インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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よくよく思えば、クラス代表を決めるんだから、代表戦じゃなくて代表決定戦だよなぁ……
と、翌日に思い編集するんやで(´・ω・`)


四話

 放課後。

 一日の授業が終わり龍也は寮の自室でベッドに座りぐっと背を伸ばし、体をほぐした。

 本来なら予定のない男性の入寮は、部屋の準備に時間がかかると聞いていたが政府から貴重な男性操縦者の保護を急ぐ旨を受け、学園が強引に用意したのだった。

 

 基本的に相部屋なので龍也は一夏と同室と思ったのだが、山田先生から渡された鍵の番号は彼とは違っていた。

 違う番号なら一人部屋として使えるのか?一瞬、そう思ったが、現実は違っていた。

 一夏の部屋は龍也の部屋から二つ右にいった所なのだが、一夏が部屋に入った瞬間、悲鳴が聞こえた。

 

 あぁ、一夏よ。ノックぐらいしなよ……。

 どうやら彼の同居人は篠ノ之らしい。ドアからは木刀が突き出ており、彼女が相当な腕力(ぇ)を持っていることを示していた。

 後に聞いた話だが、剣道に通じていたようで実力もそこそこらしい。

 この騒動で、周囲の部屋の女性たちに彼らの部屋が知れてしまうのだが、これも今後、問題にならないよう祈るばかりであった。

 

 さて、そんなところで龍也の同居人は、

 

「で、どうして俺の同居人が――君なんだ?」

 

 目線を下に落とす。

 人の膝を枕にし、機嫌良くしているのはこの学園の生徒会長である更識楯無、彼女であった。

 

「まぁまぁいいじゃない。一応、あなたの警護、という意味で同居させてもらってるんだから」

 

 警護ねぇ。どうせ生徒会長の権力を使ってねじ込んだんだろうな。俺は一向に構わんがな!!

 

 そもそも秋野家と更識家は古い付き合いだ。もちろん裏の世界での話だが。過去には敵対することもあったが、現在では良好な関係を築いていた。

 きっかけを作ったのは龍也と楯無だった。

 たまたま同じ任務を二人で行うことがあり、その時に“何か”があり両家は関係を改めるのだった。

 更には二人を婚約させる、という暴挙にまで発展していた。本人たちはその気なので問題はないのだが、婿養子なのか嫁にくるかで揉めるという比較的規模の小さい争いが裏で行われているのだった。

……本当に良好なのか、とたまに疑うこともあるが。

 

「そう言えば二人きりの時は呼んでもいいんだったよな?」

 

 彼女は視線をこちらに合わせて応えた。

 

「……刀奈」

 

「なぁに、龍也」

 

 彼女の甘い匂いにだんだんと脳がやられてくる。

 きっと狙ってやっているんだろうな、と思いながらもゆっくりと顔を近づけていく。

 その後は――。

 

 

 

 

 何やかんやがあった後。

 時刻は21時を指していた。妙に顔がツヤツヤしている刀奈が上機嫌に龍也にくっついていた。

 

「ところで、来週おもしろい事するらしいわね?」

 

「クラス代表決定戦の話か。学園中に知れ渡っているな……」

 

「私は見に行けないけど、あとで映像見させてもらうからね。頑張ってね」

 

「頑張るもなにも決着はもう見えてるんだけどな」

 

 龍也は断言する。既にこの結果は見えていると。

 そう言う彼の顔はとても楽しそうだった、と彼女は後に語った。

 

「それはそうと、刀奈さんや。お願いがあるんだがいいかな?」

 

「なにかしら?お姉さん、何でも聞いちゃうわよ」

 

 学年で言うと彼女が二年生なので上だが、年齢は同い年なのに。

 しかし、“何でも”と彼女はおっしゃりましたね。フヒヒヒ……。

 彼はニヤッと笑みを浮かべ、

 

「実はこれからなんだけど、バーゼラルドの稼働データから更なる発展機を開発する予定があってね。それのテストパイロットをお願いしたいんだ。良いかな?」

 

 そうね、と彼女が少し考えるが、どこからともなく了承と書かれた扇子を目の前で開くのであった。

 

「ありがとう!!まぁ、既にロシア政府には交渉してあるから刀奈の返事待ちだったんだけどね!」

 

「え~……。仮に私が断っていたらどうしたの?」

 

「うん、凄い事しようと思っていた」

 

 真顔でそういう彼に彼女も呆けるのであった。

 たまに私も考えちゃうのよね、彼のどこを好きになったんだろうって……。

 

 

 

 

