インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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筆が……筆が走らないんです……


十二話

 ブキヤ研究室。

 ここでは龍也が考案したフレームアームズのIS化について開発と研究が行われていた。

 今日も幾人かのスタッフが彼から送られてきたバーゼラルドのデータを見ながら解析作業や新しい兵装の開発を行っていた。

 

「あー龍也君ってさ、被弾率少ないのにゼルフィカールのような強化装甲を欲しがるよね」

 

「いやいや男ならあのギミックは欲しいだろ。俺も実際にプラモデルのゼルフィカールを組んだけど、あれは良いっ! 」

 

「ブラストシールドだっけ? 浪漫とか言ってたなぁ。俺はどっちかというとドリルに憧れるんだが……」

 

「天元突破でもしたいのか? 一応、M.S.Gにはドリルがあってだな。それも彼からは実用化の打診を受けているよ。ね、アキさん! 」

 

「ああ、そうだ。こっちで今、データを作成中だ。それより、お前たちは新しい機体の調整をやれって言ってあっただろ。どうなってんだ? 」

 

 二人のスタッフのPCには一機のISのデータが表示されていた。

 そう、これがフレームアームズIS化の第二弾となる機体。

 

 その名は。

 

 フレームアームズガール フレズヴェルク。

 

 フレームアームズガールだって正しくフレームアームズの製品だ。

 考えてもみたまえ。これもISだ、と知らない人間に聞けば信じるだろう。無茶苦茶? 道理は捻じ曲げて通す。

 

 と、まぁ戯言はほどほどに。

 

「バッチリですよアキさん。龍也君の伝手で代表クラスのIS操縦者が付き合ってくれてましたからね。ただ、サイドワインダーは必要なのか、と問われましたね」

 

「……そうだな、でも、アレは必要だ。彼の話だとこの先、ISを使った戦闘も増えてくるだろうしな」

 

 アキは龍也とIS学園入学前にした会話を思い出していた。

 

 龍也はバーゼラルドを眺めながらアキさんと話をしていた。

 

「アキさん、篠ノ之 束はISをどうして本来の目的に使わないんでしょうね」

 

 本来の目的。

 当初、彼女は宇宙空間での活動を想定して作っていた。

だが、白騎士事件によって兵器としての価値が見出され各国はそれにしか目が行かなくなってしまった。同時に、彼女もコアの製造を打ち切り表舞台から姿を消した。

 

「龍也君はどうして、そんな事を考えるんだい? 」

 

「だって、彼女はISを兵器として扱って欲しいとは思っていないですよね。周辺の人々は違う面にばかり気がいっている。もし、俺が生みの親なら認めたくないし、一人でも本来の目的を達成させようと動こうと思います。だから、思うんですよ。間違った使い方をしている世界を放置している訳を。正しく扱って欲しいように導かないのか、と」

 

 では、龍也はどうなのか。

 ISを兵器としか見ていないのではないか。

 

 否。違う。

 

「まぁ、バーゼラルドっていう兵器を再現したくてISを用いた俺が言えることではありませんけどね」

 

「ふむ。でも、君はそれだけではないんだろ? 」

 

 アキは続きを促した。

 

「さぁ、どうでしょう? どうなってもISは武力として使われてしまいます。それを解放してやるには、彼女自身が動かなければならない、とは思いますよ」

 

「そうか……」

 

「きっと、彼女は動くと思います。それがどんな方法かは分りませんが」

 

 ただ、武力での実力行使という手段で無い事を願うばかりです、と彼は最後に言っていた。

 この言葉と先日のハッキング事件。繋げたくはないが勘ぐってしまう。

 アキはPCの隣に置いてあるタブレットを取りデータを見る。情報元は不明だが、亡霊機業が水面下で動いている、という物だ。噂くらいは龍也から聞いたことのある組織名だった。何十年も活動しており、いつから存在するのか、その目的は、誰が所属しているのか、謎である。

 しかし、政府は知っており、龍也に調査を依頼しており、現在もその任務を遂行中である、という事をブキヤに所属する際に聞いている。

 勿論、この事を口外するならどうなっても知らない、という規約を結んでの話だが。

 この組織と篠ノ之博士が繋がっているとしたらとんでもない事になってしまう。

 

「杞憂ですめばいいんだがな……さ、お仕事お仕事。俺も新しいM.S.Gの承認とバーゼラルドの強化プランについて、上層部との交渉に行ってくるから、お前たちは調整の方を続けてやっておいてくれよ?」

 

「了解っ‼! 」

 

 

 

 

 同時刻。IS学園では龍也達の訓練が終わった頃であった。

 解散の流れだった時に、観客席から声がかかった。

 

「へー、あんたって結構、強いんだね」

 

 それが誰に向けての言葉かすぐに判った。

 龍也は声のする方に目をやり、応答した。

 

「いやいや、日頃の鍛練の賜物さ、凰さん」

 

 彼女はふーん、と言いながら言葉を続けた。

 

「いやね、政府から言われてんのよ。一夏と秋野の強さを見てこいってね。特に、秋野。あんたには稽古もつけてもらって来い、って言われてんのよ」

 

 その言葉に龍也以外が驚いていた。

 

「おい、龍也。お前」

 

「一夏、それ以上は聞かないでくれ。俺は頭が痛い」

 

 こめかみを抑えながら龍也は唸りだした。

 中国政府め、やってくれたな。次に仕事の依頼が来たら倍額請求だっ。

これも彼がやってきた仕事の結果であった。

 

 一夏は単純に凄いなぁ、としか思っていないが、篠ノ之とオルコットは違った。

 やはり秋野はただ者ではない。きっと何か秘密があるな。

 さすがは龍也さん。既に中国政府からも実力を認められているなんて。これは早くイギリス政府に打診しなくては。

 

「ところで、鈴。そんな事を俺達に言っても大丈夫なのか?」

 

「はぁ、いいのいいの。私はそういう政治的な事って苦手だしね。もっと物事は単純明快がいいわ」

 

「ふーん、だってさ龍也。どうするんだ?」

 

 一夏は未だに唸っている龍也に声をかける。

 

「どうってなぁ……。凰さんはこんな実力も分らない輩に稽古とかいう話はどう思ったんだい?」

 

 そんなの決まってるでしょ? とやれやれ、といった身振りをしてから、

 

「正直、あり得ないわね。だって、あんたはまだ稼働時間が二百時間にも達してない。私は代表候補生よ? ISでの実力でいうなら私の方が上なのよ?」

 

 そう言ってから彼女の目が変わった。

 先ほどまでは、こちらを伺う様な物だったが、獲物を見つけた狩人の眼になっていた。

 

 あ、やばい。絶対、次の言葉は聞きたくない。

 

 耳をとっさに塞ごうとするが遅かった。

 

「でも、今の訓練を見ててあんたと戦ってみたくなったわ」

 

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