インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~ 作:たちゅや
2018.01.02 文章訂正
遅れた休みの初日。本日は金曜日でIS学園の生徒以外は平日なので通常業務中だった。
ここブキヤも変わらず平常運転中だ。
ただ、一部社員だけが忙しく様々な機器を運んだりとしていた。その社員らを指揮していたのはアキであった。
「もうちょっとしたら龍也達が来るぞ ! 早く実験室に機材を持ち込めよっ ! そこ、飛鳥ちゃん ! テスト用の武装とバーゼラルドの新武装はどうなってる ⁉」
飛鳥と呼ばれた長い金髪の女性が台車に積まれた部品を運びながら応える。
「武装一式は地下アリーナに運んでありますよっ ! アキ主任も早く運んでくださいね、龍也が模擬戦するって言ってるんですから !」
分かってるよ、とアキが返し運ぶべき機材を動かし始めた。
しかし、アイツも学園の同級生を連れてくるって言ってたが、自分の彼女であるロシア代表の楯無ちゃん、織斑君に篠ノ之博士の妹、イギリスと中国の代表候補生とか重要案件すぎるだろ。どうしてこっちに相談しないかなぁ……。社長も胃が痛いから対応は全部こっちに振るし。
「あ~~~……胃が痛い」
腹をさすりながら運搬用のエレベーターのボタンを押すのであった。
●
IS学園正門前。
既にメンバーは揃っており(服装は制服)、そろそろ出発しようかと話していた所であった。
「そういや龍也。ここからブキヤまでは遠いのか ?」
「そうだな、モノレールで街まで出て、そこから電車を乗り継ぐから一時間はかかるかな。でも、今日は迎えを呼んであるんだ」
迎え、という単語に刀奈がガタガタと体を震わせ始めた。
彼女の変化に一夏らは何事かと思い、声をかけるが彼女はマダシニタクナイ、マダシニタクナイ、ドレスキテカラシニタイ等と呟くだけだった。
「おい、秋野。楯無さんの様子がおかしいぞ ⁉」
「……よっぽどあの迎えがトラウマになっているのか。我慢してくれ、楯無」
ナムーと言う彼の背後から轟音が近づいてきた。
「お、迎えが来たぞ」
彼が指差す方を見ると、リムジンが猛スピードで迫ってきていた。
「危ないですわ ‼」
オルコットがどう見てもそのスピードではこちらにぶつかる、と思い叫ぶ。
が、龍也は大丈夫、と声をかけるとリムジンはドリフトをしながら、軽快にピタリと彼らの目の前に駐車した。
両サイドにはブキヤ、と大きく緑の文字で描かれ印象に残りやすかった。
運転席からは無精髭の体格の良いアメリカ人がスーツを靡かせながら降りてきた。
彼を見た瞬間、刀奈はこの世の終わりのような顔で龍也の袖にしがみついた。龍也はやれやれ、と思いながら、彼を皆に紹介した。
「みんな、紹介するよ。この人はブキヤの研究スタッフでジェーンさんだ」
「やぁ、IS学園の生徒諸君、おはよう。ジェーンって気軽に呼んでくれ。今日は僕がみんなを会社まで送らせてもらうよ」
気さくな感じのするジェーンに一夏達は安堵感を覚えるが、刀奈の態度がどうして変貌したのか分らずじまいだった。
尋ねようにも龍也が乗った乗った、と急かした為に誰も聞けずじまいだった。
車内は小さいがさすがリムジンといった所でシートの座り心地は最高だった。
ジェーンが運転席から龍也の左右には楯無とオルコット、一夏の左右には篠ノ之と凰が座ったことを確認し、
「よーし、じゃあ出発するぞ」
そう言った彼の言葉を最後に車内は静けさが支配した。
ジェーン。本名、パトリック・ジェーンは気さくな男性なのだが、残念な所が一つある。
猛烈に車の運転が危ないのだ。どう危ないのかと言えば、スピードが速すぎるのだ。カーブですら減速はギリギリの、さながらF1のような走りを公道でやってしまうのだ。
龍也は古くからジェーンと付き合っていたので慣れているが、刀奈は付き合いが浅い為、慣れていないのだ。
どうも自分がそういう運転をするならいいのだが、乗せてもらう立場になるとダメなのだ。
当然、一夏達は予想もしない運転に完全にグロッキー状態になり、ブキヤに着いた頃には真っ青な顔をしていたのであった。
運よく警察にも捕まらず、ブキヤに到着した一向。ジェーンは正面玄関で全員を降ろし、車を地下駐車場にまわしていた。
「みんな大丈夫か ?」
龍也が真っ青な顔をしている面々を心配する。
が、誰もが大丈夫そうでは無かったので、一旦、ブキヤ社内の休憩スペースに案内することにした。
