インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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時間がかかったわりにはお話は進まない!


四十一話

 フランス上空を一機の旅客機が飛んでいた。

 乗客はたったの一名。それ以外はパイロットのみである。

 ただ機内も特殊であった。座席が数席あるのみで、他は大量のPCやディスプレイが設置されている。ブキヤが所有する特注機だ。

 その一つに龍也は座り、ブキヤ本社にいる佐山やアキ達に今回の件について報告をしていた。

 龍也はバーゼラルドで録画していた映像と飛鳥が持っていた映像や記録データを提出。

 佐山は淡々と情報を処理していく。

 アキとブライアンは、フレズヴェルク・レイジの性能とTCS再現に興味をそそられていた。

 

『なるほど。彼は“人”を糧にしてISコアを造ることが目的だった、と』

 

「ええ。それを俺に見せる為にわざわざFA型ISを造り、呼び寄せた、と考えるのが今回の件の真相と考えます」

 

『……デュノア社が使われたのは経営不振、という理由だね』

 

「加えるなら、大手で人が多い企業、というのもありますね」

 

『そして、彼を通じて亡国企業はコアの量産ができるようになったか。しかも、こちらが開発しているFA型IS並みの機体を用意できる』

 

『そこが気に入らないな~。俺達は苦労して完成させた物を再現されるのは癪に障るね』

 

 そう言うのはブライアンだ。

 しかし、彼とてスペックがおかしいのだ。オリジナルコア一つを犠牲に今まで世界中の科学者が出来なかったコアの解析を完了させたのだ。

 使われていたのは、金属は命を宿す概念を付与された賢石にFA世界におけるチート物質であるT結晶に酷似したクリスタルだった。もう名前はそのまま“T結晶”と名付けさせてもらった。

 ちなみに解析終了後、龍也を介して束とブライアンは会っており、コアについて話すことやISについて語り合ったそうだ。ついでにその場で新しいコアを造ったが、その話はまた別の機会で。

 アキもこれには同意。また、TCSの危険性についても語った。

 

『TCSの再現にも危機感を覚える。あれは現存するISの兵器では太刀打ちできないぞ』

 

「ベリルウェポンは強力すぎますからねぇ。防御も難しいですし」

 

 TCSを用いた兵装に対抗するには、より強固な装甲で耐えれるようにするか、相手よりも高出力のTCSで対抗するしかない。そうしなければ、ぶつかり合った際に生じる衝撃波だけで大ダメージを受けてしまうのだ。

 

 本当、個人の趣向でFAを再現しまくってるけど、とんでもない兵装まで再現しちゃったなぁ。

 

 我ながらよくもまぁやったな、と思う龍也。

 アキとブライアンは二人でそのままISの話で盛り上がり始めるが、佐山はじっと龍也を見ていた。

 

「……佐山社長。アイツの事は任せて欲しいんです」

 

『いや、それは構わないが他にもあるんじゃないのかね ? 話したまえ』

 

「えっとですね、シャルロット・デュノア――彼女の事です」

 

 佐山は口元を緩めて続きを促す。

 

「デュノア夫妻から話を聞きました。彼らは“こういう結果になるかも知れない”と考え、IS学園に……というよりは、俺に“預ける”つもりだったようです」

 

 彼らも“秋野龍也”という各国政府が“何故”か重要視する人物ならば、何かあったときはシャルロットを救ってもらえるのではないか、そう考えていたようだ。

 

「それで彼女の事を預かろうと思います」

 

 とはいえ、具体的な提案が必要だ。続けてそのプランを語っていく。

 

「もはや自力では再建不可能なデュノア社をブキヤで吸収します。あちらにはラファール・リヴァイブの生産に使っているプラントがあるので、こちらが製造を開始するFA型ISの量産を担ってもらいます。シャルロットに関しても、テロから逃れる為に性別を偽って学園に転入させたことにし、脅威が去ったと考え改めて“シャルロット・デュノア”として転入させます」

 

『ふむ……拙い内容だね。……でも、いいだろう』

 

 佐山は笑みを浮かべて龍也の提案にGOサインを出した。

 龍也は礼を言ってから、IS談義で盛り上がっている二人に声をかけた。

 

「アキさん、ブラストシールドの修理と量産体制はどうなっている ?」

 

『ん ? 龍也が壊してくれた奴は修理が完了済みだ。量産はこれからだ』

 

「ブライアン、俺が頼んでいるゼルフィカール用の追加ユニットは ?」

 

『あぁ、T結晶を用いたBT兵器のことだな。開発は順調っ ! あと一月半もあれば完成できるぜ』

 

