霞「な、なんだよ……」
美「良くないことですか?」
作「……実は……この作品のサブタイトル。もうそろそろネタが無くなる」
霞「お前が考えもなしに『らしい』縛りをしたからだろ!!」
49話/神様がいっぱいらしい
数百年ぶり、……いやもっとか?
久しぶりに洩矢の地に降り立った。
昔と違い、ある程度文明は進んだらしいが、何処か懐かしい気もする。
相変わらず目立つ、馬鹿でかい神社を目指すと懐かしい神力を感じる。
「大きな神社ですね〜」
呑気な感想を零している美鈴は境内を見回しながら、そのどれもが物珍しいのかはしゃいでいる。こら、走ると転ぶぞ。
「おい、烏。ここの神も出雲に行くんだろ?」
「そりゃそうですがな。来てないんは創造神様だけでっせ?」
なら一緒に連れていくか。
「お〜い!神奈子〜!!ケロ子〜!!」
俺は大声で二人の名を叫ぶ。ちょっと張り切り過ぎたかな。建物自体が少し揺れていた。
「うるさぁあいっ!!」
「げふぅっ!!」
予想していた返事と、予想していない痛みが襲ってきた。久しぶりに脇腹を殴られたわ。
「……あれ?霞じゃないか!」
「お……おう、久しぶりだな」
俺は脇腹を抑えながら立ち上がると、いつまで経ってもちっこいままの諏訪子に挨拶する。ってか、その帽子はなんだ?昔はそんなの被ってなかったろ。
「久しぶりだね!なに?どうしたの?」
「いや、そろそろ出雲に行く時期なんだろ?俺も今回は顔を出そうと思ってな」
「…………あぁ!そう言えば、創造神だったね!!」
え?忘れられてるの?そんなに俺のキャラ薄い?
「んー。逆にその他が濃いから、薄れてくる」
「どういう意味だよ」
まったく。同じ神でも俺に対してこんな扱いをするのは諏訪子くらいだ。堅苦しくないから俺は楽だけど。
「……あれ?霞様?!」
そんな会話を諏訪子としていると、奥から神奈子も姿を現した。こっちはいつまで経っても堅苦しい言葉遣いが抜けないようだ。
「おー。神奈子も久しぶりだな」
「お久しぶりです」
まぁ、諏訪大戦の時にちょっとやらかしちゃったからな。その時のトラウマがあるんだろう。
「霞も出雲に行くんだって!」
「そうなのですか?」
「あぁ。それで少し頼みがあってな」
俺は会話に参加していない幼女2人を指さす。
「あの2人を帰ってくるまでここに置いて欲しいんだわ」
「……あの2人?妖怪ですよね」
流石に神奈子たちにはバレるか。
「アレでも俺の弟子と……なんだ、古い友人なんだ」
「妖怪の弟子とか……相変わらず自由だね」
そんなもんだろうか?別に神が妖怪を育てちゃいけない理由はないだろう。それが人を襲うためってんなら違うが。
「まぁ、ウチらもあの子1人は不安だったからね。ちょうど良いかも」
「あの子?」
「ど、どうも。東風谷真苗と申します」
緑色を基調とした巫女服の少女は、緊張しながらも丁寧に挨拶をした。
ってか、これは巫女服なの?パックリ脇が開いてるけど。
「……あ、あの。なにか失礼な事をしましたでしょうか?」
「ん?あぁ。いや、大丈夫だよ」
反応をしなかったのが、俺の怒りに触れたと思ったのか、若干青くなった顔で俺の方を伺う。そこまで怖いか?
「……神奈子様から神条様は恐ろしい方だと伺っていたもので……」
「こ、こら!真苗!!」
ほぅ、お前のせいか神奈子。
「だってあの時、本気で殺されると思ったんですよ!?霞様の神力はどうやっても太刀打ちできるものじゃないですし!!」
「まぁ、今はその力も少なくなったんだけどな」
「??どういう事?」
「コイツを封印する時に一悶着あってな。俺も巻き込まれた結果、神力をガッツリ持っていかれたんだ。霊力も半分になっちまうし」
「なら今の霞なら私でも勝てる?」
諏訪子は少し調子に乗っているようだ。
「出来ると思うならどうぞ?」
「……やっぱ辞めとく」
「そんじゃ、2人とも留守番よろしく。真苗ちゃんも、悪いが2人のこと頼むよ」
「はい!頑張りますっ!!」
なんか鼻息荒く、気合の入りすぎた返事だけど。余計に不安なのは俺だけか?
「姫咲、俺がいないからって暴れるなよ?」
「そんなことしないわよ。あなた以外とやってもつまんないし」
他人が聞けば良からぬ誤解を生みそうな答えに、苦笑いを返すしかない。
「それじゃ行きましょか。こっからなら3日もあれば着きますやろ」
どこに行っていたのか八咫烏が肩に降りてきた。
「3日?何言ってんだ?」
そう言うと俺は両手を合わせる。別にのんびり歩いていっても良いんだが、さっさと済ませたいからな。
「久しぶりに見た。霞のとんでも能力」
「なにそれ」
「こんな移動の仕方、霞位しか出来ないよ?」
あ、そうなの?弟子に同じような能力を持った奴が居たから、普通だと思ってたわ。
「さて、そんじゃ行こうか」
俺達3人と1羽はワームホールをくぐり抜けた。
くぐり抜けた瞬間。俺は出雲に来たことを後悔した。
「父上様〜!!」
「げふぅっ!!」
本日2度目の脇腹への激痛。もちろん、突っ込んできたのは天照なのだが。誰もこの奇行を止めないのか!?
「誰も止められませんよ」
あ、月夜見。ついこないだぶり!
「んー。父上様の匂いですー!!」
おい、匂いを嗅ぐな。こそばゆい。
そんで呆れた目で見てないで、コイツをひっぺがすのを手伝ってくれ、月夜見よ。
「申し訳ありませんが、それは出来ません」
「なんで?!」
「……先日、お父上は月にいらっしゃいましたよね?その事が天照に知られてしまいまして。何故か激怒されたんですよ」
「……はい?」
「だって!月夜見ばかりずるいじゃないですか!」
月夜見ばかり構ってもらって、自分は蔑ろにされていると?それで月夜見を怒ったと?
逆恨みも甚だしいな。
「それで、こんどお父上に会う際は、私は口出しをしないと約束をしてしまいまして」
「それって俺抜きでする約束?!」
つーかいい加減離れてくれ天照。
「いま、父上様エネルギーを補給中です」
「だから、そんなエネルギー枯渇してしまえ!!」
霞「俺、この章の間ずっとこんな扱い?」
天「嫌なんですか?」
霞「少なくとも離れては欲しい」
天「……やっぱり月夜見の方が良いんですね……」
霞「何この子怖い」
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