インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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GW中は熊本で観光してた私です。
どうも二週ぶりです。
ようやく俺アームズの一端を出せたような気がする今回のお話し。

わし、バゼちゃんをこういう風に改造したいんじゃ。。。


三十一話

 龍也はベリルショットライフルの攻撃に対して、バーゼラルドを展開、防御フィールドを用い防ぐのであった。

 

「バーゼラルドを使わないなんて言ってないからな」

 

 何食わぬ顔でマガツキを蹴っ飛ばし、機殻剣を量子空間に収納しユナイトソードを両手に展開する。

 束は既に体勢を整え、神妙な顔つきでこちらを眺めていた。

 

「……ISの即時展開時間がこの束さん並に早いなんて。君、どうやったの ?」

 

「訓練の賜物さ」

 

 実際、龍也のISの展開等技術的な事を、ブキヤでのVR訓練等で国家代表以上に仕上げてある。

 IS学園では能力をセーブしている。……これはこれで面倒なのだが。

 そんな事を考えながら龍也は束に接近し、交互に剣を振るう。

 一撃一撃に緩急をつけ、速度も徐々に上げていった。

 

「さぁ、篠ノ之博士 ! どこまで俺の剣戟について来れるかなっ !」

 

 彼の言葉に束は喜々とし応える。

 

「何言ってんのかな。この“天災”の束さんに手加減するとかバカじゃないの ? ――最初から、全力でしょ」

 

 束――マガツキの動きが変わる。

 激しい波のように押し寄せる剣戟と銃撃。

 バーゼラルドはユナイトソードで受け止めいなし、銃弾は叩き斬るもしくは、回避をする。

 それだけに終わらず、返す刃で一太刀入れていくが、マガツキはしっかり反応し防御していく。

 

二機の攻防は熾烈を極めていき、まるでダンスをしているかのようであった。

 

「フフ、楽しいねっ ! ここまで私について来れるなんて、ちーちゃんでも出来ないよっ !」

 

 ちーちゃん ? 織斑千冬のことか。

 

「それは光栄、だ、ね ! で、そろそろ説明してくれる気になったかな ?」

 

「え~“たっくん”が私を倒せたら、ねっ !」

 

 龍也の事をはっきりと勝手な愛称ではあるが、名を呼んだのだ。

 これは束を知る者からすれば驚きの出来事だ。彼女は基本的に自分が好きな人物しか興味がなく、名前を呼んだりはしない。それ以外は有象無象の一つとしか見ず、名を呼ぶことなどしないのだ。

 その中で、龍也の事を呼んだ、という事は彼女のお気に入りに入ったのだ。

 

 攻防を続けながら、龍也は一度距離を離す為に瞬時加速で下がった。

 視線はマガツキをしっかりと捉えながら、バーゼラルドに搭載した必滅兵器を使うか悩んだ。

 

「その呼び方はどうかと思うが、まぁいい」

 

 龍也はバーゼラルドのSEを確認する。

 ゴーレムⅡとの戦闘で幾らか減り、このマガツキ戦で半分を切っていた。

 

 ……プロペラントタンクはまだ二基ある。ここは――切り札を使うべきだなっ。

 

 バーゼラルドはユナイトソードを床に突き刺し、両手で剣指を作る。

 

「……篠ノ之博士、楽しい時間だったけどこの一撃で終わらせてもらうぞっ !」

 

 残りのSEを一割だけ残し、全てをこの一撃に使うっ。

 

 バーゼラルドの胸部からまばゆい光が溢れる。右手でその光を掬い取り、両手を頭上に掲げ、左右の手に光を纏わせた。

 

 ……バーゼラルドのコアから膨大な熱量が溢れていた ? 見たことのない兵器だねぇ。どんな攻撃なんだろう。コアネットワークを使って探れないかな。

 

 束はそう考えバーゼラルドのコアにアクセスをしようとするが、出来なかった。

 

 あれ ? アクセスエラー ? バーゼラルドが拒否してるの ? 

 

 そんな事があり得るのか。ISの生みの親である自分は全てのコアにアクセスする権限を持っている。

 故にアクセスできないなんて事は存在してはいけない。

 しかし、彼女は知らなかったのだ。そうではない、と。バーゼラルドのコアにアクセスできないのは別の理由があったのだ。

 

『み……つ……け……た……あき……の……たたたた龍也ッ ‼』

 

 唐突に聞こえる機械音。

 その音はマガツキ自身から発せられていた。同時に束は制御系統を乗っ取られ、マガツキから吹っ飛ばされてしまう。

 束を排除したマガツキはコアから無数の触手を伸ばし、ゴーレムⅡの残骸を回収し融合を始めた。そして、まるでサナギのように変化させるのであった。

 束はまさかの乗っ取られに驚くが、目の前の光景に魅入られてしまう。

名を呼ばれた龍也は訝し気に攻撃態勢を維持し様子を見る。

 

「融合し、自身を変化させているのか ?」

 

 ……今、攻撃するのはフラグでしかないが、仕掛ける !

