東方古神録   作:しおさば

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(´-ω-`)))コックリコックリ。。


13話/久しぶりの再会らしい

どうも、脇腹が痛い霞です。

 

昨日の事は……うん。忘れよう。

残りの2人?爆睡中だよ。

 

俺は縁側に腰を下ろし、お茶を飲む。

あ、久しぶりにコーヒーが飲みたくなってきたな。

今度創るか。

 

そんな事を考えていると、2人がのっそりと起きてきた。

「おはよう霞」

「おう、おはよう」

「あ〜う〜。頭痛いよ〜」

そりゃあんだけ飲めばそうなるだろ。

ルーミアは……あ、まだほぼ寝てるわ。

俺は諏訪子の分もお茶を淹れてやると手渡した。

 

 

 

俺とルーミアは今、市街地とでも言える賑わった道を歩いている。散歩がてら見て回るつもりだからだ。

「おや、お兄さんここらじゃ見ない顔だね」

八百屋であろう店の恰幅のいい女将が、話しかけてくる。

「あぁ、俺達は旅をしてるんだ。途中でこの国に立ち寄ってな、少し滞在させて貰ってる」

「そうかいそうかい。神社にはもう行ったかい?この国は諏訪子様のおかげで成り立っているようなもんだからね。一度行ってみるといいよ」

まぁ、俺らはそこから来たんだけどな。

「ほんと、祟り神が治める国とは思えないわね」

「そうだな」

道を歩く度に話しかけられ、その度に諏訪子の素晴らしさを説かれる。もう聞き飽きたわ。

「だからとでも言うべきか、諏訪子の力自体は相当強いぞ?」

神の力は信仰の量で決まる。信仰されればされるだけ、神は力を蓄える。

あれ?なら俺は?

「貴方は規格外でしょう」

そんな一言で済ませないでくれ。

 

 

 

 

 

 

 

神社に滞在して、一週間程過ぎた頃、ようやく大和から使者が訪れた。

対応したのは諏訪子だけなので、どんなやりとりをしたのかわからないが、使者が帰った後の諏訪子は、目に見えて恐怖していた。

「か、霞。どうしょぅ……」

俺の姿を見るなり、諏訪子は裾をつかんですがりついてきた。

「なんだ?どうした?」

「や、大和からの使者が来たんだけど」

「みたいだな」

その小さな手に握り締められたのは、どうやら大和からの手紙のようだ。

「読んでもいいか?」

俺は諏訪子から受け取ると開いてみた。

……まぁ、簡単に言えば国を明け渡せ。明け渡さなければ、大和の神軍が洩矢を襲う。との事だ。

いや、余りにも頭のおかしい内容だな。向こうは八百万の神。こちらは一柱の神とごく普通の人間達。勝負になるわけが無い。せめて、ちゃんとした勝負の元、やり取りをするのならまだしも。これはただの脅迫だ。

「どうしよう。民が……民を犠牲にはできないよ……」

「ふむ」

まったく。アイツらは何をやってるんだか。

……これは少し説教をせねばならんな。

「諏訪子、少し時間をくれるか?」

「え?」

「大和にちょっと話をしてくる」

「はい?!」

おぅ。そんなに驚くことか?

「いやいや。何処に行こうとしてるかわかってるのかい?相手の総本山だよ?下手すりゃ生きて帰ってこれないよ?!」

「んー。かも知れんが、そうならんかも知れんだろ?」

諏訪子の頭をポンポンと撫でてやりながら、落ち着かせるよう努めた。

「それに、この国には使者として向こうに行ける奴なんかいないだろ?俺が少しやり方を変えてもらうようにしてくるから」

「霞……」

俺はそう言うとルーミアへと向けて。

「少し出てくるが、なにかあったらこの国を守ってやれ。……人間は食うなよ?」

「わかってるわよ。貴方もちゃんと帰ってきなさいよね」

「お?なに?俺の心配してくれんのか?」

やっとルーミアもデレてくれたのか?

「バカ言わないで。貴方が死んだら、誰がラーメンを作るのよ」

おい。せめて嘘でも心配しろよ。

「?ラーメン?」

「おう。うまい食い物の事だ、今回の事が片付いたら諏訪子にも食わしてやるよ」

「……わかった。約束だよ?」

ちっちゃい子との約束は死んでも守らんと。まぁ、死なないんだが。

「じゃぁ少し行ってくるわ」

そう言って俺は神社を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

はい、というわけで。今、私は大和に来ております!

まぁ、ワームホールを通れば一瞬だからね。楽だね。

んで、やっぱりコチラにも門番がいるのか。

「あのー、すいませーん」

「ん?貴様、何者だ」

いつも思うんだが、門番ってのは厳ついオッサンしかいないのだろうか。

「わたくし、洩矢の使者として参ったものなのですが」

「む。洩矢の?」

すると門番は俺の身形を確認するように睨みつける。

「わかった。今、伝えてくる、ここでしばし待て」

 

暫くして中へ通されると、宮殿のような屋敷があった。

アイツら、結構いい所に住んでるんだな。

「この部屋にいらっしゃるのが三貴神様と軍神さまだ。くれぐれも失礼の無いように」

するとゆっくりと戸が開かれる。

かなり広い座敷の中に、四人(?)の姿があった。

二人は知ってるが、あとは誰だ?

俺は一応使者なので、深々と頭を下げる。どうやら二人は気がついていないようだ。

「お前が洩矢の使者か?」

「はい、そうです」

「して、何用で参った?」

一番端にいた女性が話し始めた。

「此度の手紙での内容、今一度検討し直して頂きたく、参った次第です」

「なに?」

お?怒った?

