作「だってこの時間しか余裕が無いんだもん」
紫「作者が『だもん』とか言っても可愛くないですよ?」
作「……ふ〜ん。紫ちゃん、そんな事言うんだ〜」
紫「え?!」
作「思い知れ!作者の権限を!!」
「さぁさぁ!早速始めましょう!!」
朝食を終えたからか、寝起きよりも元気さ2.5倍(当社比)な美鈴。いや、うるせぇよ。お前のチンチクリンな身体の何処からそんな声が出るんだ。
「??普通に喉からに決まってるじゃないですか」
いや、普通に有り得ねぇよ。
「そんなことより!手合わせ!手合わせですよ!!」
「……だそうだよ、紫」
「あ、やっぱり私なんですね」
そりゃそうだ。俺がやったらホントに子供と大人のケンカになっちまう。見た目的にも、実力的にも。
「私だって!もう大人ですよ!?」
……あー。はいはい。
一応言っとくが、最初にあった時は幼稚園児位で、今は頑張っても小学生高学年って体型だからな?幼女から少女になったくらいだから。
「頭の中だけ成長しちゃったんだな……」
「……師匠ですけど、張っ倒しますよ?」
「さぁ始まりました!血湧き肉躍る、空前絶後の幼女対少女の壮絶キャットファイトー!!」
「……師匠。なにしてるんですか?」
ん?今回は俺の出番これくらいで終わりそうだから、後は自由にしようかと。
「メタいです。師匠」
気にするな、禿げるぞ?
「女性に向かって言うセリフじゃないですよね?!」
……と、言うことで少女はヤル気マンマンだー!
「話をそらさないでくださいっ!!」
そして対する幼女は〜?!
「なんか良くわかりませんが!うおぉぉおおおっ!!」
「なんでそんなヤル気なの?!」
毎度のことながら、師匠の自由さには呆れ果てる。
まぁ、それはそれとして。美鈴と手合わせをするからには、弟子として恥じない戦いをしなければ。
「それで、どうやって勝負を決めるの?」
「そうですね、相手が降参するか気絶するまで、ではどうでしょうか」
なんとも、噂になる程の妖怪とは思えないような。
「そう。それじゃ始めましょう」
「そうですね!よろしくお願いします!!」
そう言うと、美鈴は腰を落として構える。師匠が言っていたけど、堂に入っている。
彼女は見た目通り、近接戦闘を主としているようだ。ならば近づくのは愚策と言える。
私は掌大の妖力弾を放つ。
一直線に飛んでいくと、美鈴は左手で弾く。なるほど、妖力を纏って攻撃だけでなく、防御にも使うようだ。弾いた左手には傷一つない。
「硬いわね」
「えぇ、痛いですよ」
彼女の身体能力は、幼いにも関わらず下級妖怪のそれとは一線を画す。
そんな彼女が脚に妖力を纏い、地を蹴れば、殆どの生き物は反応すら出来ないだろう。でも……。
「来る方向がわかっていれば!」
真っ直ぐなにも考えずに突っ込んでくる美鈴を、スキマを使って強制的に方向転換させる。
「あれ?」
「馬鹿正直に突っ込んで、勝てると思わないで欲しいわ」
「……おぉ!まるで霞さんのようですね!!」
確かに師匠の能力と私のは似ている。と言うよりも、ほぼ同じだと言っていい。
だけど明らかに違う部分もある……。だから、師匠の真似事は出来ても、根本的には別物。
弟子としては、悔しいけれど。
「なるほど、真っ直ぐは駄目ですか」
少し考える素振りをした美鈴は、なにか思いついたようで。
「なら回り道をしましょう!!」
再び地面を蹴った。なにか思いついた様だったが、変わらず真っ直ぐ突っ込んでくる。
美鈴の正面にスキマを開けて待ち構えるが、通った気配がない。
「真っ直ぐな回り道!!」
声に反応すると、そこには空中を前転の要領で回転しながら飛ぶ美鈴の姿。そのままの勢いで踵を落としてくる。
咄嗟に両手を引き上げ、顔の前で構えると妖力を込める。
「でりゃぁあっ!!」
声と共に振り下ろされた脚を防ぐ。なんて威力をしているのよ。結構妖力を込めたつもりなのに、それでも骨までシビれるような重い一撃。
「いった〜い!」
これでも嫁入り前の身体なのに!傷ついたら責任取ってくださいね、師匠!!
