インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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FA以外の作品も混ぜていくが、私は謝らない。


十八話

 一夏強化訓練が始まってはや五日目。

 もうすぐクラス対抗戦の日がやってくる、という事で訓練にも熱が入っていた。

 今はアリーナで実機での戦闘訓練が行われていた。この訓練が始まる前に龍也が言っていたフルタイムの試合で一夏が倒れずにいられるか、を見ていた。

 バーゼラルドと白式は互いの攻撃範囲で攻め合っていた。

 勿論、幾分か龍也は手を抜いているが、それでも一夏は彼の攻撃に対応できるようになってきていた。

 相手をよく観察し、何をするか予測、対応手段の思考及び実行する能力が上がってきているのだ。

 

 これも実機の訓練に合わせて行っていたVR訓練の賜物であった。

 彼の成長に手ごたえを感じた龍也は笑みを浮かべた。

 

「なかなか良くなってきたじゃないか!」

 

「おかげさまで、なっ!」

 

 一夏が斬撃を雪片二型で受け止めいなし、左の蹴りを放ちながら彼の言葉に返す。

 バーゼラルドは後方に飛び下がり、体制を整えながら白式を見据えた。

 

 あと、彼に必要なのは一つの事だった。

 

「一夏、あとお前に必要なのは“必殺の一撃”だ。ここぞ、という時に放つ己の持つ最高の技が欲しい」

 

 つまり、こういうことだ、と龍也はバーゼラルドの兵装を一旦解除し、新たな武装を取り出した。

 否、取り出したのではなく放出させた、という方が正確だろうか。

 左右の手で剣指を造り、五芒星を描いた。胸部ユニットからは光が溢れる。

 溢れる光を右手で掬い取ると、光は手に収束し熱量が増していく。そして、バーゼラルドが白式に向かって突貫した。

 

「はあああああっ!」

 

 輝きを増した黄金の右手が白式に迫った。

 

 まずい、どうすればいい! そうか、あれがエネルギーの塊の攻撃なら。

 

 一夏はとっさに零落白夜を発動させ、その右手の攻撃にカウンターを当てようとしたが、バーゼラルドが放つ必殺の一撃の前に雪片二型が砕け散った。

 

 ダメか ⁉

 

 バーゼラルドの掌底が白式の胸部に叩きこまれる。

 収束した熱量の籠った一撃は白式に残っていたシールドエネルギーの全てを奪い尽くす。

 また、攻撃の衝撃は絶対防御でも吸収しきれず、一夏は後方に吹っ飛び、アリーナの壁に叩きつけられた。

 かろうじて意識は保っていたが、白式はエネルギー切れで解除された。

 その場で倒れ込んだ一夏に、バーゼラルドが手を貸し立たせる。

 

「これが、俺が作ったバーゼラルドの“必殺の一撃”だ」

 

「いててて……、強すぎだろ。六割残ってたシールドエネルギーが一撃で持っていかれたぞ?」

 

 バーゼラルドを待機状態に戻し、説明をし始めた。

 

「アレは俺が好きなゲームの主役機の必殺技を真似た物だ。無限の熱量を相手に叩きつけて、昇華させる、というのを、バーゼラルドのシールドエネルギーを任意の値で熱エネルギーに変換して叩きつける仕様にしたものだ。今のでこちらは八割弱を使ったよ」

 

 これを聞いた一夏は、

 

「だけどさ、零落白夜はシールドエネルギーを無効化するんだぜ? 龍也のその攻撃も無効化できるんじゃないのか?」

 

「熱に変換して、掌底破を放つだけだから問題ないんじゃないかな?」

 

「えー……なんだよそれは」

 

 ま、それは置いておいてと。

 

「龍也には必殺の一撃があるっていうのは分ったけど、俺には零落白夜があるぜ?」

 

「確かに必殺技とは言えるかもしれないが、一夏はそれを使いこなせていない。だから、必殺の一撃にならないよ」

 

 龍也は真剣な口調に一夏は身を強張らせた。

 

「織斑先生の様にここぞ、という時に零落白夜を使用し敵を倒す。それも一瞬のインパクトの瞬間に発動させるなどして、デメリットの自身のエネルギー消費を最小限に抑えるなどの制御が今のお前にはできない」

 

 そう、確かに零落白夜は強力な単一能力だが、当てられなければ何の障害にもならない。

 ましてIS初心者で、戦術に関しても最近ようやくマシになってきた一夏の攻撃など、タイマンであるなら、熟練の担い手にとってはさほど脅威にもならない。

 

 それは一夏自身も痛感していた。

 VR訓練の時でも相対するFAに零落白夜を当てれたのは初日だけ。二日目からは完全に対応され、せいぜい十回に一回は擦れば良い程度。

 

「だから、一夏。一つ、俺が必殺技を享受しよう。付け焼刃になるがお前のこれからのヒントにはなるだろう」

 

 

 

 

