どーも、しおさばです。
この章は原作ではなく、オリジナルストーリーでいこうと思います。
17話/神様は方向音痴らしい
「え?旅を再開する?!」
諏訪子は驚きの声を上げた。
八百万の神が集まったあの宴会から、数日経ったある日。
俺は諏訪子と神奈子に旅に出ることを告げた。
いい加減、他のところも見てみたいし。そろそろ脇腹を殴られるのもお断りしたいのですよ。
それに、この時代でなければ見たり聞いたりできない事を、俺は感じたいし。
「えー。もうちょっとここにいなよー」
「いや、もうちょっとって……。具体的には?」
「ざっと千年くらい……」
アホかコイツは。
「まぁまぁ。霞様は創造神でありながらも、自由を司る神でもあるんだから」
間に入って諏訪子を宥める神奈子。ってかなんだよ『自由を司る神』て。
「え?知らなかったんですか?霞様は、その性格から『自由』の神として崇められているのですよ」
誰だそんな事を決めたの「龍神様と天照様です」……うん。もういいや。
「と、とりあえず。そんな創造神様に何を言っても、その身を留めて置くなど無理ですよね」
「まぁな。これは既に決めたことだから。悪いな」
「……しょうがない、か。霞だもんね」
それで納得されるのも嫌だがな。
「それで、いつ起たれるのですか?」
「ん?今日」
「「自由すぎだよ(でしょ)!!」」
洩矢にいる間、世話になった酒屋とか飲み屋とか居酒屋に挨拶をしていたら、すっかり遅くなってしまった。
今、俺とルーミアは森を抜け、北へと向かっている。………………多分。
「ちょっと、今無視出来ないこと考えてなかった?」
「キノセイデスヨ、ウン」
森を流れる川沿いに、太陽の位置を確認しながら進んできたから大丈夫だと思うけど。
月明かりが照らす、少し開けた場所にテントを設営する。
え?どこから出したって?創造しましたよ?
ちょっとした機能を加えて。
「貴方、ほんとなんでもありよね」
「褒めてる?呆れてる?」
「半々……いえ、3対7で呆れてる」
はい、こちらのテント。入口のジッパーを下げるとそのまま異空間に繋がっています。しかもタダの異空間じゃなく、現代風の内装完備!バストイレ別!!
「何これ、どうやって使うの?ってか、何につかうの?」
ルーミアはトイレのフタを開け閉めしながら、興奮気味に訊ねてきた。
いや、それ厠だからね?
「ほら、とりあえずこっち来い。飯食うぞ」
「あ、うん。わかったわ」
さて、キッチンに入ると冷蔵庫を、開ける。この中もまた幾らか仕掛けを施した。まぁ、言っても急速冷凍を可能にするのと、食材の自動補充機能なだけだが。
「んで、何が食いた「ラーメン」……うん。俺に責任があるんだが、そこまでか?」
まぁ、作るけどね。
今日は時間が無いから麺は手打ちじゃなく、創造した物を使う。あとスープも。
しかし!チャーシューだけは譲れない!!
これだけは俺が丹精込めて作った、特製のタレに漬け込んだ豚肉を焼く所から始める。
食事を終え、交代で風呂に入って一息つく。こないだ創ったコーヒーを啜ると、懐かしい苦味が口に広がった。
このテントは表面に薄くとも強力な結界を張ってある。視認撹乱、探知索敵を自動でしてくれる。テントを中心に半径300メートル内に入った生物を探知し、映像をインターホンの画面に表示してくれる。
なんでそんな話をしたかって?
さっきからインターホンに1人の人間が映し出されているからだ。
「あら、人間ね」
風呂あがり、頬を上気させたルーミアが、髪をタオルで拭きながらのぞき込む。
「みたいだな。あ、倒れた」
さっきからフラフラと、覚束無い動きだったから、多分行き倒れが、妖怪にでも襲われたか。
後者ならば残念。早速次の妖怪に狙われているようだ。
「どうするの?助けるの?」
「……まぁ、しょうがないか」
「私は嫌よ。今、外に出たら風邪をひくもの」
妖怪でも風邪をひくのか、些か疑問だが。しょうがない。
俺は数千年ぶりに刀を取り出し、腰に差す。
「ってな理由で妖怪諸君!とりあえず俺は今、風呂上りのコーヒーを飲みながらの優雅な一時を邪魔されて、ひじょーーーーーに機嫌が悪い!なので俺の新しい能力の実験台になってもらう!!」
勿論、異論は認めない。
鞘から抜かれた刀を、右手で握りゆっくりと歩き出す。
そう言えば戦闘なんてどれくらいぶりだろう。一時期ルーミアと異空間でお遊びをした事はあったが。それ以外だと……人妖大戦以来か?
目の前に並ぶのは10体ほどの妖怪の群れ。ちょっとテストには物足りないが、まぁいいか。
コチラに向かって、その爪で引き裂こうとした妖怪を、躱しながら、刀で撫でるように斬る。しかし斬られた部分には傷が付かない。斬られたはずの妖怪も不思議そうにそこを確認している。
その瞬間。妖怪は砂のように崩れ、文字通り跡形もなく消え去った。
とりあえず、上手くいったようだ。
「……さ、次は誰かな?」
「ねぇ、さっきの何よ」
テントに戻るとルーミアが開口一番訊いてきた。
いや、その前にコイツをどうにかしたいんだが。
俺は肩に担いで連れてきた、行き倒れ(?)の人間をリビングのソファーに降ろす。
「ふむ。パッと見外傷はなし」
内蔵やらも……大丈夫のようだ。
黒い着物を着た……男……か?
中性的な顔立ちの男を観察する。
白髪なのか、もとから白いのか、髪を肩まで伸ばし、その手には大事そうに扇子を握りしめている。
「ねぇ……さっきのなんなのよ……」
ルーミア、うっさい。
どうにも気になるこの男。しかし詳しく調べるのはコイツが目を覚ましてからになりそうだ。
こうして、テントでの1日めは過ぎていった。
はい、オリジナルストーリーです。
そしてオリキャラです。
そして主人公の新しい能力(?)です。