インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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どうも繁忙期で死にかけている私です。社畜から解放されてぇ。

さて、今月はヤクトファルクス出陣ですね!
他は何かあったっけ?
もうあの戦術駆逐刀がたまらん。連結させたら輝くトラペゾヘドロンが簡単に再現できるっ!(おおよその形が似ている、と言いたい)

じゃあ本編行っちゃおう。


四十二話

「みんな必死過ぎるよ……」

 

 龍也は現在、学園内を逃げ回りながら呟いていた。

 登校した直後、クラスメイトからタッグを組んでくれないか迫られ彼は逃げたのだ。

 何やら、学年別トーナメントの仕様が変わり、タッグでないとダメになったらしい。原因は以前の無人機乱入のせいだろう。許すまじ束博士。今度会う時は、何かしてやる、と決意する。

 で、一夏はシャルルと組むと宣言したらしく、残りの一年勢は龍也狙いに変更。また一年で最強である龍也と組めれば優勝は間違いないだろう。

 そう考える生徒もいれば、何やら他にも目的があるらしい。

 

 そして、今は屋上にいた。

 どうやって逃げ切ろうか、と考えた彼は以前、潜入捜査に用いた特殊迷彩スーツをISの拡張領域に入れていたのを思い出し、使用している。

 これは彼が好きなゲームの主人公が使っていた物を再現した装備だ。

 地面に寝っ転がり、景色と同化し優雅な日向ぼっこタイムを楽しみながら、一年勢をどう対応すべきか思案していた。

 

「タッグねぇ……。どうしようか」

 

 一夏はシャルル。セシリアは鈴と組むらしい。箒はどうか ? なんと彼女はラウラと組んだと言ってきた。

 

『一度でいいからお前に勝ってみたい』

 

 剣士としての彼女が闘志を剥き出しにして勝ちを取りに来ていたのだ。

 ラウラも龍也に対して積もる思いもあるのか、タッグを組んだ、と。彼女は軍での経験から、近距離から遠距離は勿論、サポートもやろうと思えばできる万能選手だ。

 そこに龍也によって鍛えられている箒が相方であれば、鬼に金棒ではないだろうか。

 

 恐らく、現時点で脅威なのは箒とラウラ。次点でセシリア、鈴ペアか。でも、シャルルも注意しないといけない。彼女の得意とする高速切替(ラピッド・スイッチ)は中々できる技術ではない。

 

「気を抜くことは出来ないな」

 

 しかし、と口から洩れる。

 誰を相方にすべきか。問題なのは彼の力なのだ。入学後は実力を抑えていたが、GW明けから彼はセーブしていた力を一部解放し始めていた。

 顕著なのは篠ノ乃束との一戦、先日デュノア社で戦った竜也との戦いだ。

 

「あぁ、どうせなら学年関係なしにやってくれればいいのに」

 

 そうすれば迷いなく刀奈と組み無双できるのに。

 あぁ、と嘆くが現実は変わらない。が、はっ、と妙案が浮かぶ。

 

「そうだ、あの娘がいたじゃないか !」

 

 善は急げだ。屋上からダッシュで目的の場所に行こうとドアを勢いよく開ける、が、龍也はすぐに足を止めてしまった。

 否、止められてしまったのだ。

 

「……秋野。授業を欠席して屋上で日向ぼっことは、良いご身分だな」

 

 眼前に立ち塞がるのは、怒れる獅子だ。いや、元ブリュンヒルデなんだから、怒れる戦乙女と言うべきか ?

