どうも、霞です。
前回で諏訪子と神奈子の勝負は、神奈子の勝利で幕を閉じました。
うん。『勝負は』ね。
大和の神達はこれで洩矢の信仰も得られると思っているのだろう。安堵の溜息を吐いている。
俺は未だに起き上がれない諏訪子を担ぐと、一旦洩矢の神社へと向かうことを勧めた。
こんな地面がバッキバキに割れて、馬鹿でかいクレーターのある(元)平原でお話も何もないだろう。
素戔嗚に肩を貸してもらっている神奈子他、三貴神は俺の後に続き洩矢へと向かった。
途中、諏訪子が小さい声で「ごめん、負けちゃった……」と呟いていたが、何も言わず、ただ頭を撫でるだけに留めた。
まぁ、問題はこれからなんだけどね!
「信仰が得られない?!」
デカイ声で驚いているのは八坂神奈子だ。
「デケェ声出すなや」
「いや、しかし一体どういう事ですか?!」
「どうもこうも。いきなり現れた神に、『今日から我々を信じろ!』なんて言われて、はいそうですか。ってなるか?」
こんな時代じゃなくても胡散臭さ爆発だろ。
「まぁ、原因は他にもある。ってかそっちの方が主な理由なんだが」
「なんですか?それは」
月夜見もやはり気が付いていないのか。
「一応、こんなチンチクリンでも諏訪子は土着神の頂点だぞ?みんな報復の祟りを恐れるに決まってんだろ」
「…………あ〜」
どうやら納得してくれたようだ。
「だが、このままってわけにもいかないだろ」
隣に座る諏訪子の頭をポンポンと叩く。
「ってな理由で、新たな神をたてて貰います」
「「「「はい?!」」」」
「なに、簡単な事だ。実質的な事は神奈子が執り行うが、裏では諏訪子が執り行う」
そうすりゃ諏訪子への信仰も神奈子への信仰も集まるって寸法だ。
「ドヤァ」
「最後の表情が無性に腹立たしい以外は、是非もないですね」
月夜見は納得したかのように頷いている。素戔嗚は……あ、理解してないってか諦めてる顔をしてる。
「ってな事で、消えてなくなる、なんて事はなくなったぞ諏訪子」
横で惚けている諏訪子に話しかける。
「あ、えーと……」
「ん?」
「ちょっと色々理解が追いついてないんだけど、一つだけいい?」
「お?なんだ」
「霞の背中にくっついてるのって、なに?」
「………………自称大和の最高神」
「さて、てめぇら!!今日は宴だぁ!!思う存分飲みつくせぇっ!!」
俺の開会の音頭(?)で厳か(?)に始まった宴会は、大和から集まった八百万の神達によって、もはや戦場とほぼ同義だった。
「……てかさ〜。なんで霞も神様だって教えてくれなかったのさぁ〜」
「そ、れはすまっ、なかったなっ……」
だからなんで諏訪子は酒を飲むと俺の脇腹を殴ってくるの?
「しかも創造神様だってぇ〜?どんだけ偉いんだよぉ〜」
えーと、一番ですが。
それよりも、諏訪子の行動に周りの神達は気が気じゃないらしいぞ。特に月夜見。
注がれた酒を一口で飲み干すと、どこからともなく手が伸びてきて酒を新たに注いでくる。まぁ、背中にくっついてる天照なんだが。
「お前はいい加減離れなさい」
「言われてますよ、洩矢諏訪子」
「いやお前だよ」
なに、この世の終わりみたいな顔してるんだよ。
「ほら、こっち来て呑め」
そう言って隣をトントンと叩く。背中にいつまでもくっつかれてるよりはマシだ。
「父上様がそこまで……どーーーしてもと言うのならば」
「そこまでは言ってない」
「ならココから動きません」
「お前は俺を脅すのか」
そんな宴会も、終わりを告げ。また、新しい朝が訪れる。
そろそろ旅を再開するかね。
今更だけど、素戔嗚がくうきだったなぁ……