東方古神録   作:しおさば

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作「はい、ってなわけで久しぶりの投稿!」

霞「なんか間が空いたな」

作「……実をいうと、この章はとても難しいのです」

霞「は?」

作「だって旧作とか、やってないし!!」

霞「なら書かなきゃいいだろ」

作「ふっ、甘いな。そんな妥協をして、私が満足するとでも?」

霞「いや、お前の満足感なんて知るかよ」


58話/創造神と創造神らしい

 

どうも。現在、異界で見つけた洋館を探索中の霞です。

赤い絨毯が敷かれた廊下を歩いているが、これだけ広かっただろうか。外観からはそんなに大きく見えなかったのだが、中に入ると廊下は何処までも続く。

「……これって、何かの術?」

「だろうな」

館内に入った瞬間から感じる、得体の知れない力はこの館全体に漂っていた。

クラシックな調度品に囲まれた館内は、清潔に保たれているようだが、その薄暗さから古びた雰囲気を醸し出していた。

「……厄介ね。壊す?」

「……面倒臭いしな」

かれこれ1時間程は歩いているぞ。もうそろそろ俺も姫咲も限界だ。……我慢のね。

姫咲は拳に妖力を溜める。辺りに漂う力を押しのけ、姫咲の力が空間を埋め尽くすと、亀裂が入り出した。

「ま、待って待って〜!壊さないで〜!!」

すると何処からか声が響いてきた。声質から女性の様だが、どこか幼いような。

「いい加減出てきなさい。コッチは歩き回ってイライラしてるのよ」

それは余りにも勝手な言い分だけどな。勝手に館に侵入して、勝手に疲れて、勝手に館を壊そうとする。うん、普通に考えたら理不尽の極みだ。

「わ、わかったわよ……」

そう言うと空間に光が走り、硝子のように砕け散る。おぉ、あんまり変わった感じはしないが、なるほど廊下の先が見えることから、どうやら変な術は解いたらしい。

「まったく。いきなり壊そうとしないでよね」

すると俺達の背後から先程の声が聞こえた。

「それはすまなか……あれ?」

振り返るがそこには誰もいない。また何かしてるのか?

「……もうちょい下」

「んぁ?…………おぉ!!」

言われたとおり目線を下げると、そこには1人の少女が立っていた。

不思議な模様の描かれた3対の紫色の羽をもち、水色の髪を頭の上で結んでいる。そこで結んでいるとアホ毛っぽく見えるぞ。

「で、貴方達は何者?一応、この館は私のものなんだけど」

「……そうか。俺は神条霞。コッチは鬼ヶ原姫咲。理由あってこの世界を調べていてな、あからさまに他とココが違うから、少し話を聞きたくて侵入した」

「……せめてもう少し申し訳なさそうにできないの?」

反省も後悔もしていない表情を向けると、ため息を吐かれる。

「まぁ良いわ。……どうせ貴方には何を言っても無駄なんでしょうし」

「あら、よくわかったわね」

「おいコラ姫咲。どういう意味だ」

どうやら自分の都合の悪いことは聞こえない耳をお持ちのようで、姫咲は顔を逸らしてしまう。

ほう、ならそんな耳は必要ないな。

「いたたたたっ!ご、ゴメンなさいって!!」

「……あのー、人の家でイチャつかないでくれる?」

 

 

 

「んで、君は何者でここはなんて世界で、なんで人が居ないんだ?」

俺達は応接室に通され、紅茶を振る舞われた。どうやら俺達が侵入して来たのを察知した少女が用意していたらしい。ならさっさと姿を見せてくれれば良いのに。

「私の名は『神綺』。一応この世界の神よ」

「……へぇ」

「あら、驚かないのね」

いやいや、十分驚いてるからね?こんな少女--と言うよりも幼女が神とは。

「見た目の事じゃなくて……。貴方の目の前にいるのは神よ?」

「別に、神様見るのは初めてじゃないしな」

なんせ毎日、鏡を覗けばそこには見慣れすぎた自分という神様の顔があるんだし。

「……なんなのよ、貴方達は」

「鬼です」

「創造神です」

「…………は?」

おや、どうやら鬼を見るのは初めてのようだ。

「……鬼ってそんなに珍しいかしら」

「どうだろう。この世界だとそうなんじゃないか?」

「いやいやいや、違くて。え、貴方が創造神なの?」

驚いたのは俺の方か。まぁ、いきなり創造神なんて言われても信じられないだろうけど。

「信じるわよ。そんな異常なまでの霊力をしてたら」

「あ、そう?」

「……一応これでも神ですから」

そんなもんだろうか。諏訪子や神奈子は霊力だけでは俺を神と感じなかったみたいだが。

「この世界にはない力だもの」

「……そう言えば、さっきから嫌という程感じるこの意味不明な力はなんだ?」

「あぁ、これ?これは『魔力』よ」

魔力とな?つまり魔法が使えるのか?なんと中二心を擽る響きなんだ。

「つまり、ここは魔界とでも?」

「あら、知ってたの?」

「……神綺はこの世界の神なんだよな?」

「えぇ。私はこの世界の創造神よ」

あ、それはそれは。創造神に出会うのは初めてだ。

「私もよ。貴方とは規模が違うけどね」

ん?ならなんでココには誰も居ないんだ?

姿はともかく、神の住む館に使用人の1人もいないってのは、明らかにおかしいだろう。

「…………のよ」

「え?」

「誰も私の言う事を聞かないのよ!」

……いや、そんな涙目で言われても。

「なんでなのよー。なんか勝手に外に出ちゃうし。よくわからない奴に魔界人達が連れていかれるし……」

集団誘拐か?

