インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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酒の勢いだけで書いた。
よく考えていない。気にするな。


十六話

 龍也は自室で明日から行う超強化訓練のセッティングを作成していた。

 今まで行っていた訓練でも当面は良いが、より短期間での成長を狙いたい。だが、放課後のアリーナも長時間使用することは出来ない。

 では、どうするか。

 だから龍也は一考し、結論を出した。それが目の前にあるヘッドディスプレイ搭載型のVRデバイスだった。これは、彼にIS適性が見つかってからブキヤでの実機以外での訓練に用いたものだ。

 後に、バーゼラルドに組み込まれたがそれ以前はこのようなデバイスで行ったりしていた。

 このVRデバイスは意識を仮想空間に送り、そこに生成された場所でデータ化されたISを纏い訓練を行うというものだ。

 

 仮想空間では時間の流れが違い、現実時間の三分の一に設定される。なので、通常の三倍の訓練をしても大丈夫なのだ(その理論はおかしい)。

 訓練相手にはデータさえ入力すれば架空の存在ですら相手にすることができる。

 龍也はこの機能のおかげで様々な強豪と戦い、実力をつけたのだ。

 

「さて、俺が訓練時に使っていたデータは抜き終わったから明日は各自のISにインストールすればOKだな」

 

 既に関係各所には許可をもらってある。勝手に専用機を弄るのはダメだからね。もっとも、是非ともやってくれ! という声をもらったのだがね。

 篠ノ之だけ専用機が無く打鉄もずっと借りることは出来ない為、このVRデバイスを使ってもらう。

 

さぁ、もう少しだけメンテナンスをしておこう。

 ついでに訓練相手には……この辺りとあの辺りを……。

 

 デバイスに繋いだキーボードを叩きながら思いつく限りの仮想敵のデータを入力していく。

 入力しているデータを見ているとついニヤニヤしてしまう。

 ふふふ、明日はあの三人、絶対に泣くな。うん、おもしろそうだ。

 

 

 

 

 翌日の放課後。いつもならアリーナでの訓練だが、VR訓練を行う為に今日は整備室にいた。

 一夏とオルコット嬢には待機状態のISに昨晩、作成したデータ等をインストールしていく。篠ノ之には龍也がかつて使用していたVRデバイスを貸し、設定をし直してもらっていた。

 

「どんな訓練になるんだろうな」

 

「そうですわね。龍也さんが行っていた訓練ですから厳しそうな感じですわ」

 

 数分もすれば作業が終わり、説明が始まる。

 

「それじゃあVR訓練の説明を行うぞ。篠ノ之はそのVRデバイスを着けてくれ。さ、一夏とオルコット嬢はISを展開して、コマンドVRを起動してみてくれ。篠ノ之は画面に説明が出ているな?」

 

 言われたとおりに二人はISを展開し、新しく追加されたVRを起動させた。

 

「お。龍也、フィールドの選択と敵機の戦闘タイプが表示されたぞ」

 

「ああ、フィールドは好きなのを選ぶといい。戦闘タイプは、一夏はオールラウンドを。オルコット嬢と篠ノ之は中距離タイプをそれぞれ選んでくれ」

 

 三人が選択したのを確認してから更に続ける。

 

「ようし、そうしたら訓練スタートというアイコンが目の前に出ているな? おっと、まだ押すなよ? そのアイコンを押すと三人の意識は仮想空間に生成されたフィールドに飛ぶ。そこでは先ほど選択したタイプの敵がお前たちを襲ってくるから、頑張って倒してくれ」

 

「なぁ、これ俺達は自分のISを装着した状態で戦うんだよな?」

 

「そうだ。篠ノ之は俺が訓練に使っていた時の機体で設定してある。あと、三人の状況はモニターで確認してるから、問題があればこちらからログアウトさせるので存分に訓練に集中してくれ」

 

 問題があれば、という事に酷く不安になる三人だがなる様になれ! と訓練をスタートさせた。

 龍也が手元のモニターで三人の状況を見ていく。

 

「うん、問題なく始まったな。さぁ、ここからが地獄の始まりだぞ」

 

 ニヤニヤしながらまずは一夏から見ていくか。

 

 

 一夏は広大な砂漠で佇んでいた。

 VR系のゲームは多少やったことがあったので違和感はあまりなかったが、気温や湿度、体にかかる重力。白式を動かす、という感覚は実機と変わらないことに驚いていた。

 

 凄いなぁ……。でも、どんなISが相手なんだろうな。

 オールラウンドタイプのISって言えば何があるんだろう。やば、もっと勉強しておけばよかったか?