社内に入ると受付嬢がおり、本来なら必要な手続きがあるのだが龍也は社員で、事前に一夏達が来ることは知らせてあった為、早々に休憩スペースに着くことが出来た。
各フロアに休憩スペースがあるのだが、どこも広くスペースがとられており、各種ドリンクがサービスで飲めるようになっていた。
ひとまず全員をソファーに座らせ、龍也が水を用意し配るのであった。
「す、すまん龍也……」
「はは、ジェーンさんの運転はかなり荒いからなぁ」
一夏は荒いってもんじゃないだろ、と愚痴をこぼす。
「まぁまぁ。とりあえずさ、みんなはここで休憩しててくれよ。俺は先にバーゼラルドを預けて戻ってくるからさ」
そう言う龍也に各々が了解、と返事をした。
返答を聞いた彼は休憩スペースを後にするのだった。
●
彼は建屋の三階にいた。ここがブキヤのIS部門の専用ルームである。
一つの階、全てがIS部門にあてがわれているのだ。
彼はアキを探し、見つけると挨拶にいった。アキの隣にはもう一人、見知った顔の社員もいるのだった。
「お疲れ様です、アキさん。ブライアンも来てたのか、約束の時間よりかなり早いな」
「イエーイ、タツヤッ ! アンタの頼みと聞いちゃ、居ても立っても居られなくてな。三時間も早く着いちゃったぜ」
「ホント、ブライアンの到着が早くてな。大急ぎで準備してる所に来るから邪魔で仕方なかったぜ ‼」
「オイオイ、アキさんよ、そりゃあないぜ……」
オーバーアクションで残念がるブライアン。
彼は龍也の友人でブライアン・フィンチ。ブキヤ米国支部の開発主任である。
二十代後半ではあるが、米国支部での実質トップで、自他ともに認める天才なのだ。
また、奇抜な発想をする人間なのだが、彼がいなければバーゼラルドの完成は無かったであろう、と龍也に言わしめた人物なのだ。
「もうブライアンが来ているんだったら話が早いな。すまないが、“コイツ”の解析をお願いしたい」
龍也はバーゼラルドを部分展開し、量子空間から一つの物を取り出しブライアンに手渡した。
彼とアキは驚き、二度見し、
「オイオイ、タツヤさんや。コイツァ、ISのコアじゃないか」
「そう。ネットワーク未登録のコアだ。完全に解体しちゃってもいいから、解析をお願いしたい」
「……使い物にならなくなっても良いってことだな ?」
「おう。どうせ未登録のコアだ。本来なら存在しないものさ。好きにやってくれ」
「OK。それじゃあ俺はコイツの解析作業を早速始めるぜ。いつもの部屋を借りるぜ、アキ !」
ひゃっほーい、と軽快に陽気なステップでブライアンがこちらに来た時に使う、専用の部屋に入っていくのであった。
彼が部屋に入っていく中、アキは龍也に尋ねていた。
「大丈夫なのか ?」
「良いんですよ。既に報告してありましたけど、偶然、手に入れた物ですし。ブライアンなら解体まですればブラックボックスの部分も解析できるでしょう」
貴重なISコア。
今までも解析をしようとした企業はあるだろうが、如何せん、各国に配られたコアの数は決まっている為、おいそれと徹底的にやる、という行為はできないのであった。
篠ノ之束にしか分らないブラックボックス部分も、本気で、壊しても良い勢いでやれれば、彼女ほど天才でなくても中身が分るかも知れない。
繰り返しになるが、各国に配られたコアの数は決まっている。だから、壊したりはできないのだ。
だが、龍也が持ってきたのは未登録のコア。どう扱ってもいいわけだ。
そういう訳で、彼はブライアンを米国支部から呼んで、完全解体を念頭に置いたコアの解析を依頼したのだった。
パトリック・ジェーンもブライアン・フィンチも、私が好きなドラマの主人公達です。
好きすぎて、登場させてしまった!
彼らは今後もブキヤに用事がある度に登場するかもです。
飛鳥ちゃんはオリキャラですが、プロット段階では今後のストーリーに深く関わる、と書いてありました(ぇ
(……だって、書いてたプロットも思いついた時にメモ程度で書いてるやつだから、忘れちゃうんだよね)
というわけで、二十四話目でした。
コアを破壊してでも解析する。
どの辺りがブラックボックスなのか、原作では描写あったっけ?
原作ではコアの解析に金と時間をかけすぎて、潰れた企業がある、くらいは描写があったとは思うんですが、具体的にどこがブラックボックスか、描写あったのか思い出せない。
まぁ、二次創作なんでこの辺りも設定をねつ造しまくって、良いようにやっちゃうよ!!
次回は、模擬戦っ!