 時間は過ぎ、ついにクラス対抗戦当日になった。

 昨日までみっちりと訓練を行った為、一夏は入学して一か月近くとは思えない動きができるようになった。

 また、龍也から一つの技を授かり、何かしらの光明が見えたようだった。

 

 そして、今から第一試合が始まろうとしていた。

 観客席は生徒達の熱気に包まれていた。

 

「ねぇ、龍也。一体どんな訓練をしていたの?」

 

 そう尋ねるのは暫くの間、代表としての仕事で学園を留守にしていた刀奈だ。

 ?と書かれた扇子を広げながらこちらを見つめていた。

 

「うん? 俺がブキヤでやっていたVR訓練だよ。楯無も見たことあっただろ?」

 

「あぁ……。あれね。龍也の事だから、対戦相手はFAだったんでしょ?」

 

 当たり前だろ? と返す隣でオルコットがジト目で彼を眺めていた。さらに隣では篠ノ之がオルコットを抑えるかのように座っていた。

 

「あ、あのぉ龍也さん。お隣の方はどなたでしょうか?」

 

 オルコットが刀奈に視線を向けながら、龍也に説明を求めていた。

 彼はあぁ、と彼女たちに紹介をした。

 

「彼女は二年生の更識楯無。この学園の生徒会長にして」

 

 楯無は生徒会長と書かれた扇子を皆に見せ、彼の説明を奪った。

 

「生徒会長にして、龍也の婚約者よ♪」

 

 彼女達ははぁ? と感情を思いっきり現し、すぐに驚愕の声を上げていた。

 特にオルコットは酷く、ショックのあまり白目をむき気絶していた。

 

「お、おいセシリア大丈夫か⁉」

 

「あらあら。大変大変」

 

 刀奈は驚愕! と書いた扇子で口元を隠しながら、心配そうな発言をするが、どう見てもニヤッと笑みを浮かべているようだった。

 

 あなたが龍也に好意を寄せているのは知っているけど、この人は私の物だもんね。

 

 ふふ、と笑う刀奈を尻目に龍也はやれやれ、と、これから始まる一戦目に目を移していた。

 

 アリーナでは一夏と凰が対峙し睨みあっていた。

 先日の言い合いでお互いにギクシャクしていたが、今はお互いに闘志に満ちた表情でいた。

 

「……鈴、全力で行くからな!」

 

「えぇ、来なさい一夏!」

 

 二人が声を上げたと同時に試合開始のゴングが鳴った。

 

『それでは両者、試合を開始してください‼』

 

 アナウンスが聞こえたと同時に一夏は危険を感じ、雪片二型を構え防御態勢を取った。

 来るのは衝撃、既に目の前には両方に刃が付いている青竜刀を持った凰がいた。

 

「へー……初撃をちゃんと防ぐなんてやるわね」

 

 ぐぐっ、と押してくる凰に、負けじと雪片二型に力を込める。

 

「そりゃあ、この一週間みっちりと鍛えられたからなっ! まだまだ、これからだぜ!」

 

 押し返し、素早く袈裟切りを放つが、凰もバトンのように青竜刀を振り回し斬撃を弾いていく。

 

「そうそう、一夏。知ってると思うけどISの絶対防御って完璧じゃないからね?」

 

「……知っているさ! シールドエネルギーを突破する攻撃は本体にもダメージが行く、だろ!」

 

 弾かれながらも態勢は崩さず、すぐに次の攻撃に移りながら、言葉を紡いだ。

 この世の中にはシールドエネルギーを突破し、操縦者本人にダメージを与える装備もある、という事を龍也から教わっていたのだ。

 囲みにVR訓練ではブキヤが作ったという、その類の武器を見せてもらった。

 それを見た一夏は彼に絶対、使わないでくれと泣いて嘆願したのは訓練が始まって三日目の事であった。

 

 鈴がそんな事を言う、という事はアイツのIS『甲龍』にある、と思っていいな。両肩にある非固定浮遊部位が怪しいか?

 

 肩のスパイクも痛そうだが、気になる部位に注意をしながらも自分の戦術を脳内で組み立てていく。思考しながらも、凰がどんな攻撃、どんなスタイルなのか観察も欠かさない。

 思考と行動、両方をこなしながら凰の攻撃をさばいていく。

 VR訓練で色々なパターンの相手をしたのが実を結んだのか、しっかりと目で攻撃も追えている。

 

「どうした鈴! 遠慮はいらないぜ!」

 

「っ! ちょっとやれるからって調子に乗らないでよね!」

 

 そう言うと、甲龍の肩がスライドし、球体パーツが露出する。

 一夏は距離を取るために後退し、ついに来たか! と攻撃に身構えたが、次の瞬間には機体に衝撃が走り、吹っ飛んだ。

 

「ぐっ‼」

 