 

 などと彼は考えていたがこれは杞憂に終わる。

 訓練が終わってから抗議を入れたが、龍也は『誰もISが相手なんて言ってないだろ? 』とケロッとした顔で言うのだった。

 

 その時、目の前に轟音が響き、砂煙が起こった。

 何かが上空から着地したようだ。ハイパーセンサーでは熱量のある物体がいる、というのが分り、臨戦態勢を取る。

 砂煙が晴れ、眼前に現れた敵を見てハァ? となった。

 

 鋼の体にエメラルドグリーンに煌めくセンサーパーツ。

 半身をマントのような物で覆ったソイツは右手に連結式のバズーカを持っていた。両肩にはブースターのような物が見て取れ、高機動型のような気がした。

 

 はい、そうです。一夏の相手はISではなく、FAだったのです。

 

「ちょ、完全に龍也の趣味じゃねぇか!」

 

 思わず叫ぶ一夏に、敵FA――三二式伍型 漸雷強襲装備型、以降、漸雷が反応し右手のライドカノンを放つ。

 

 すぐさま回避するが漸雷は既に第二射、第三射を放っていた。

 距離を取るべきか、詰めるべきか。一瞬の思考。

 一夏は詰める方を選んだ。雪片を構え直し、漸雷へと向かう。

 

 現世代の中でもトップクラスの速度を持つ白式であれば、相手の懐に飛び込むことなど造作も無い事である。

 ただし、担い手が熟練者であればこそだが。

 一夏は瞬時加速で一気に詰め寄るが、漸雷も両肩のエクステンドブースターを吹かし瞬時加速並みの速度で後退。ついでにライドカノンを放つという徹底ぶりだ。

 

 遠距離戦になると分が悪くなるのが白式の難点である。拡張領域のソースが零落白夜によって潰されており、追加武装ができず雪片二型だけなのが辛い所だ。

 

 龍也ならきっとこの武装だけでも十二分に戦い勝利するんだろうなッ! 悔しいがそこまでの力量は俺にはない。だったら、どうすればこいつの懐に潜りこんで斬れる ⁉

 

 前進すればその分、下がられる。相手はこちらの苦手な遠距離が得意な機体。どう攻略すべきか思考する。

 ライドカノンから放たれる攻撃を龍也がしていた避け方を思い出しながら、円運動で避け、左右に動き射線をずらす。仮想空間だと、VRだと思っていたが白式は現実と同じように反応してくれていた。

 それでも被弾することはあったが、致命傷には至っていない。まだまだSEもある。

 単純に考えるなら、下がられる分さえも詰めるくらいに速度を上げて接近し叩き斬れば終わりだ。

 

「瞬時加速だけじゃ足りないっ! もうあと一手、足らない!」

 

 何度も瞬時加速を行ってはいるが、漸雷も負けずに同様の速さで下がり一定の距離をとるのだ。

 このままでは、いずれ瞬時加速だけで自身のSEが枯渇して負けてしまう。そんな負け方をした日には龍也に何を言われるか分らない。

 ええい、ブースターが一杯あるなら同じ数だけ加速出来たらいいのに!

 ふと、そんな考えがよぎるが、龍也も瞬時加速を連続でやっていたことを思い出した。あの時は凄すぎてよく分からなかったが、今なら少しだけ分る気がする。

 

「もしかして、龍也はブースターを個別に操作していた?」

 

 だとすれば、まだまだ至らない自分にも同じことは出来るかもしれない。とにかく、試そう、と一夏は白式のブースターに注意を向けた。

 あれ? 白式ってブースターが二つしかない? うーん、まぁ物は試しにやるか!

 漸雷の攻撃を避けながら、マニュアル操作で片方のブースターを止める。さてさて、どうなるか。賢明なというよりは、普通気づくのだが、二つのブースターでバランスを取り、前面に押していたのだからどうなるか、一目瞭然である。

 

「いっくぜええっ‼! って、うおおおおおおっ‼ 」

 

 思いっきりバランスを崩し、地面に激突であった。

 体勢を崩した白式に狙い目だと判断した漸雷が全速力でライドカノンを放ちながら接近する。

 崩れたままの一夏は体を起こそうとするが、ライドカノンの集中砲火を受け倒れたままだった。

 立ち上がれない白式に近づき砲撃をやめる漸雷。白式は未だに立ち上がらない。

チャンスと左手に大型のナイフ、タクティカルナイフを握り、とどめを刺すべく振りかぶった。

 その瞬間だ。

 

