インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~ 作:たちゅや
龍也がバーゼラルドを纏い飛び立ったのを見、刀奈は己の役目を全うすることにした。
生徒会長として、生徒の安全をまずは第一に。
安全を揺るがすものは何人たりとも許さない。
その信条を胸に管制室にいる教師陣に状況を確認した。
『織斑先生、状況は ?』
『更識か……。すまんが、システムがハッキングされ各ブロックの出入口の隔壁も閉められてしまっている。破壊してもかまわんから、他の教師陣と連携して避難誘導に当たってほしい』
『了解です。そちらはどうするつもりですか ?』
『こっちはシステムの奪還を試みる』
幸いにも管制室にいる教師の中にはこの手に明るいのもおり、既に戦闘中だった。
刀奈は了解、と返しオルコット達に振り返り避難誘導を手伝ってもらえるよう協力を仰いだ。
「いいですわ。これも淑女の務めです」
「ありがとうね、セシリアちゃん。隔壁は壊しても良いからね♪」
承諾してくれたオルコットには近くの避難路に向かってもらうよう、指示をした。
「箒ちゃんもお願いできるかしら ?」
「私か ? 私には専用機も無いし何もできないと思いますが……」
「ううん。他の先生たちと一緒に誘導してくれるだけでいいのよ。私の名前を先生たちに言ってくれれば分ってくれるわ」
そうは言うが、どうも彼女は一夏の事が気になるのか、そちらをチラリと見ていた。
なるほどねぇ。彼を助けたいわけか。
「一夏君の事が気になるのかしら ?」
「え……」
「大丈夫よ。龍也が向かったし。それに見て」
刀奈が指さす光景を見た箒は愕然とした。
バーゼラルドが放った砲撃が、二機のISを飲み込んでいた。
あぁ、そう言えば彼は規格外だったな、と。自分もISがあれば、彼のように助けにいけたんだろうか……。
等と思いはするが、刀奈が言葉を続けた。
「ね ? あの人に任せておけば大丈夫だから。今は、あなたが出来る事を、ね ?」
「……はい。分りました。私も手伝います」
「よろしい。じゃあ、行きましょうか?」
そう言い、刀奈は篠ノ之を伴い避難誘導に向かった。
●
管制室では圧倒的な破壊力でISを破壊し、今もヴァイスハイトと交戦するバーゼラルドに織斑先生が頭を悩ませていた。隣でいる山田先生も苦虫を噛んだ様な顔だった。
軍用IS並みの破壊力。
乱入ISは無人機。
上にどう報告すればいいのか、と思い悩む傍らで、決着が着いていた。
パイルバンカーで爆発四散するヴァイスハイト。
「あのバカが……」
どう見ても競技用ISの持つ武装ではない。
幸いなのは、来賓客のいないイベントだった、という事だろうか。もしも、ここに学園外の人々がいたとしたら――。彼を欲する事は間違いないだろう。
「……詳しく聞かせてもらわなければな」
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爆発四散するヴァイスハイト。
地上では一夏と凰がその光景に驚愕していた。
「す、すげぇ……」
「何なのよ、アイツ……。おかしいわよ……」
だが、彼女は政府から言われていた事に内心、納得していた。彼に稽古をつけてもらえ、という指令に。
武装が強力なのはすぐ分るが、あまりにも早く戦闘が終わったのは彼自身の実力が高いからだ。
同時に一体、政府はどうして彼の存在を知っていたのか。一夏と同時期に発見された男性操縦者なのにだ。
そんな二人の前にバーゼラルドがゆっくりと降り立った。龍也はバーゼラルドを待機状態にし、声をかけた。
「大丈夫そうだな」
二人ともISを待機状態にし、
「いやいや、お前が強すぎるんだよ」
「そうよ。何よあの武装は。最後のパイルバンカーなんか酷すぎでしょ」
「ふふん。良いだろ ?」
ドヤ顔をする龍也。
「まぁ、とりあえずアリーナから出ようかお二人さん。どうやら織斑先生から呼び出しがかかったみたいだしな」
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管制室に集められたのは龍也に刀奈、一夏に凰だった。
織斑先生からは殺気が龍也に向けられているが、彼と刀奈は涼しい顔をしていた。代わりに周りの人間が震えていた。
山田先生が、おろおろとしながらも織斑先生に話を促した。
「……さて、まずは秋野。お前はどうして飛び込んだ」
「どうして、かと ? 織斑先生、ここからの話はオフレコで構いませんか」
「構わない。更識に織斑、凰もいいな ?」
三人が頷いて答えるのを見て、龍也は話し始めるのだった。
今回は短め。
次回は龍也の釈明回(?)。
そして、あの兎も出て来るらしい……。
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どうでもいい話ですが、話数の表記を訂正する。