インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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前回のあとがきで、前半は転校生の話をすると書いたな。

あれは……まぁ、次回だ。


三十三話

 

 

 フランス某所。セーフハウスにて。

 飛鳥とリロイはデュノア社と亡国企業の関連を調べていた。

 およそ二週間の調査で幾つかの進展を見せた。

 

 一つ。デュノア社が第三世代のIS開発に遅れが見られ、亡国企業から技術提供を受ける約束をした。

 二つ。デュノア社社長夫人が金銭目当てで亡国企業と組んだ。だが、裏がありそう。

 三つ。その為に、社長の愛人の娘である、『シャルロット・デュノア』を『シャルル・デュノア』という偽名を用い、性別を偽ってIS学園へと転入させる。

 四つ。ブキヤを脅すのもこの約束事に関連しているようだ。

 五つ。ブキヤ・フランス支社に亡国企業のスパイがいる。

 六つ。デュノア社長はどこかで軟禁されている → 郊外の民家にいる。

 

 さて、彼らの目的は、と推論する。

 二人ともその方面に明るい訳ではないのだが、デュノア社は第三世代のIS開発の為に男性操縦者の情報もしくはIS自体を欲しているのではないだろうか、と結論する。

 だが、亡国企業が欲するのは何なのか。こればっかりは分らないままだ。

 ただし、ブキヤを脅すのは完全な間違いである。

 ブキヤの設立に携わっているのは、かつて人知れず世界を救った面々だ。

 世界中に色々なコネを持ち合わせており、荒事にも対応する術くらい持っている。

 

 それが、飛鳥やリロイが本来所属する部署なのだ。

 表は研究員やテストパイロットだが、裏では会社に仇成す者や企業からの暗躍に応対したり、龍也の様に依頼を受けたりもしている。

 そして、二人は武装を纏い準備を整えていた。

 

「リロイ、【カトラス】の調子はどう ?」

 

「龍也がしっかりバーゼラルドのデータを取ってくれていたから、かなり調子はいいな。このベリルダガーもブライアンのおかげで再現できたしな」

 

 リロイは自身が纏うカトラスの左腕と両足先についている淡い緑色のダガーに注視しながら語る。

 カトラス。原典ではバーゼラルドの制式量産型と言われている。見た目はほぼ変わっていないのだが、基本能力はバーゼラルドよりも高い機体となっている。

 ベリルウェポンを採用しているのも大きな点ではある。これは、ブライアンがISコアの解析に伴い再現可能になった物で、リロイが使うのは試作品となっている。

 で、彼が纏っているのはISのバーゼラルドの稼働データを参考に、武神で再現したものだ。

 武神は3rd-G製の八メートル前後の人型機械で搭乗者が機械と同化し操縦する、また遠隔操作などもできる物であるが、彼は同化するタイプを好んでいる。

 このカトラスはISくらいのサイズに造られたテストタイプであるが、性能はれっきとした武神なので現行のISでは太刀打ちは出来ないであろう。

 

「飛鳥も【バルチャー】はどうなんだ ?」

 

「今の段階では非変形だけど、身軽で動きやすいわよ。脹脛のベリルベーンも早く実戦で試してみたいわ」

 

 バルチャー。各部にベリルユニットを用いた本来なら鳥形に変形するFAである。現在、飛鳥が使っているのはISでの再現FAで、変形機構はオミットしている。ちなみに全身装甲。今後の開発によっては、現行のISのような形状になる可能性はある。

 所持武装は、脹脛に搭載されている弧形のベリルベーンは展開すれば蹴りで斬撃などを放つことができ、腕にある乾式鋼爪――爪型のベリルユニットを装備している。

 また、拡張領域には飛鳥がいつも使う長騎剣とアサルトライフルが格納されている。

 

「さ、リロイ。まずはデュノア社長の軟禁場所に向かいましょうか」

 

「そうだな。さっさと救出して全貌を把握しよう。それから、デュノア社は潰そう」

 

「潰すかどうかは佐山社長達に相談して決めましょうね ?」

 

 飛鳥は話しながらバルチャーを空へと舞わせる。

 リロイもカトラスのブースターを吹かせながら続いた。

 向かうべきは郊外にある何の変哲もない民家。二人は全身装甲の内側でウキウキとしていた。それはもう、良い笑顔で。

 何を思い笑顔なのかは置いておき、たった二機での救出作戦が始まるのであった。

 

「あ、一応、このデータは龍也達にも教えておいてあげようかな」

 

 思い出したかのように飛鳥は龍也と刀奈にこのデータを送る事にした。

 龍也はともかくとして、刀奈に送る理由はなんだろうか。言うまでもなく、IS学園に害が及ぶ可能性がある、と考えたからだ。

 このデータを貰った刀奈はデュノア社許すまじ、と殺意が芽生えていた。

 

 さて、一時間ほど移動してから目的地付近に到着した。

 豊かな自然の中で不自然な屋敷。ここが目的の場所だ。

 あまり大きくはないが、警備にラファール二機が正門に配置されているのが見えた。

 二人は発見されないように遠くにおり、IS等を解除し、歩きで接近する事にした。

 

「ラファール二機の警護か。中にもいると考えるか」

 

「そうねぇ……。正直スピード勝負かなと思うわ」

 

「なら、陽動は俺がしよう。カトラスで一気に攻めるから、飛鳥はその隙に屋敷に潜入、デュノア社長を救出し離脱で」

 

「いいわ。さぁ、久しぶりに暴れるわよっ!」

 

 二人は互いの動きを確認した後、再度、機体を展開し走り出すのであった。

 

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