!』とか不穏な事を言われるし。

年頃の娘ならばわかるが、少しばかり(?)歳をとってしまった私には、何をすればいいのかなんてわかりもしない。

「よくわかんないわ。普通はこういう時って何をするの?」

「あ、それを俺に聞いちゃうんだ」

「だって、都市にいた頃も貴方が無理矢理外に連れ出してたじゃない」

「そうしないと飯も食わずに、1日平気で部屋に閉じこもってたからだろ」

否定は出来ない。そう考えると、今も昔もあまり変わっていないようね。

 

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何をしていいのかわからない、と言う永琳を連れて、俺達は人里を歩く。

特に目的は無いが、偶には外の空気も吸わせないと。

「そう言えば、輝夜は元気か?」

「えぇ、元気に引きこもっているわ」

「どっちなんだ?アグレッシブなニートとか、意味わからんのだが」

ふと頭の中に浮かんだのは、キーボードクラッシャーと化した輝夜の姿。いやいや、この時代にパソコンはないし。

「そんなこと言うなら、偶にはウチにも来なさいよ」

「悪いな。至って健康なもんで、病院には無縁なんだ」

それは残念、と皮肉を言う永琳をよそに、色々な店を見て回る。

……こんなんでいいのか?

 

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「お、お疲れ様でした。満足していただけました?」

「いや、なんでそんなにボロボロなんだ作者」

日も暮れてきた頃、俺たちの前に作者が現れた。どうやらそろそろ終わりのようだ。

「いや〜、あの姫様の相手と兎のイタズラは、流石に作者をでも手に終えませんね」

「お、おぅ……」

その顔から察するに、余程酷い扱いを受けたらしい。そんなん見せられたら、益々永遠亭への足は遠退くばかりだ。

「久しぶりに気分転換が出来たわ。ありがとう」

「そいつは良かったよ」

こんなんで良ければ、いくらでも付き合うのに。

「それじゃ、次は姫様やてゐも一緒に」

「あぁ、そうだな」

と言うか、そうしないと輝夜は不貞腐れるだろうな。あの我が儘娘は。

 

「また何かあったら、何時でもいらっしゃい」

そのセリフと共に、永琳は竹林の中へと消えていく。

そんな頻繁に病院の世話にはなりたくないもんだが。まぁ、これからは顔を出すくらいはしてやるか。

そうしないと永琳も輝夜も、一生外に出ない生活とかしそうだもんな。

 

こうして、永琳との1日はノンビリとした空気の中、終わりを告げた。

偶にはこんな1日も、良いんじゃないかな。




作「作者なのに死にかけた!」

霞「なんで?」

作「あの兎っ子……」

霞「あぁ、察したわ」



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