インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~ 作:たちゅや
四月中旬。
クラス代表決定戦や一夏クラス代表就任パーティーなど、最初から一年一組にはイベントが盛りだくさんだったが、授業の方もISを使っての実技が始まっていた。
今は武装展開の実技中だ。
熟練の操縦者は0.五秒で展開できるらしいが、まだまだ彼らはその域までは達していない。
龍也は特に考える事もなく、いつもの愛刀である日本刀を右手に抜刀して展開。
オルコットも銃口を前方に向け、セフティを解除し構え即座に射撃体勢に移れる状態で展開していた。
「秋野もオルコットも一秒か。これからの訓練でまだまだ早くなるな。――織斑、早く武装を展開しろ」
そんな中で一夏だけは時間がかかっていた。
自由自在に展開できるようにはなっていたが、イメージを構築するのに時間がかかっているのだ。
まぁ、日常生活で手に剣が現れるようなイメージは普通の人ならしないだろう。
集中。突き出した右手には物を斬る刃が。そう、鋭い刃を備えた一刀にして最強の武器。
光の奔流が走り、手の中には雪片二型が握られていた。
「遅い。二人を見習い精進しろ」
はは、厳しいなぁ千冬姉は。褒めてくれてもいいのに。
「織斑、褒められたかったらもっと成果を出せるようにしろ」
「……了解です」
心さえ読むんですか、千冬姉。
そんな光景を微笑ましく見ているのは龍也だった。
バーゼラルドは全身装甲で頭部まで装甲で覆われているので、彼の表情は皆には分らないので知られることは無いが。
身内だから褒めるのも難しいんだよな。
瞬間、右手の刀で防御態勢を取った。
来るのは金属と金属がぶつかる音と衝撃。
「……秋野、今、私に対して失礼な事を考えなかったか?」
織斑先生がIS用の剣をいつの間にか持っており、こちらに振っていたのだ。
「……いえ、そんなことは考えてないんですが。むしろ、織斑先生。いつの間に武器を持っていたんですか」
手に感じた衝撃はIS同士での模擬戦でのものだった。
さすがはブリュンヒルデ――なのだろうか。ここの教員が全員この人レベルなら恐ろしい。
●
というような授業が毎日行われている中、転校生がやってくる噂話が最近よく聞かれていた。
中国、フランス、ロシア、アメリカ等々。一夏と龍也という男性操縦者が現れたことにより、様々なデータが欲しくて、各国が動き出していたのだ。
放課後の食堂で優雅にお茶をしながら龍也とオルコット、一夏に篠ノ之がこの話題で話していた。
「ふぅん、どの国も俺たちのデータが欲しくて躍起になっているんだな。オルコット嬢も政府からはそういう話はあるのかい?」
「えぇ、隙あらばと言われていますわ。ま、わたくしはそんな事するつもりはありませんが」
一夏がジュースを一口付けて、
「セシリアさ、そういう事を言っても大丈夫なのか?」
「大丈夫ですわ。一夏さんのデータだけお渡ししますので」
がくっ、と態勢を崩す一夏。
「セシリア!一夏は良いとはどういうことだ!?」
何故か篠ノ之が怒っているが、オルコットは涼しい顔で答える。
「う・そ・ですわ。そんな事してはあの時、助けて頂いた恩を仇で返すことになりますわ。政府もその事は分っていますので、無茶をいうのは女性権利団体だけです」
あの時、というのは一年前に起きたテロ事件の事だろう。
「でも、俺も一夏も気を付けないといけない。これからはハニートラップも増えてくるだろうし」
まさか、と一夏は笑っているが、篠ノ之の表情が強張っていた。
「どうした篠ノ之、気分が悪いのか?」
「……龍也の話を聞いてて思ったんだが、最近、一夏の周りに上級生達が寄ってくるのが多くなってきていた。まさか……」
「あぁ、だとしたらその可能性はありますわね」
そう言うオルコットは篠ノ之に小声で、あなたが頑張って守ってあげて下さいましね。と囁いていた。
「な、な、何を言うか!?」
顔をリンゴのように真っ赤にする篠ノ之に、男二人は?を浮かべていた。
●
同時刻、IS学園正門。
ボストンバックを持った小柄な少女が佇んでいた。
「ここがIS学園かぁ……」
黒髪を左右の高い位置で結んだ彼女は一体、どの国からの刺客なのだろうか。
よっしゃー!次の話こそはみんなでの訓練話やんぞおおおおっ!
バーゼラルドをもっと動かすぞおおおおっ!!
直近では月面側のFAがでるぞおおおっ!!