インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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どうも。
原作は出版社が変わる前の物を所持していますが、改めて読み直すか、と思っている今日この頃です。
物語としては原作沿いに進みつつ、改変したりオリジナルをぶっ込めたら……とか思っちゃったり。

では、弐話目です。
あまり物語は進みません。


※あとがきにあったキャラ設定は別ページへ移動(2017/7/26)


二話

 龍也にとって高校生活は初めてだ。中学も二年から家業の為に通えず、三年ぶりの学生生活なのだった。ちなみに高校受験も初だった。合格は裏で完全に決まっていたのだが、IS学園の入学はちゃんとペーパー試験も受け合格している。

 

 手続きも終えて、今は教室で机に向かっていた。

 周りからの好奇の視線は感じるが、見た目はフツメンな為にどちらかというともう一人の男性、席が左隣の世界初の男性操縦者である織斑一夏を見る者たちの方が多い事に気づく。

 

 爽やか好青年という印象がある彼の方がやはり注目度は高いか。まぁ、その方が自分への注目度が下がるので好都合。悪いね、織斑君。

内心は悪い顔でニヤニヤしているが、表情はあくまでポーカーフェイスだ。

 

 そうしていると、扉が開き豊かな胸をもつ山田真耶先生が入ってきた。二人の男性操縦者の試験官が彼女だったので、知っている人がいるというのは妙な安心感を抱かせる。

 

「みなさん、おはようございます。このクラスの副担任の山田真耶です。担任である織斑先生が会議の為、HRは私が担当させてもらいますね。では、まずは自己紹介からですね」

 

 というわけで自己紹介が始まっていく。あ行なのですぐに龍也の番が来た。

 

「秋野龍也です。皆さんとは一つ年上ですが、気にせずに話しかけてもらえると助かります。ニュースでも言われているので知っていると思いますが、一応ブキヤという企業のテストパイロットをしています。趣味は私が使うISの元になっているFA等の模型製作と旅行です、一年間よろしくお願いします」

 

 こんなもんだろ、と話し終え席に着く。周りの反応も好印象な感じがする。

 自己紹介はそのまま順調に進んだが、織斑一夏の番の時に一騒動が起きた。

 

「お、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 緊張しているのか、次の言葉が彼からは出てこない。顔色はどんどん蒼くなっているが……、

 

「……以上です」

 

 短い。とにかく短い。そうじゃないだろ、女性陣の視線がもっと話せ、と語っている。

 半ば呆れた表情で龍也も彼を見るが、助け舟をだすことは出来なかった。

 

 織斑が喋り始めた時点で織斑千冬先生が教室に入ってきていたのだ。龍也と山田先生以外は彼がどんな事を話すのか、神経をそちらに注いでおり気づいていなかった。

 そして、話し終えた時点で織斑先生は手に持っていた出席簿を彼の頭に振りかぶっていた。

 

 穏やかじゃないな、と龍也は思いスッ、と左手を伸ばしタイミングよく出席簿を掴んだ。

 

「実の姉とはいえ、ツッコミに出席簿はダメだと思います。もっと柔らかい物でやって下さい。それなら、痛いけどダメージは少な目ですから」

 

「ほう……」

 

 織斑先生の目は獲物を見つけた狩人のようだったが、その実は新しい玩具を見つけたような視線も含まれていた。

 それを感じ取り、まずいと彼は手を放した。

 この目と同じものを龍也は仕事中に幾度も感じたことがあり、その都度、厄介ごとに巻き込まれるのだった。なので、今回もそうに違いないと確信した。数時間以内にこの予感は的中するのであった。

 

「まぁいい。織斑、もう少しまともな自己紹介もできんのか」

 

「は?ち、千冬姉……?」

 

 織斑は驚いた顔をしていた。あれ?実の姉が教師としてここにいる事を知らなかったのだろうか、と龍也は感じた。

 

「ここでは織斑先生だ。さ、諸君。私がこの一年一組の担任の織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる為に育てるのが私の仕事だ。私が話すことをよく聞き、理解しろ。出来ないなら、出来るまで指導をするので安心したまえ。逆らうのは一向にかまわんが、そのあとどうなるか、分らんぞ」

 

 そんな無茶苦茶な、と思うかもしれないが、このクラスの生徒はそんなことはお構いないようだ。

 何せ、織斑千冬と言えばブリュンヒルデの称号で呼ばれるほどの凄腕ISパイロットで、多くの女性からは神格化されていた。それは、ここでも変わらないようで。

 

「きゃああああああ、本物の千冬様よ!!」

 

「逆らったらどんなことされちゃうの!?いいですか、逆らってもいいですか!?」

 

 等々、黄色い歓声が飛び交い始めた。

 

「騒ぐな!全く、毎年毎年、変わらんな」

 

 織斑先生の叱責で静まり返った。

 

「静かになったな。山田先生、HRを押し付けてしまい申し訳ない」

 

「いえ、こういう時の副担任ですので。もう会議の方はよろしかったんですか?」

 

「ああ。では、ここからは私が行っていく」

 

 そうして、朝のHRは過ぎていった。

 

 

 

 

 HRが終わると、すぐに織斑が話しかけてきた。

 

「えっと、秋野さんでしたね。同じ男がいて助かります。一年間よろしくお願いします」

 

「ああ、よろしく。それと、龍也と呼んでくれて構わないよ」

 

「だったら、俺のことも一夏でいいですよ」

 

「そうかい?なら一夏と呼ばせてもらうよ」

 

 すると一夏は安堵の表情を浮かべた。同時に先ほどまで緊張していたのか、一気に脱力した。

 

 その姿に龍也はふっと笑った。あれだけの視線を受ければ緊張もするだろうし、姉が担任というのもプレッシャーを感じるのだろう。

 対して一夏は彼がさほど緊張していないことや、姉である織斑先生の出席簿アタックを止めたことについて驚いていたので疑問を口に出した。

 

「なぁ、龍也は緊張していなかったのか?それと、よく千冬姉の動きについていけたな」

 

「緊張?全くしてないわけじゃないけど、大半の視線は一夏に注がれていたからな。楽な気分だったよ。で、織斑先生のだけど、幼少期から剣術を父親から教わっていたから、あのくらいだったら簡単に止めれるよ」

 

 と、話をしていると一夏に一人の女生徒が近づいてきた。

 雰囲気から彼女は一夏を知っているようだ。確か、名前は……、

 

「うん?一夏、篠ノ之さんが用事があるみたいだよ」

 

「あ、あぁ。すまない。少し一夏を借りる」

 

 篠ノ之箒は龍也にそう応えてから、一夏を連れて教室を出て行った。

 

 あぁ、青春ってあんな感じなんだろうな、と彼と彼女を見ながら思う龍也であったが、一人になったのでスマートフォンを取り出し、お気に入りの玩具サイトを見ながら次に組み立てるFAのことを考えることにした。

 

 だが、この非常に楽しい時間を潰されるとは思いもしなかった。むしろ、ここからが厄介ごとの本当の始まりでもあった。




次回は金髪ロールのあの人が。
思えば、今回はもっと動きのある話にすればよかったか。



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