 それからあっという間に一週間が過ぎクラス代表決定戦当日となった。

 ISの訓練もしたかったのだが、残念な事にアリーナが使えず訓練できないまま当日を迎えてしまうのだった。

 龍也は入学前にみっちり訓練をしていたのでマシだが、一夏が可哀想で仕方なかった。訓練用のISである打鉄も予約で一杯、アリーナも使えない。

 それで、彼がどうしていたのか、と聞くと、篠ノ之によって剣道の指導を受けていたそうで。

 確かに修行も大事だが、ISを使っての訓練が出来なかったのは痛手だろう。しかも、彼にも専用機が用意される話だったが、未だに間に合っていない。どうやら渋滞に巻き込まれ遅れているようだ。

 したがって、試合はまず龍也とオルコットからになった。

 

 龍也がバーゼラルドを纏う。全身装甲で頭部まで覆われ表情は見えない。装甲の色は白と赤。全身にフォトンブースターを配置した高機動型だ。

 ゲートが開き、ゆっくりと歩いていく。足取りはしっかりとしており、堂々とした登場に観客席にいる観衆たちも歓声をあげる。

 

 てっきりオルコット嬢を待たせていると思っていたが、こちらの用意が早かったか。

 

 そう思っていると、対面のゲートから青い光が飛び出してきた。

 空に舞い上がった光は空中で静止し、こちらを見下ろした。

 

「お待たせしましたわ」

 

「いや、女性は色々準備があるからね」

 

「感謝しますわ。でも、試合は全力でお願いしますね?」

 

 オルコットは右手に大型のレーザー銃器――スターライトMkⅢを構え戦闘態勢をとった。

 

「ああ、もちろん。こちらも楽しみにさせてもらうよ、候補生の実力をね」

 

 二人が準備できたことを確認し、織斑先生が試合開始を告げるように山田先生に指示をした。

 それに応え、試合開始のゴングを彼女は鳴らした。

 

 開幕直後、彼女のスターライトMkⅢが火を噴いた。正確な狙いの一撃が龍也を襲う。

 ハイパーセンサーはアラートを鳴らしたが、それよりも早く彼は体を横にずらし回避した。オルコットも避けられると思っていたのか、既に二射目、三射目を放っていた。

 実に正確な狙い。故に避けるのもたやすい。

 動く。前に、時には円運動で回避。

 オルコットは彼の動きに焦らず実直にトリガーを引く。彼がIS初心者だからといって慢心はしない。きっと、過去の自分なら、男性を卑下していた自分なら違う思いでここにいたと思う。

 しかし、今は違う。

 私は彼の生身の実力を知っている。だから、油断も慢心もしない。

 

 最初から、全力全開で戦う。一切の手は抜かない。

 

「とてもISに乗りたての人の動きとは思えませんわね!」

 

「そちらも正確な狙いで素晴らしいよ。でも、これだけじゃないんだろ?見せてくれ、ブルー・ティアーズの力を!」

 

 龍也は両手にバーゼラルドの固有武装、セグメントライフルを呼び出した。

 上空を向き、オルコットを注視する。全身装甲で彼の表情は見えないが、彼女は全身を射抜かれるような強烈な視線を感じる。

 今、この瞬間だけは彼は私を見ている、と思うと気持ちが昂ってくる。

 テンションは最高潮に達し、彼女は次の攻撃に移る。

 

「行きなさい!ブルー・ティアーズ!!」

 

 機体の名の由来にもなったフィン状のBT兵器が攻撃を開始した。四基のブルー・ティアーズは互いの射線を確保しながらこちらを捉えてくる。

 全方位からの攻撃、避けにくいようご丁寧に死角を狙ってくる。同時にオルコットもスターライトMkⅢで攻撃してきていた。

 一年前の彼女ならBT兵器を操っている間は、そちらに集中し自身で攻撃することは出来ない弱点を抱えていたが、どうやら克服しているようだ。

 なので、ISでの稼働時間が圧倒的に足りない龍也には少々厄介だ。バーゼラルドもフィッティングは終わっているのだが、まだまだ機体には改良の余地があり最適化されておらず、龍也の動きに着いてきていない場合があるのだ。

 

 いっそのこと生身で戦いたいなぁ。それなら余裕なのに。

 と、まだまだこんな事を考える余裕はあるのだから、大丈夫か。

 

 思考はクリアーだ。オルコットの攻撃も全て視えている。こちらの射撃は避けられてはいるが、問題はない。

 そろそろ転じよう。射撃はあまり得意じゃないしな。

 

「オルコット嬢!俺もそろそろ本気で行かせてもらうぞ!!」

 

 その言葉に観客たちは驚いた。

 IS初心者が代表候補生と十二分に渡り合っているのを見て、きっと全力なんだろ、と思っていたからだ。

 当の彼女はようやくか、と、

 

「ええ、いいですとも!」

 

 ブルー・ティアーズとスターライトMkⅢの波状攻撃を回避しながら、セグメントライフルを量子空間に収納、次に取り出す武器は、

 