 吹っ飛ばせられながらも、スラスターをうまく使いすぐに体勢を整える。視線は甲龍を捉えたままだが、先ほどの攻撃は何か、と注視する。

 危険に思っていた部位ではあったが、対応が出来なかった事に悔しさを覚えた。

 だが、攻撃の正体はたった今の一撃で理解した。

 

 

 

 

 観客席の篠ノ之が甲龍の攻撃に疑問を抱き、口に出していた。

 

「今のは肩のユニットからの攻撃なのか?」

 

「そう、衝撃砲だ。空間自体に圧力をかけ砲身を生成し、余剰で生じる衝撃自体を砲弾とする、第三世代型兵装だ」

 

 一夏が体勢を整え、二撃、三撃目の衝撃砲を避けるのを見ながら龍也が応えていた。

 

「ち、ちなみに直線にしか飛ばせませんが、全方位に射撃可能ですわ!」

 

 オルコットがようやく復帰したのか、彼の説明に付け加えていた。

 

「ふむ……。そうなると対応はどうするのがベストなのだろうか」

 

 射角は全方位。どの位置にいても撃たれる可能性があるわけだが、それに刀奈が簡単よ、と答える。

 

「箒ちゃん、鈴ちゃんが衝撃砲を撃つときにどうしてるか、よく観察してみて」

 

 箒ちゃん、と呼ばれた事に少し気恥ずかしさを覚えながらも、注視してみる。

 オルコットも同じように注意して見てみるが、すぐにその理由に気づいた。

 

 戦場にいる一夏は衝撃砲を紙一重で躱し続けていた。

 凰は致命的なダメージを与えられないことにイライラしており、若干、動きが荒くなっていた。

 

「よくもまぁ、甲龍の龍咆を躱してくれるわね。砲弾も砲身も見えないのが特徴なのに!」

 

 怒気を孕んだ声だったが、一夏は何も言わず次から次へとくる衝撃砲をハイパーセンサーのアラートと同時に避け続け、勝機を得るべく思考していた。

 

 幾ら砲身も砲弾も見えなかろうが、視線を飛ばした先にしか撃てないなら、避けるのなんて容易いさ。

 

 そう、必ず凰が視線を向けた先に衝撃砲が放たれていたのだ。

 これに気づけたのは相手から目を離さず観察する、という事を忘れなかったからだ。一夏はこの戦いが始まってからずっと凰を見ていた。

 

 いやぁ、鍛えられて良かったぜ。等と彼は考えているが、防御は完璧にできても攻撃を当てれなければ、いずれこちらの体力が切れて終わりだ。故に、そろそろ攻めに転じたかった。

 

 やはりアレかな?

 

 ここぞ、という時に使えと龍也と姉から言われた瞬時加速を用い、零落白夜の一撃をぶつける戦術。

 加えて龍也から授かった技を出せれば、代表候補生にも勝てるハズ、と考えていた。

 自分と凰との実力の違いは戦う前から分かっている。だが、最後に差を無くすのは己の意思の強さである。勝つ、諦めない、という強い気持ちは時として奇跡を起こす。

やってやるぜ、と雪片二型を構え直し凰を見据えた。

 視線は鋭く、闘志は未だに果てず、それを受けた彼女は思わずたじろいだ。

 

 う、今の一夏の眼、すごく……良い。

 

 等と思っているのだろうか。

 

「鈴っ!」

 

 突然、名前を呼ばれドキッとする。

 

「勝ちに行かせてもらうぞっ‼」

 

 彼の気概に圧倒されそうになるが、こちらも負けてはいられない。

 

「何言ってんの? 勝つのはあたしよ!」

 

 青竜刀を構え直し、迎え撃つ準備をした凰。

 両者、一触即発といった場面となったが、突然、ハイパーセンサーが頭上からのアラートを告げた。

 二人が同時に上を向いた時には、アリーナ全体に衝撃が走り、砂塵が舞った。

 観客席にも轟音が鳴り、生徒たちはシートにしがみついて悲鳴をあげていた。

 何があったのか、二人は緊張を保ったままにする。

 ハイパーセンサーは二つの熱源が目の前にいる、と二人に教えていたが、砂塵が晴れた先に見えたのは、二体の黒いISだった。

 

 それを見た龍也は思わず席から立ち、自分の目を疑った。

 二体のISの内、片方はよく知っている機体だったからだ。

 

「ヴァイスハイト……」

 




 嘘次回予告!

 突然現れた二体の黒いIS。

 しかも、一体は一夏をロックし、もう一体、龍也がヴァイスハイトと呼んだ方は彼をロックし攻撃を開始してきた。

 この事態に龍也は魔改造したバーゼラルドで立ち向かうのであった。

 いけ!必殺のアトランティス大陸蹴りだ!
 
 そこだ!レムリア大陸掌底だ!

 やったぞ!IS学園ごと滅ぼしてやったぜ!
 その調子で頑張れ、僕らのバーゼラルド!



 というような感じで次回も大体、一週間後に更新じゃい!
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