「なんか違うのよ。みんな『自分の意思』でついて行ったのよね。……私ってそんなに威厳無いかなぁ……」

少なくとも、泣きそうになっている今の姿には、威厳の『い』の字も無いがな。

「なるほど。外で暴れてるのは魔界人なんだな」

「え?外で暴れてる?」

俺は天照か、聞いた話をそのまま伝える。

外で魔界人が暴れていること、得体の知れない力を使う為に、外の人間ではまだ対処が難しいということ。海外では少なからず魔力を自分のモノにしている奴も居るみたいだが。

「なんか……ごめんなさいね」

「いや、まぁ。得体がしれないからどう対処すれば良いかわからなかっただけで、それが知れただけでも十分さ」

ってか、そうでも言わないと、この子ホントに泣くぞ。

俺には女の子を泣かせて喜ぶ趣味はないからな。…………うん、無い筈。

魔力に対抗する手段は、今後人間が考えるだろうし。俺としては、外の世界にどんな力が影響しているのか知れるだけで良かったし。

「今頃あの父親大好きな太陽神がなんとかしてるんじゃないかしら」

「……なにその聞き捨てならない神様」

 

 

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「さて、なんこあっという間に戻って来たわけだが」

「これって、私がついて行く必要あったのかしら」

魔界から戻り、数時間ぶりの空気を肺いっぱいに吸い込む。今更ながらに、魔界には瘴気が充満していたから、俺や姫咲くらいじゃないと恐らく無事では済まなかっただろう。

「それにしても、神社の裏山にはそんなに来ないが、随分好き勝手にされてるな」

「……なにが?」

今、帰ってきたばかりだが、ついでにもう1ヶ所寄る必要が出来た。

裏山にある小さな湖、そこから魔界と同じように異質な空間を感じる。どうやらアソコにもなにかあるようだ。

「ってなわけで、行きますかね」

「……だから、私が行く必要はあるの?」

 

 

 

澄んだ水面が優しく揺れる湖に着くと、流れる雲と溢れんばかりに注ぐ太陽の光が、眠気を誘うほど長閑な風景で、一瞬目的を忘れそうになる。

今度夢乃を連れてピクニックにでも来るか。

「……さて、入口は何処だろうかね」

「……ねぇ、何この格好」

俺の後ろでは肩を震わせ声色は怒っているのに、その表情は紅く染まり涙目になっている姫咲がいる。

「だって、湖の中に入るから。濡れても平気な服を造ってやったのだよ」

「普通に考えれば、いつもの服に保護を掛ければいいだけじゃない?!」

紺色のスクール水着に身を包んだ姫咲は、その体型からどう見ても小学生にしか見えない。

「なんなのよこの服!動きやすいけど布地は少ないし!なんか恥ずかしいんだけど!?」

「気にするな。似合ってるぞ」

「笑いながら言うな!!」

 

 

湖の中心辺りまで進むと、ちょうど真下に空間の切れ目が見て取れた。どうやらこれが入口らしい。

「ほら、潜らないとダメだろう?」

「……もう、どうでもいい」

からかいすぎたか?姫咲の目が死んだ魚のようになっている。

「はいはい。行くぞー」

「物言わぬ貝になりたい」

ならどちらにしろ水の中に潜らなきゃな。

水に身を沈めると、澄み切っているお陰で底まで見える。

そんな事を思っていたら、空間の切れ目が目の前に迫る。

普通ならここまで来る人間も居ないだろうし、特に結界も張られていないようだ。

足を踏み入れると、湖の中だった筈なのに、そこには大地が広がり、花が咲き誇っていた。

「あら、綺麗なところね」

復活した姫咲は一面の花畑を目にして、素直な感想を漏らす。

色とりどりの花に埋め尽くされ、間にある1本の歩道を進むと様々な花の香りが漂ってきた。

「……そんで、また洋館か」

「もう見飽きたわ」

辺りの雰囲気からしたら異様な造りの洋館が、歩道の先にあった。魔界の神綺が住む館とはまた違って、今度はちゃんと人が住んでいるようだ。

現に、門の前には誰か立ってるし。

「あら、珍しい。迷い込んだのかしら?」

金髪に大きな鎌を担いだ少女が話しかけてきた。どうやら門番らしい。

「いや、この世界に興味があってね。ちょっとおじゃましているよ」

「ならそろそろ帰った方がいいわよ?怪我はしたくないでしょ?」

「ふむ。確かに怪我はしたくないな」

「あら、なら簡単な事じゃない」

珍しく姫咲が会話に入ってくる。こういった駆け引き的な会話には、普段から関わらないようにしているのに。

「怪我なんてしないほど圧倒的に倒せば良いだけよ」

……うん。イライラが限界なようだね。魔界でも暴れられると思っていたのに期待はずれで、更にはスク水なんて着させられて、ココでも進まない会話を聞かされる。そりゃ怒るわ。

「原因の一つは貴方よ?」

「反省も後悔もしていない」

「……あ、あのー。それで帰るの?帰らないの?」

大鎌の少女はコチラの空気にすっかり飲まれてしまっていた。もっとしっかりしないと、門番は務まらないぞ?

「それを貴方が言うのね……」

そう言いつつも鎌を構える。……ダジャレじゃないぞ?

「……なら俺は先に行ってるから、終わったら来いよ?」

「え、ちょっと!!」

「構わないわ。1分で終わらせるから」

 

「いや、だから!勝手に入るなー!!」

 




作「ってなわけで神綺ちゃん登場でした」

霞「神綺って、幼女だったっけ?」

作「そこは……ほら、二次創作なので」

霞「それで良いのか……」



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