「ブレード!?」

 

 観客の一人が声をあげる。

 そう、彼が取り出す武器は刀。身の丈はあろう、という日本刀だ。腰のハードポイントに装着し、柄に手をやる。

 次の瞬間。彼の姿は地上から消えていた。

 

 どこに行った、そう考える前にオルコットは全力で後方に退いた。同時に爆発が起きた。

 周囲にあったブルー・ティアーズが四基とも斬られ、バーゼラルドが目の前にいたのだ。

 これに彼女と観客も唖然とした。

 

 あの時、退かなければわたくしも斬られていましたわ……。

 

 オルコットは冷や汗をかき、距離を取る。

 管制室にいる教師陣も驚いていた。

 

「せ、先輩。秋野君って……」

 

「……彼の動きは初心者レベルなんて生易しい物じゃない。代表レベルと言っても……」

 

 政府から来ている報告書は事実なのか?

 

 手元にある秋野のデータを確認する。たった二ヵ月。時間にしては二百時間にも及ばない稼働時間。

機体のバーゼラルドは高機動型のIS。全身のブースターを使えば瞬時加速を使ったかのような動きはできる、と報告書には書いてあったが、まさか彼がそれに加えて瞬時加速を使えるとは思わなかった。

 圧倒的な加速力と機動力。しかも、直線方向に加速するのではなく、各ブースターの出力をマニュアルで調整し、横方向にも同様に加速、連続で一連の動作を行い、一気にブルー・ティアーズに接近。

 あとは刀を抜き斬るだけ。それを四回行って見せたのだ。

 

 秋野、あとでたっぷりと話を聞かせてもらおうか。

 

 鋭い視線をアリーナに向ける織斑千冬。それに龍也は気づくことは無かった。

 

「くっ、瞬時加速……ですわね。しかも連続使用で」

 

「ご名答!これでオルコット嬢の戦力はその銃だけだな!」

 

 地上に着地し、刀の切っ先を彼女に向ける。

 そうしながら内心はやりすぎた、と考えていた。

 バーゼラルドに無茶をさせ過ぎたのだ。瞬時加速の連続使用で、各部の関節は悲鳴をあげていた。

 目に見えるモニターにはレッドアラートが幾つか見えていた。また、思った以上に瞬時加速にエネルギーを消費したのか、半分以下になっていた。

 この辺りは今後の宿題として、次で決めに行く。

 大地を蹴り、空中に身を飛ばす。瞬時加速ではないが、各部のブースターの出力を調整しながら、速度をあげて彼女に迫る。

 

 オルコットもじっとしているわけではない。スターライトMkⅢは龍也に向けながらも、動き続ける。

 アリーナは広いのだ。広さを活かさないのは愚直だ。決して自分に近づかせてはいけない。止まってもいけないし、停止位置を予測させるわけにもいかない。だから、動き続けた。

 狙いは多少、荒くなるがスターライトMkⅢでの牽制も忘れない。

SEに余力のない龍也には牽制とはいえ十分に脅威ではあった。

 

 龍也は接近するためにアサルトライフルを呼び出し、弾幕を張る。

 目的は相手の動きを制限させる為だ。

 そこはさすがの代表候補生。目論見はバレバレで、スターライトMkⅢでうまく逃げ道を作り、回避していく。

 

 一進一退の攻防は続いたが、決着は着くものだ。その時はきた。

 幾度目かのスターライトMkⅢのレーザーを左に避けた時だ。

 

「なっ!?」

 

 左脚部の関節が爆ぜた。ついに関節が耐えれなくなったのだ。右足と各部のブースターの制御で転倒しないまでも、体制は崩れた。

 絶好のチャンス。

 オルコットは体制の崩れた龍也に隠し玉をぶつけた。

 

「今です!頂きますわ!」

 

 ブルー・ティアーズの腰部からパーツが外れ、ミサイル型のビットが二基発射される。

 とっさにバーゼラルドの胸部に配置されている防御フィールドを展開するが、しまった、と舌打ちをした。

 

 FAのバーゼラルドをよく知っている人なら、あの防御フィールドを展開すればどうなるか、分るであろう。

 そう、エネルギー消費がとんでもないのだ。

 

 防御フィールドによって攻撃は防げたのだが……。

 

『試合終了!勝者、セシリア・オルコット!』

 

 残っていたエネルギー全てが消費されてしまったのだ。

 何ともお粗末な結果になってしまった。

 

 




何日かに分けて書いてたら、だらだらとした文章になっていた……。
疾走感が欲しい。

そして、オリ主無双はまだまだ先なのであります。

バゼちゃんも一号機以外はABSAユニット排除されてるもんなぁ。

次回は、セッシーとイッチーで、お茶を濁します。

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