 ビキビキと眉間に皺を寄せている彼女に、龍也は足を止められてしまったのだ。

 

「い、いやぁ織斑先生。どうもどうも。えっと、これには深い事情がありまして……」

 

「黙れ小僧が。幾ら貴様が特別な立場だろうが何だろうが、ここでは私の生徒だ。さぁ、授業放棄する生徒には指導しないとな」

 

 ニヤァと汚い、とてもじゃないが女性がしてはいけない笑みを浮かべる千冬。

 もう彼女の精神はストレスでボロボロなのだった。そして、積もりに積もったこのストレスを発散する方法を模索していた。

 その時に丁度いいサンドバックが見つかったのだ。逃すわけがない。

 龍也は彼女の表情から今の心理状態を理解してしまい、逃げるに逃げれなくなる。どう考えても原因の一つは自分なのだから。故に――、

 

「はぁ……判りましたよ。織斑先生について行きます」

 

 がっくりと肩を落とし諦めた。

 

「そうだとも。さぁ、行くぞ」

 

 あぁ、最悪だ。と内心ボヤキながら彼は彼女についていくのであった。

 

 

 

 

 時刻はお昼。一夏達は昼食を取りに食堂に来たのだが、着いた直後にある一角に眼がいく。

 

「……あれは龍也だよな」

 

 一夏が恐る恐る言い、箒達もそうだな、と相槌を打つが近づく気にはなれなかった。

 彼らに映る龍也は今まで彼が見せたことが無い状態だったからだ。

 なんと彼が机に突っ伏して倒れているからだ。それだけでなく呻き声のようなのを放ちながら、異様な雰囲気を造っているからだ。

 

 周りにいる生徒達も“近づいてはいけない”と感じているのか、誰もが一切触れないでいる。

 

 当の本人は先程まで繰り広げていた千冬のストレス解消に疲れ切ってしまっていたのだ。

 

 ……くっそぉ、織斑先生め。打鉄を使うと壊れてしまう、とか言って俺から轟雷を取り上げるとは。しかも、初めて使うISでバーゼの動きに着いてくるとか、やはり化け物だよ。

 

 そう、アリーナを一カ所使い存分に模擬戦をして彼女はストレスを発散させたのだ。千冬は存分に実力が発揮できる龍也に対して一切の容赦をせず、だ。

 だが、さすがは元ブリュンヒルデと称えるのであった。なんと彼から轟雷を奪い、少し動かしただけで特性を理解してしまう、拡張領域に詰めてあった武装の類にも瞬時に対応する適応力。

 

 手強かった。それが正直な感想だった。

 

 だけど、めちゃくちゃ疲れた。おかげで喋るのも億劫で呻き声しかあげれずにいる。

 うっすらと開けている視界に一夏達が映るが、今はどうでもいい。俺をゆっくり休ませてくれ、と言わんばかりのオーラを出しつつ体力回復に努める。

 

「何だかとても疲れてるみたいだから、そっとしておいてあげようか」

 

「そうだな……。行くぞ一夏」

 

 一夏は声をかけるつもりだったのか、えっ ? と声を上げながら二人に引っ張られていく。

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいまし」

 

「こらー ! あたしを置いていくな !」

 

 その後をセシリアと鈴が追いかけていく。

 だけども、彼を放っておく訳がない人物がいた。彼女“ら”は彼を見つけるや近寄っていく。

 二人は姉妹だ。髪の色や眼の色も同じだが、妹の方は眼鏡型のデバイスを着けているのが特徴だ。

 

 龍也は二人の気配を感じるが、面倒だったので動かなかった。

 

「ねえ、お姉ちゃん。やめておこうよ」

 

「嫌よ。龍也がこんなに隙だらけなのよ ? ヤるなら今しかないじゃない」

 

 待て、ヤるって何をだ。

 

「ほらぁ、簪ちゃんも。ほらほら♪」

 

 こら楯無さんや。可愛い義妹に何をやらすんだ ? 仕方ない、気力を振り絞ろう。

 

「待てい。こら楯無さんや、可愛い簪に何をさせる気だ」

 

 がばっと勢いよく体を起こし、楯無を睨みつつ、簪を抱き寄せる。

 この娘は何としてでも護らねば。主に楯無の悪知恵からなっ、とは彼の弁である。

 

「え、ちょっと龍也義兄さん、いきなりは恥ずかしい……」

 

「あら♪ やっぱり龍也って大胆よね。あ~思い出すわ。あの時も龍也からだったもんね」

 

「やかましいわ。俺はさっきまで織斑先生との模擬戦をしてて疲れてるの。頼むからゆっくり休ませてくれ……」

 