 

「砕けッ ! 必ぃ殺ッ ! バーゼラルドフィンガガガガアアアアアッ ‼」

 

 エネルギーを熱に変えた必殺の拳をマガツキに叩きつける。

 しかし、やはりというべきか……、

 

「くっ、やはりこの攻撃も糧にするかッ」

 

 マガツキは攻撃を餌とし、羽化をする。その姿は――。

 

「来るか、マガツキ・崩天 !」

 

 鎧武者に羽織を着せたような装甲を纏った真紅のFA。

 右手に持つ大型武装は何者をも砕く長射程、高威力の連装式ベリルショットランチャー【キョウテン】。

 左手に握るは取り回しが悪いキョウテンの補助を兼ねた、ベリルショットカノン【オオトリ】。

 

 自身が作成したISの変貌に束は目を輝かせ、子供の様にはしゃいだ。

 

「え ! え ! なんでかな、何でかな。セカンドシフトとは違う進化 ? いやぁ、束さんでも分らないことがあるなんて。――しっかりとデータは取らせてもらうね」

 

 ギラギラとした目つきで施設内のカメラを遠隔操作し、これからの事をしっかりと映像に残すことに彼女は決めるのであった。

 

 真紅の巨人はバーゼラルドを自身の敵とみなし、両手の武装を構え放ち戦闘開始の狼煙をあげた。

 

「防御型のマガツキの攻撃面を強化した崩天に対応するにはッ」

 

 キョウテンとオオトリの砲撃を巧みに避けながら、龍也はある物を使用する事を決めた。

 

「今こそ、【俺アームズ】を使うべき時か。覚悟しろ、マガツキッ !」

 

 龍也は力強く叫ぶと、拡張領域から【俺アームズ】に必要なオプションを取り出し瞬時に装着を果たす。

 

 彼の言う俺アームズ。

 

 すなわち自分だけのフレームアームズ。

 龍也は己の愛するロボット作品からそれを模したバーゼラルド用のパーツを誰にも知られないよう隠しながら作成していた。

 

 足首から脚部を覆う様なそれが二つ。まるで巨大な盾だった。

 脚部自体の装甲も変更されており、太ももには結晶体のようなパーツが付けられ赤く輝いていた。

 

「この魔を断つ剣を模したバーゼラルドの初陣、華々しく飾らせてもらおうかっ !」

 

 彼の叫びに呼応するかのように赤く輝く結晶体。

 そこから生成されるエネルギーはバーゼラルドの全身を駆け巡る。

 

「断鎖術式壱号ティマイオスッ ! 弐号クリティアスッ !」

 

 左右の脚部シールドに内蔵された時空間を歪曲させるシステムを作動させる。

 龍也の周辺の空間が歪曲し、その復元力によってバーゼラルドは通常では考えられない機動力を見せる。

 マガツキ・崩天の繰り出す砲撃の嵐を、彼は、慣性の法則を完全に無視した動きによって――跳躍して避けた後に、すぐさま空中で別の方向へ跳躍、それを繰り返すことで瞬時に奴との間合いを詰めるのであった。

 

 そして、今、彼が放つのはこの時空間歪曲エネルギーを移動に使うのではなく、直接、相手にぶつける攻撃。

 その名も、彼が敬愛するままロボットが使うままの名であるが。

 

「アトランティス……ストライクッ ‼」

 

 叫びと共にマガツキにぶつけられる回し蹴り。

 的確にマガツキを蹴り飛ばすが、時空間が元に戻ろうとする復元力はあまりにも強力で、たったの一撃で全壊させてしまっていた。

 とてもじゃないが、ISに使うべき武装ではない。

 人が乗っていれば、一瞬でただの肉の塊になっていたであろう。

 

 鉄の塊となったマガツキを眺めるバーゼラルドを見る束は、後にこう語っていた。

 

『あれはISの皮を被った化け物だったね。束さんでもあれはさすがに……』

 

 

 

 

 束は思考を停止させてしまっていた。

 

 ……これは夢なのかな。ISはいくら宇宙で活動できるようにと、様々な機能をつけたけど、あんな出鱈目な動きはできないもん。それに、あの回し蹴り攻撃。どう見ても現代科学では再現出来そうになかった。

 例え、この天災の身であっても基礎理論の構築だけで数年かかり、完成するには十年の単位が必要と思えた。

この時、初めて束は恐怖を覚えた。自分が理解できない現象、物に初めて彼女は出会ったのだ。

 だが、不思議と胸が熱くなっていた。この胸の高鳴りは何なのか。

 彼女は今すぐに答えを出せないでいた。

 

一方、龍也は破壊したマガツキのなれの果てを調べていた。コアは無傷とは言えないが何とか調べられる程度の物ではあった。

 だが、あくまで何とか、という状態だ。

 とてもじゃないが、自分では調べられないと思いすぐ傍にいる適任者に任せようかと考えてみる。

 

 一考し、バーゼラルドを待機状態に戻すと龍也は束に近づくのであった。

 

「……篠ノ之博士、すまないがこのマガツキのコアを調べて欲しいんだが」

 

「良いよ。私も気になるしね。でも、タダじゃないよ ?」

 

「当然だ。出来る範囲で報酬は支払おう」

 

 確かな返事に束はニヤリ、と口元を歪める。

 

「それじゃあ、まずはね――」

 

 彼女が続けて言ったセリフに龍也は頭を痛めながらも、これからの事を考えていくのであった。

 

 




というわけで、
俺アームズのモチーフは、アレですが、恐らくこの形態の出番はもうありませんっ!
普通のISに使ったら、操縦者もろとも鉄くずになるもんなぁ……。

さて、次回は時間が進みようやく二人の転入生組が入ってくる所からスタートします。
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