作「……やむを得ず」
諏「誰も期待してないよ」
か「そうだね」
作「あまりにも辛辣じゃない?!」
「集まりは悪いですが、実際はまだ集まるには早い時期ですから」
数人(この場合は数柱か?)しかいない広間に入ると、月夜見が言い訳するように言ってきた。一応最高神がこんな早くに来ていて、他の神が来ていないのを気まずく思ったのだろう。
「別に気にはしないさ。俺が早かっただけだろう?」
「そう言っていただけると助かります。なにせ、お父上の事ですから今回も来ていただけないと思ってましたし」
それは余りにも正直すぎる。
確かに、今までこういった集まりには不参加を決め込んでいたのは俺だが。ってか、案内とかも来なかったのだけど?
今回は八咫烏が来たから顔を出すことにしたわけだし、なんで誰も俺を呼ばなかったんだ?
「……お父上は決まったところに居ませんから」
「……その。なんだ、スマン」
日本どころか大陸まで足を運んでいたからなぁ。そりゃ使いの者も探すのに苦労するわな。
……あれ?でも天照は呼んだら直ぐに来たような。
「天照は別ですよ。お父上愛が異常ですから」
なにそれ、コイツには俺専用のレーダーでも付いてるの?標準装備なの?
ってか、それならコイツに居場所を聞けば良かっただろうに。
「私以外の者が父上様をお呼びする?そんな事を許すとでも?」
「それは権威的な意味でだよな?下級の神が俺に会うのを良しとしない。って意味だよな?!」
ほんと、ちょっと見ない間にこの子悪化してない?
「でも今回は烏を遣いに出したじゃないか」
「あぁ、ワイは天照様の直属の部下やからやないですか?それに見たとおり烏やし」
「うん。烏だからって理由は聞きたくない」
人形の神ならダメなの?
「やっぱり霞って凄い神様なんだね」
少し離れた場所で霞のやり取りを聞いていると、改めて感じてしまう。あの天照様や月夜見様と普通に会話してるし。むしろ2人の方が敬語を使う相手なんだと、驚く。
昔に霞の正体を聞いた時は半信半疑だったけれど、こうして見ると正真正銘創造神様なんだ。
「そりゃそうさ。なんたって創造神様なんだから」
隣の神奈子も呆れ半分で様子を見ている。あの御二方に、まるで友達、いや家族の様に接しているとは。今更だけどやっぱり敬語で話した方がいいのかな?
「お〜い、諏訪子、神奈子もこっち来いよ」
霞が私達を手招きしている。本来ならあの場に近づく事も畏れ多いのに。
でも、最高神の霞が呼んでいるんだから、逆に行かないと失礼?なんか色々と考え過ぎて頭痛くなりそう。
「……ほら、覚悟を決めて行くよ」
「え?あ、待ってよ!」
先に歩き出した神奈子を追って私も霞の元へ近寄る。うわぁ、この神力の中にはあんまり長く居たくないなぁ。
「久しぶりですね八坂神奈子、洩矢諏訪子も」
天照様が話しかけてくれた。いつもならウチらが話しかけてもらえるような立場じゃないのに。
……でも、いくら天照様でも、霞の腰に抱きついた状態で話すのはどうかと思いますよ?
「お久しぶりです」
「ど、どうもです」
「とりあえず、腹減ったからなんか食い物ないの?」
霞……、もうちょい空気を読んでくれないかな。一応厳かに挨拶をする感じだったのに。
「それならば直ぐにでも食事を用意をさせます!」
「いや、態々手間かけなくてもいいけど。外で食うとか」
「……お父上様。普通の神ならば、人間の地で人間の食物は口にしませんよ?」
「「え?そうなの?!」」
思わず霞と言葉が被ってしまう。え?だってウチ、普通に下町でご飯食べるよ?
「……洩矢諏訪子」
「ひっ……ゴメンナサイ」
「まぁまぁ、良いじゃないか。それだけ民に親しまれているんだから」
月夜見様に睨まれると生きた心地がしないよ。ここに霞が居なければ直ぐにでも逃げ出していたね。
「あぁ、いいや。俺が作ろう。いや、創ろう」
「なんで言い直したの?」
気にするなと霞は言うと、両手を合わせる。
次の瞬間出てきたのは、昔食べさせてもらったことのある『らぁめん』という料理だった。
あの時は霞が乗っている肉の説明に力が入っていて怖いって感想しかなかったんだけど、今思い出せばとても美味しかったような。
「ホントにお父上様はラーメンが好きですね」
「うむ。俺への奉納はラーメンで是非」
どうやってこれを納めればいいんだろ。出来上がったのを器に入れて?
人数分用意されたらぁめんを受け取ると、汁を啜ってみる。あ、やっぱり美味しい。
「父上様、あーん」
「……ナルトでも食ってろ」
「そんなの酷いってばよ!!」
天照様、楽しそうだなぁ。
「そう言えば、神社にはお戻りにならないのですか?」
ラーメンを食べ終わった頃、月夜見が聞いてきた。……俺?
「なにそれ。神社?」
「はい、お父上様が祀られている社です」
え?聞いてない。いつの間にオレの事祀ってんの?え?なにそれ。
「……もしかして、ご存知ないのですか?」
「……うん。全然知らない」
月夜見が話すには、数百年前、時の帝が社を建てたという。しかし、当時は仏教が一般的になっていた時で、都には建てられず、少し離れた場所に建てられているという。名前は……。
「博麗神社?」
「はい」
数百年前って言えば、俺が神子達とあった頃か?
…………アイツら勝手に祀ったな?!
せっかく仏教を広め易いように俺を祀るなと言ったのに。
「……その神社は何処にあるんだ?」
「あ、ならば私がご案内いたしま「天照!!」……なんですか、月夜見」
「貴女にはまだまだ仕事が残っているのですよ!?そんな暇はありません」
おぉ、月夜見が母親のようだ。むしろ龍神よりも見た目は母親なんじゃないか?
……そう言えば、転生してから初めて見たのは龍神だったな。
なんか今の幼女が集まる原因がそこにもある気がしてきた。
「八咫烏、神在月が終わったらご案内して差し上げて」
「了解ですわ」
器用に片羽を頭の位置に持っていき敬礼のポーズをとる烏。コイツ、見世物にしたら儲かるんじゃね?
そんな事を考えながら、出雲大社の最初の夜は更けていった。
作「いやー。天照は流石のファザコンだねー」
諏「ウチらもちょっと、反応に困るんだよね」
か「見ちゃいけないもの見てる気分だよ」
霞「それなら助けろ」
諏・か「それは無理(です)」
か「というか、なんで私だけセリフの前が『か』なんだい?」
作「だって、ここに居るの全員神様だから……」
か「……あぁ」
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