「だが、断る」
「なんで考えてることにツッコミ入れるんですか!!ってか断らないでくださいよ!!」
「いいじゃないか。暇なんだもの」
なら少し位応援してくれても……。
「ふむ。確かにな。ならば美鈴に勝ったら何かご褒美を……」
「全力で行くわよ!!」
私は美鈴に妖力弾をばら撒く。
別に、コレが当たるとは思っていない。むしろ、美鈴の動きならばどんなに速度を上げたとしても難なく躱すだろうし。
案の定、弾幕を避けていく美鈴。ばら撒く弾もそれぞれ緩急を付け、避け難くしているはずなんだけど。
でも、それでいい。避ける事に意識してくれている方がいい。
だから……。
「後ろを振り返らないでね」
「なっ!?」
美鈴の後方に開けた数々のスキマに入っていく弾幕。それは別に開いたスキマから再び現れる。美鈴を囲うように配置された、『全方位』のスキマから。
全方位から迫る緩急の付いた弾幕は、いくら身体能力の高い彼女でも避ける事は出来ないらしく。1つ被弾したのをキッカケに、次々と当たっていった。
「いや〜!負けちゃいました!!」
何故か負けたというのに清々しい笑顔の美鈴。なに?この子。
「流石、霞さんの弟子なだけありますね!!」
「あ、当たり前でしょ!師匠の前で無様な姿は見せられないもの!」
だけど真っ直ぐに褒められるのは照れくさい。
「ま、アナタも上には上がいるってわかったなら、更に精進する事ね」
「えぇ!そうですね!!」
うんうん。なんとも、可愛らしい妹のような反応だ。妹なんて居ないけど。
「そうそう!更に精進をしたいのですよ!!」
ん?だから、それは今私が言ったわよ?
「ですが今回、私は紫さんに敗れてわかったことがあります!!」
あれ?なんだろう、嫌な予感がする。
この純粋な美鈴の目に、私は焦りを覚える。え?なに?
「やはり、1人で幾ら修行をしてもたかが知れていると!!」
あ、これはまずいわ。やめて、そこで止まって?お願い、この後でご飯奢るから。……お金ないけど。
「なので霞さん!お願いします!!」
やめて!師匠との『2人の時間』を奪わないでぇ〜!!
「私も弟子にして下さい!!」
言った〜!この子言っちゃった〜!!
予感的中だし!悪い予感が的中しちゃったし!!
……あ、でも師匠の事だから、即答で『だが断る』って言うはず!!その後、私も強めに言えば諦めてくれるか「いいよ」はいそんな事無かった〜!なんで?!私の時は即断ったのに!!
「え?だって、ちゃんとお願いしてきたから」
私のはちゃんとしてなかったと?!……まぁ、してなかった気もしないでも……。
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
こうして、私に弟弟子が出来てしまいました。
紫「……」
霞「良かったな!弟弟子だぞ!あれ?この場合は妹弟子か?」
作「むっふっふっふっ。どうだ思い知ったか!」
紫「……師匠、作者さんとお話があるのですが、離れても宜しいですか?」
霞「ん?いいぞ?」
作「え?!」
紫「さ、作者さん。少しお話をしましょう?」
作「ゆ、紫ちゃん?それは笑顔じゃないよ?目が笑ってないよ?!ってか、ヤンデレっぽいよぉっ?!!」