東方古神録   作:しおさば

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作「今回でこの章は最後!」

霞「本当だろうな」

夢「なんか、私にとんでもない事が起きる予感」

作・霞「気にするなっ!!」


55話/博麗の巫女、爆誕!!らしい

人里から少し離れた所にある、長い石造りの階段を登ると、それは厳かに建っている。

長い間手入れをされていないのか、雑草が伸びきっている境内には、所々廃れた箇所がある。

「ここが博麗神社です」

うん。わかってたけど、改めて言われると受け入れたくないなぁ。だって、一応コレが俺の社なんだよ?

神主や巫女の不在ってのは、こうも荒れ果てる結果となるのか。

「……私は、ここで見つけられました」

「なるほどね」

今では夢乃が雨宿りをするくらいにしか使われない神社。

なにはともあれ、まずはこの廃れ放題なのをなんとかしなきゃな。

「?なんでですか?」

夢乃は心底不思議そうに言う。そう言いつつも早速雑草を抜いているから、真面目ないい子だよ。

「んー?だって暫くはココに住むからな」

「ココに住むんですか?」

え?ダメなの?俺を祀ってるのに俺が住んじゃいけないの?

「ココに住むだなんて、まるでこの神社の神様みたいですね」

「え?そうだけど」

「……え?」

あれ?言ってなかった?

 

 

 

朝に到着したのに、手分けして雑草を処理し終わると、既に日は高い位置に登っていた。

「よし、境内はこれでいいだろ。あとは社をなんとかしなきゃなんだが……」

こればっかりは1日では修繕できない。なんせ木は所々腐っているし、床なんてまともに残っている部分の方が少ない。もう、建て直した方が早くないか?

ま、それも『人間が』やるなら時間がかかるってだけなんだが。

「そんじゃ、ちょいと神様らしい所を見せてやろうかね」

「ふぇ?」

俺は神力を1割開放して両手を合わせる。想像するのはこの廃れた神社の元々の姿。……内装は少し変えるか?

多少はいいんじゃ……ないか?知らんが。

「創造」

小さく呟いた瞬間、目の前が光で埋め尽くされる。

「きゃっ!」

なんとも可愛らしい叫び声が聞こえたが、多分夢乃だよな?声質が姫咲みたいだったけど、気のせいだよな。

光が晴れると、そこには新築と変わらない神社があった。

「……」

夢乃は開いた口が閉じないようで。なかなかに面白い顔をしている。ついでに言うと、何故か姫咲が顔を紅くしているが、そこには触れないでおこう。

「……ホントに神様なんですね」

「そうです。私がココの神様です」

とりあえず、神社に関しては住める環境を整えた。これで少なくとも管理する人間を見つけるだけになった。

「さて、少し遅いが昼飯にしよう」

既に神社の中を見て回っている美鈴と姫咲を呼んで、準備を始める。

驚いた事に夢乃は手先が器用で、特に料理の腕は弟子+αとは比べ物にならない。……特に姫咲のは酷かったからなぁ。俺が胃薬を創造してやらなきゃ、みんな2、3日トイレから離れられない結果になってた。思い出すだけでも腹が痛くなりそうだ。

「昔からなんです。いっつも考えた通りにならなくて、こうやって料理したら考えてた以上の出来になったり」

「は?」

なんだ自慢か?その自慢は姫咲にしか通用しないぞ?

でも、料理をしている途中で微かに夢乃から霊力を感じたから、もしかすると何か能力を持っているのかもしれない。

 

 

 

夢乃の頭に手を乗せて、夢乃の奥底をのぞき込むイメージをもつ。

深い海の中にゆっくりと沈み込んで行くと、どうも靄が掛かったようにハッキリ見えない部分がある。どうやらコレが夢乃の失われた記憶の部分なのだろう。俺は他人の心を読む能力なんて造ってないから、この靄を晴らす事はできない。