「……アキさん、ブラストシールドは帰国次第すぐに取りに行く。ブライアン、開発を急いでほしい。竜也のISに対抗するにはどうしても必要な力だ」

 

 彼の声には焦りがあった。

 このままでは負けるかも知れない、と。

 

『龍也、焦るのも分るが今は目の前の事を果たしたまえ』

 

「……了解です」

 

 佐山の諭しに龍也は応え、まずは目の前の事――学園に戻ってからの事に思いを集中するのだった。

 

 あぁ、どうやってシャルロットに説明するか考えないとなぁ。

 

 数時間後、帰国した龍也はブキヤに寄りブラストシールドを受領。これでゼルフィカール状態での運用を可能にしたが、同時にアキからもう一つ手渡された物があった。

 それは、バイザーを模したアクセサリーだった。

 細かい説明は同時に渡されたデータに書いてあったが、どうやらFA型IS、初量産シリーズである“三二式一型 轟雷”のようだ。

 

『宣伝してきてね~~』

 

 とはブキヤから去る時にかけられた言葉である。

 飛行機内で先に説明してくれてても、と思うが細かい事は置いておき、とっとと学園に帰ろうと足を速めた。

 

 

 

 

 龍也が帰国した頃、竜也もまた日本にある亡国企業の施設にいた。

 彼は整備室でフレズヴェルク・レイジを展開し、傷んだ腕部を交換していた。一応、メカニックがいるのだが、あいにくと疑似コアのデータ取りに夢中で自分でやるしかなかった。

 

 ……両腕部は丸ごと交換だな。よもやあの一合でフレームに歪みが出るとは思わなかった。あのまま戦闘を続けていれば、“IS”は壊れていたかもしれん。

 

 出力は同程度。

 だが、フレームの造り込みに甘さがあった。それは、彼にも指摘を受けた。

 やはり材質から見直さないといけないか、と頭を悩ませた。

 

 フレズヴェルクのデータはブキヤにハッキングして抜き取ったもの。

 龍也とて、ざっくりとした設計図とデータしか書いてなかったので、参考にはなりにくかった。これを亡国企業のIS開発者と竜也が煮詰めて、完成させたのだが……。

 

「……FAでは龍也の方が上手、か」

 

 しかし、この程度の障害は障害にならん。

 

 この組織には表にいられなくなった開発者達が集まってきている。表だっていられない者達とはいえ、技術は折り紙付きだ。むしろ、その狂人すぎる手腕の為に裏に生きるしかできなくなった者達の集まりだ。

 故に、ISの改修なぞお手の物。

 竜也は腕部のフレーム以外にも改善すべき点をまとめたレポートを送信し、自身は体を休めることにした。

 

「帰っていたのね」

 

 ふと声をかけられ、そちらに振り返る。

 

「あぁ、スコールか。先ほど戻ったばかりだ」

 

「どうだったの首尾は ? 何だかデュノアは大変だったみたいだけど」

 

「ふん。どうせもう知っているんだろう。――ISの疑似コアの作成には成功した。今、研究員がデータ取りをしている」

 

「その為にデュノア社の社員を犠牲にするなんて、やる事が酷いわね」

 

「そう言うわりには、貴様は笑顔だな。だが、疑似コアの作成の仕方は開示する気は無い」

 

 これにはスコールも顔をしかめた。

 

「当たり前だろ ? 我がコアを欲したのは、龍也と勝負をする為だ。貴様達のくだらん企みに付き合う為ではない」

 

「その為に組織からは莫大な資金を出していたわよね ? だったら、何かしら還元してくれてもいいんじゃないかしら ?」

 

「はっ、例え教えようとも貴様達には“造れない”さ。せいぜいフレズヴェルク・レイジの戦闘データで自身のISでも強化するんだな」

 

「……男性操縦者同士の戦いは貴重ね。はぁ、しょうがない。それで手を打ちましょう」

 

 確かに男性操縦者の戦闘データは貴重な物である。

 秋野龍也の物となれば、欲しがる所は山ほどあるだろう。また、ブキヤが公開していないバーゼラルドのデータも手に入るという。

 こうして亡国企業は龍也の戦闘データを手に入れたのだが、参考にならなかったとぼやくのであった。

 




というわけで、
ちょっとだけゼルフィカールにパワーアップフラグを建て、
スコール達にも若干の強化フラグが……建ちませんなぁ。

さてさて、次回はタッグトーナメントまでお話を進めていきたい!
むしろ、今週中にUPしてぇなぁ……
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