インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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師走が近づき、社会人の皆さんは忙しさが増してくる頃かと思います。
かくいう私も忘年会という厄介行事などが舞い込んで、てんてこ舞いでございます。



十五話

 食堂に着くとオルコットと篠ノ之が席を取り、二人が来るのを待っていた。

 

「悪い、待たせたかな二人とも」

 

 龍也が手を振り、一夏も待たせたな、と声をかけた。

 

「いえ、箒さんとお話ししながらでしたので、あまり待った気はしませんわ。では、メニューを決めに行きましょう」

 

 オルコットが立ち上がり、食券を買いに向かう。三人もそれに続いた。

 

 時刻は十八時半を過ぎ、他にも夕食を食べている生徒はいたが数は少なかった。

 だが、もう少しすれば込み合ってくるため早々にメニューを決める事にした。

 たくさんのメニューがあったが、割と早くにそれぞれが料理を頼み再び席に着き食事を始めた。

 

「いつも思うんだけど、ココって食材にも金をかけすぎだよな」

 

「一夏もそう思うか? 凄いよなぁ。オルコット嬢はここの食事ってどうなの?」

 

「そうですわね。色々な国の方々が来られてますがそれらの人の舌を満足させていますからね、感心しますわ。もちろん、ワタクシも十分満足しておりますわ」

 

「うむ。作ってくれた人達に感謝しながら食べないといけないな」

 

 箒の意見に頷き、食事を続ける三人。

 楽しい食事の内容はだんだんと今日の訓練の話に代わっていった。

 

「さて、一夏君。君には明日から我がクラスに勝利もたらす為に特別内容を実施しようと思う」

 

 急に龍也がキリッと硬い口調で話すのに一夏はえっ、という顔をするが言われた内容を認識すると驚き慌てた。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ。龍也、特別内容って何だよ⁉ 」

 

「……なぁセシリア。クラス対抗戦って勝つと何かあるのか?」

 

「えーと、確か食堂のデザート一年間無料券が貰えるとか……」

 

「そう! デザート一年間無料券の為に! 一夏よ、お前は勝たねばならんのだ!」

 

 妙に龍也がイキイキと話すので三人はこんなキャラか? と疑いたくなるくらいだった。

 

「ふふふ、実は俺は甘い物に目がなくてな。既にこの食堂のデザートはコンプリート済みだ……。そして、ここのは何度食べても飽きない。素晴らしいっ」

 

 両手を天に掲げ、彼は一人熱烈に語り始めた。

 もはや三人はついていけず、しばらく語るままに任せた。

 

 ……数十分が経過した後、ようやく落ち着いたのかふぅ、と一息つき話を続けた。

 

「と、まぁとにかく一夏は明日から俺の扱きに耐え成長してもらうぞ」

 

 少なくとも俺とフルタイムの試合をして生き残れるくらいには、と付け加えた事に一夏は絶句した。

 今日までの訓練で一夏が龍也と戦ってもった時間は十分強。

 フルタイムの試合ともなれば、その倍以上はあるわけだが……。

 

 えーと、確か今日やった俺と龍也の訓練内容は……。ひたすら俺が全力の実戦方式を数本。

 しかも、数分で叩きのめされる、という悲しい現実しかなかった。

 それをフルタイムの試合で生き残れるくらいになるまで、と言われるとどんな内容になるのか想像するだけで青ざめてきた。

 

「お、おい大丈夫か一夏 ⁉ 顔色が悪いぞ!」

 

 対面にいた篠ノ之が一夏に近づき様子を伺った。

 オルコットも龍也の訓練内容を思い起こしてみたが、実戦での教導だったので辛さはよく分かった。それでも、本国での訓練よりも濃い内容だったので本心としては良かったと考えている。

 

 ですが、あれは候補生のワタクシでも少々きつい内容でしたのに……。アレよりも濃いのになるとは、ご愁傷さまです。

 

「大丈夫だ、一夏。何もお前一人だけじゃない。篠ノ之もオルコット嬢にも同じメニューをこなしてもらうから」

 

 龍也の一言に篠ノ之もオルコットも氷のように固まった。

 

「ん? まさか自分たちは関係ないと思った? 残念。二人とももっと強くなってもらうぞ」

 

 その表情はとても悪い顔をしていた。三人とも表情が青ざめたままだった。

 中でも一番回復が早かったのがオルコットだった。

 

「え、えっと龍也さん、今は一夏さんを中心に訓練なさる方が良いんじゃないんでしょうか。ほら、もうクラス対抗戦まであまり時間もありませんし」

 

 それに続けて篠ノ之が回復したのか追従する。

 

「ま、まぁ私たちも秋野の訓練は為になるから受けたいが、まずは一夏に勝ってもらわなくてはならないからな。そういうことだから一夏“だけ”にした方がいいと言うセシリアに賛成だ!」

 

 二人とも冷や汗をかきながら、龍也を説得しようと試みるが、生憎と彼には見え透いた嘘と悟られていた。

 

「ほう……二人とも殊勝な心掛けだと思うが、一つ考えてみてくれ。俺は明日から一夏に相当な訓練を施す。少なくとも、クラス対抗戦の頃にはこの学年にいる代表候補生並みには強くなるんじゃないか? 否、必ず強くする。そうなると、どうだ? お前たちは一夏に後れを取ることになるぞ」

 

 簡単に言うと俺の訓練を受けた一夏はお前たちよりも強くなっちゃうけどいいんだよな?

 ということだった。

 そう聞くと彼女達も顔色が変わる。

 

 龍也さんの訓練を受けた一夏さんがワタクシと同じかそれよりも強くなる。

 一夏が秋野の訓練を受ければ、私よりもセシリアよりも強くなる。

 

 龍也の事を二人はIS初心者等とは思っていない。代表並みの実力者と認識していた。

 ならば、と。

 

「や、やっぱりそのお話し、受けさせていただきますわ。ね、箒さん」

 

「あぁ、セシリアと同じだ。秋野――いや、龍也。お前の訓練、受けて立とう」

 

 二人の眼は燃え上がっていた。龍也はそれを見て、ニヤリと笑い、

 

「よく言った! おい、一夏、良かったな。彼女達も一緒にやってくれるって! 張り合いが出てくるだろう?」

 

 一夏の背中をバシバシと叩きながら彼は笑っていた。代わりに一夏は正気を取り戻し、強くなれるのはいいが、とんでもない奴に頼んだ、と若干の後悔をするのであった。

 




というわけで、一夏君強化イベントその壱を次回より行っていきたいと思います。

原作ではクラス対抗戦がいつ頃か覚えてませんが、
その辺りは改変して、期間を変えてお送りしていきます。

さぁて、どういう一夏君にしようかなー
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