更に深く、10センチ先も見えないほどの暗闇まで潜ると、小さな灯りがフワフワと浮かんでは消えてを繰り返していた。まるで海を漂うクラゲのように1箇所に留まらず、掴みどころのない光だが、しっかりと主張するようにオレンジ色の光を灯している。

多分、コレが夢乃の能力の正体なんだろう。俺は両手で優しく捕まえると、脳裏にある一文が浮かぶ。

 

『予想を超える程度の能力』

 

……なんとも、巫山戯た能力だ。

これはそんじょそこらの神でも相手をするのは手こずるぞ。なんせ、相手の力をしっかりと把握さえしてしまえば、それを苦もなく超えてしまうのだから。

だが、良い事だけども言えない。戦闘中なんかに自分の勝ちを確信した瞬間、それを超えた結果が導き出されるのだから。簡単に言えば、へし折れないフラグを立てるわけだ。

夢乃が『やったか!?』なんて言おうものなら、無傷の敵が目の前に現れる事になる。

「……ふぅ」

俺は夢乃の海から浮かび上がると手を離す。

「どうでした?」

「んー。どうやら俺でも夢乃の記憶は取り戻せないようだ」

「……そうですか」

あからさまにガッカリした表情の夢乃。

そうだ、俺は夢乃の記憶を見るために潜ったんだった。途中で能力なんか見つけたからすっかり忘れてたが。

「でも、夢乃の能力がわかったぞ」

「私の能力ですか?」

 

 

 

それから数日、俺達は博麗神社でノンビリしていたが、そろそろ諏訪子達を迎えに行かなければ。

「でも、夢乃を1人にするのは不安だな」

いつかの真苗を残した諏訪子達の気持ちがよくわかる。

見た目中学生くらいの夢乃だが、中身はもう少し幼い。と言うよりも若干天然っぽいから、不安しかないんだよ。

「私だって留守番くらいできますよ!!」

あ、フラグが立った。

「どうせこの辺りは平和そのものですから、妖怪も来ませんし」

まだフラグ立てるの?

「なにも起こりませんよ」

はい、もうお腹いっぱいです。こんだけフラグビンビンにされたら、むしろ何も起こらない方が不思議だわ。

「……しょうがない。と、言うよりもこの方が効率が良いからな」

そう言って俺は、神力を開放し神様モードになる。

纏った神力は神社を囲み、厳かな空気になる。

「我、創造神としてこの者に言い渡す」

どうせコレも形式上の儀式なのだから、簡単に済ませよう。

「今日、この日をもって夢乃を博麗神社の巫女に任命する」

「……へ?」

はい、終了。どうせ暫くはココの住むつもりだったし、夢乃の面倒を見る事を考えたら、巫女にするのが手っ取り早い。これでも鍛えれば霊力もちゃんと扱えるだろうし。

「私が……巫女、ですか?」

「おぉ!おめでとうございます!!」

美鈴は嬉しそうに拍手なんかしている。一応言っとくけど、本来なら妖怪の天敵だからな?

「私が……巫女」

「なんだ、不安か?」

「いえ、そんなことは……」

夢乃はどこか考え込んでいる。

まぁ、いきなり『この神社の巫女になれ』って言われても、何をしたらいいのかとか、わからない事だらけだろうけど。その点は俺がサポートすりゃいいし。元よりココは自由の神の神社だ。妙なしきたりとか、枠に囚われずにやればいいさ。

そんな事を考えていたらが、どうやら夢乃は別だったようで。

「この神社の巫女、という事は……。これからはお賽銭で毎日ご飯が食べれるのですね!!」

どうやら不安よりも食欲の方が上らしい。

 

 

こうして、我が博麗神社に初代巫女、『博麗』夢乃が誕生したのだった。




霞「なんか最後、無理矢理まとめた感が半端ないな」

作「しょうがないのです。この後の予定がありますから」

夢「予定?」

作「多分、次回は閑話になりますね」

霞「……おい、さっき渡されたこの台本だけど、お前……」

作「それでは皆様!次回もお楽しみに!!」

霞「……ホントにこれ大丈夫なのか?」




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