「何を呆けた事を吐かすか。これは戦争ぞ。そちらに手心を加えるつもりは毛頭ないわ」

「……ふーん」

あら。取り尽くしまもなし?

ならしょうがないよね。

「……貴様、誰を前にしてその様な態度を取っているか、わかっているのか?!」

「テメェこそ、俺を誰だと思っていやがる」

俺はゆっくりと顔を上げた。俺の顔を見た瞬間、顔を知っている二人は、一気に凍りついた。

「久しぶりだな、天照、月夜見」

「き、貴様!誰の名を呼んでいるのかわかっているのか!!」

天照の隣にいた男が腰の剣に手を掛ける。

「黙れ、貴様に喋りかけた覚えはない」

瞬間、俺は久しぶりに神力を使う。使うと言ってもただ身に纏うように漏れ出させるだけだが。それでも四人には圧倒的な力の差がわかったようだ。

「お、お久しぶりでございます。父上様」

絞り出したかの様に天照が頭を下げる。

「あ、姉上?!」

「天照様?!」

端にいた女と、男は驚いている。そりゃそうだ。大和神話の最高神が頭を下げているのだから。

「控えなさい、素戔嗚、神奈子。この方は我々の父なる方、創造神様ですよ」

気付けば月夜見も頭を下げている。

「そ、創造神?!」

「おい、せめて様ぐらいつけろや」

俺は男に対して、神力を強めた。純粋な力量の差を感じてなのか、呼吸もままならないようだ。

「も、申し訳ございません」

神奈子と呼ばれた女は深々と謝罪した。

素戔嗚もなんとか頭を下げる。

それを見届け、漏れ出させていた神力を引っ込める。意外と便利だな。自分で言うのもなんだが。

「天照、まずはそこの二人は何者だ?」

「はい、右に居りますのが、我が弟素戔嗚尊にございます」

へー。コイツが素戔嗚尊ね。ならもうひとりは?

「私は八坂神奈子と申します」

ってことは、コッチが軍神って奴か。

「ふむ。俺は神条霞。天照が言っていたが、創造神だ」

八坂神奈子と素戔嗚尊は小さく震え、冷や汗をかいている。

そんなに怖い?

「それで、父上様。何故洩矢の使者などされているのですか」

天照が顔を上げる。まぁ、この中だったらまだ天照は平気な方か。

「なに、お前達から受け取った手紙の内容が余りにも酷いものだったので、ちょっと話をしに来ただけだ」

「では、お父上は洩矢の味方をすると?!」

いや、そうなったら今度は俺一人で事が済んじゃうだろ。

「そうではない。ってか、この手紙は誰が書いたものなんだ?」

そう言って手紙を四人の前に投げ出す。

「これは下級の神に書かせ、洩矢に持っていかせたものです」

なんともまぁ、無責任にも程があるだろ。読んでみろ、と言い天照は恐る恐る開いてみた。すると見る見るうちに表情が青ざめていく。

読み終えると、天照は再び深く頭を下げた。

「知らぬ事とは言え、我らが目の行き届かぬばかりに、父上様には大変失礼な事をいたしました。申し訳ございません」

「いや、わかればいい」

他の神も手紙を読んで、それぞれ反応をしている。

「そんで、ものは相談なんだが」

俺は意識して砕けた話し方をした。どうも堅苦しいのが続くのは嫌いだ。

「お前らの中で……そうだな。八坂神奈子と言ったな、お前と洩矢の神との一騎打ちで勝負を決めようじゃないか。他の神は一切手出し無用。それを守るのであれば、俺も今回は手出ししない。ってのはどうだ?」

「わ、私がですか?!」

神奈子は驚いたようだ。

「うん。この中だとお前がちょうど諏訪子……洩矢の神と釣り合いが取れていると思うんだよ」

「それを守れば、お父上は手を出されないと?」

「本来ならガキ共の喧嘩に、一々俺が首を突っ込むってのも、場違いだろ?」

天照も月夜見も、俺からすればまだまだガキだからな。

「わかりました。しかし、勝負の行く末を見守るために我々は赴かせていただきます」

「おぅ、来い来い。終わったら宴会やるから」

「……お父上は相変わらずですね」

月夜見はジト目で俺を見ている。なんだ?最近俺の扱いが酷くないか?

「では勝負は三日後、場所は洩矢と大和の中間。良いな?」

「はい、畏まりました」

こうして、諏訪子VS神奈子の勝負が決められた。早く帰ってこの事を伝えなきゃな。

「んじゃ、俺は帰るぞ」

「え?もうですか?!」

驚いたのは天照だ。何を驚いている。

「……だって、月夜見はしばらくの間父上様のお側に居たのでしょう?」

……あぁ、確かに都市にいた時はしょっちゅう会っていたな。というか、俺が月夜見の所に遊びに行っていたんだが。

「狡いです」

「……は?」

「月夜見だけ狡いです!私だって父上様ともっとお話したいです!!」

お前はファザコンか。そんで一応大和の最高神なんだから、他の奴がいる前で俺に甘えるんじゃない。

「あ、姉上?」

ほらみろ、素戔嗚なんて若干……いや、かなり引いてるじゃないか。

というか、裾を掴むな。

「わかったから!全部終わったら構ってやるから!!今は離せ!」

「絶対ですよ?!約束ですからね?!神は約束を破ったらダメなんですよ!?」

えぇい、執拗い。

何処で教育を間違えたんだろうか。……あ、教育なんてほとんどしてねぇや。




はい。神奈子様登場です。

ってか天照のキャラが濃くなりすぎて、神奈子の影が薄い気が………………。



気のせいか。
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