「あぁ、織斑先生、最近ずっと龍也の事でストレス溜めてたからね。私も幾分かはフォローしてたけど、IS委員会や他国への対応に追われていたしね」

 

「義兄さんも無茶をやりすぎ」

 

「……面目ない」

 

 簪の上目遣いにやられ、素直に謝ってしまう。

 

「で、いつまで簪ちゃんを抱き寄せてるのかしら ?」

 

 おっと、そうだった。いつまでも抱いている訳にはいかない。

 簪は若干、残念そうな顔をしているが気にしないでおこう。

 

「で、二人はこれから昼食かな ?」

 

「うん。義兄さんが帰ってきてるって聞いたから。お姉ちゃんと一緒に探してた」

 

「そうだったか。こっちも丁度良かった。簪に話があったんだ」

 

「私に ?」

 

「あぁ。月末にある学年別トーナメントの相方になってもらいたくてさ」

 

 そうきたか、と言うのは楯無だ。

 

「一夏君達はもうペアを決めてたしね。でも、残念ね龍也」

 

 え ? と言う彼に申し訳なさそうに簪が答える。

 

「ごめんなさい……。もう本音と組んだあとなんだ」

 

「な、なんだと…… ?」

 

 お、俺よりも早く本音が……。くっ、さすがだ。

 

「……だとすれば、俺は一体どうすればっ」

 

 ベストアンサーを奪われ打ちひしがれるが、楯無の声に更なる現実を突きつけられる。

 

「というより、龍也は一人で出場よ」

 

「な、なんですとっ」

 

「んもう、龍也だって本当は考えていたでしょ ? 『自分と組んだペアは優勝するだろう』って。だから、先生方も熟考した結果、一人で出てもらうことにしたのよ」

 

 本当は出場させない方が、都合が良かったのだがその場合、各国への対応で更なるストレスを抱え込むことになりそうだった千冬や真耶が拒否したのだ。

 一人で出しても、彼なら十二分に成果を出すと告げて他の先生方を納得させたのだ。

 

「な、なんだって……」

 

「……義兄さん、さっきから同じような事しか言ってない」

 

 いや、微妙に表情を変えているんだぞ。伝わらないだろうがなっ !

 

「はぁ……だったら、思う存分に暴れさせてもらおうかな」

 

「やり過ぎないようにしてよね」

 

 楯無が言うのも無理はない。既に国家代表並の実力を見せている彼に対峙する生徒はきっとトラウマを抱くだろう。

 

「そこは大丈夫。今回はブキヤの方から、バーゼラルドじゃなくて違うFA型IS――新型の轟雷を使うように言われてるから」

 

「あ、轟雷が完成したんだ」

 

 簪が喜々として反応する。

 実は彼女のIS、打鉄弐式には一部ではあるがFA型ISである轟雷のパーツが使われている。元々、倉持技研が打鉄弐式の開発を行っていたのだが、日本政府から白式の完成を急がれた為に開発ペースが落ちてしまうことがあった。

 これを聞きつけた龍也はブキヤから技術提供と言う形で、轟雷のパーツを提供するのだった。対価として、かなりの金額を吹っ掛けたが、彼らも何としてでも完成させるというプライドから契約を結ぶのだった。

 おかげで、入学した後にはなったが、五月の終わりには受領を終えていた。

 

「あぁ。武装も色々と突っ込んであるから、いい宣伝ができそうだよ」

 

 勿論、龍也が開発に携わっているのでただ轟雷を再現したわけではない。

 先程の千冬との模擬戦でも、彼女はその仕様には驚きを隠せなかった。

 故に、見ている観客も良い反応を示してくれるはずなのだ。

 

「う~ん、おねーさんはそれも怖いかな ?」

 

 どう考えても対戦相手には悲劇しか待っていない。楯無は彼とぶつかる生徒に哀悼の意を示すのであった。

 

 

 




次回、ついに学年別タッグトーナメント開催ッ!

果たして龍也の最初の餌食になる生徒は誰になるのかっ。

輝け轟雷!
そのキャタピラでトラウマを製造だっ!(ぇ
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