「うおおおおおおおおっりゃあああああっ ‼ 」

 

 一夏が咆哮をあげながら立ち上がり、零落白夜を発動させた雪片二型で漸雷を突き刺した。

 胴体を貫かれた漸雷は痛みを訴えるかのようにセンサーパーツが点滅を繰り返す。

 

「はぁはぁ、詰めれないなら、そっちから来てもらう方が好都合……というのは、怪我の功名かな? ともかく、射程に捉えたぜ!」

 

 今度はこちらが反撃だ、と雪片二型を漸雷から抜き、続けざまに袈裟切り、返す刃でさらに斬撃を放つ。

 しかし、刺されたとはいえ未だに戦えるのか、ライドカノンをパージし、タクティカルナイフを右手にも持ち左右のナイフで器用に白式の攻撃を受け流す。

 

「接近戦もできるか!」

 

 オールラウンドタイプという設定でこの漸雷が現れたことを考えれば、できて当然と言えるか。となると、さっきの一撃で決めれなかったのは悔しいな。

 

 渾身の一撃だった為にショックは大きいがその前にもっと気づくべきことが一夏にはあった。

 ただでさえ、瞬時加速という移動方法はSEを消費する。それを何度使用したか。加えて、ライドカノンの集中砲火を受け、あまつさえ零落白夜まで使った。

 さー、白式の残りSEはいくつかな?

 まだまだその辺の管理は一夏にはちゃんとできていないのであった。

 エネルギー管理ができていない彼は再び零落白夜を使おうとし、SEが切れて訓練終了の文字が表示された。

 

「……またやってしまったか」

 

 エネルギー管理が難しい白式を扱うには、どの手段も突き詰めていかないと無駄に消費するだけになってしまう。

 それが大きな課題でもあるのだが。

 

 しかし、まだ仮想空間からログアウトすることはなかった。

 

「あれ?龍也、これで訓練は終わりじゃないのか?」

 

 そう問いかけるが、返される答えは非情であった。

 

『一戦目はね。すぐさまに修理も終わりSEは補給されるし、相手の損傷も回復と今の訓練のデータを元に行動パターンが少し変わって、二戦目が始まるぜ』

 

「は?」

 

『とりあえず、今日は漸雷の耐久力を半分以下にしような。ちなみに、さっきのでまだ四分の一減っただけだからな! 頑張ってくれよ~』

 

 えー……と、確かに今、エネルギー容量を見ると満タンになってるし、何だか目の前には10カウントが始まっていた。

 あれだけ苦労してダメージを与えたと思ったらまだ四分の一だけとか。

 そして、今日のクリア条件が半分以下。相手は戦う度に行動パターンが変わる? これって、どんな無理ゲー?

 

 

 

 

 ふふ、一夏君の絶望が見て取れるではないか。

 

 龍也はモニターを見ながら至極悦に浸っていた。

 このVR訓練の恐ろしさは、戦えば戦うほど相手がこちらの行動パターンを学習し、強くなっていくことだ。

 何度、自分もこの訓練で泣いたことか。

 一度有効だった戦術が次には崩され役に立たない。だから、常に新しい戦術が必要になってくる。どちらかというと、自分の中にどれだけ戦う為の手札が多いかが問題だ。

 つまり、幾つもある攻め方や防御方法、戦術の型など、己がどれだけ理解し体現できるか、というわけだ。

 

 少し前の事を思い出しながら、再び始まった一夏の様子を見始めた。

 

 ま、精神が擦り切れる前にはログアウトさせてやらんとな。

 




全く、強襲型の味を活かせない。

果たして一夏君はどうなるのか。

また、出番がない鈴ちゃんはどうなるのか!?

次回こそは出番が来るのか!?

頑張れ鈴ちゃん!作者がシャル党やセシリア党な為に出番はあんまり来ないぞ!

頑張れみんなの鈴ちゃん!



というわけで、一夏君の修行回でした。
漸雷強襲型はどんな戦い方してんだろうな。やっぱりエクステンドブースターでの高機動を活かしての戦いなんだろうか。

実は、バゼちゃんやバルチャー以外のFAって部品取りに使う為に購入することが多く、未組み立てが多いんですよね。

ダオダオもシールドだけぶんどって、まだ組んでないし(´・ω・`)

まぁ、とりあえず次回に続くんです。
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