インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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あらあら、気づけば二月ですよ。

お待たせしております。


五十二話

 臨海学校、二日目の朝。

 時刻は九時をまわろうとしていた。今日行われるのは、専用機組は国から送られてきたテスト装備のデータ取り、他は学園から持ち出された訓練機での訓練となっている。

 既に生徒達はそれぞれの先生達と分かれて始めていた。

 専用機組は織斑千冬、山田真耶が受け持ち、彼女らの前にはISスーツに着替えた龍也らがいた。その中には専用機を持っていない箒も交じっていた。

 

「さて、諸君らはまず国から送られてきている装備のテストからだ。だが、その前にだ」

 

 篠ノ之、と声をかけ前へ呼ぶ。

はい、と答える彼女の声はいつもの凛々しさが薄れていた。おや ? と思う一夏らだがそもそも専用機を持っていない彼女がこちらのグループにいるのかと考えていた所だ。

 ただ、龍也は知っているようでやれやれ、といった表情をしている。

 

「篠ノ之、お前に客だ」

 

「……龍也から聞いていましたが、本当に来たんですね」

 

 彼女が拒もうが既に来てしまっている。自分からは強く求める事のしなかった “力” を与えに訪れるのだ。

 その人はすぅ、とまるで最初からいたかのように “真紅のIS” と共に箒の前に現れた。

 

「あれれ ? 来ちゃいけなかったかな ? でも、私は箒ちゃんに会いたかったんだけどな~」

 

 頭にウサミミをつけ、不思議の国のアリスのような服装をした女性の出現に驚く面々。

 

「あぁ……束さんか……」

 

 一夏はなるほど、と箒の態度に納得する。彼女が姉に抱く気持ちを知っているからだ。しかし、他の面々は彼女がかの “天災” と知り驚きを隠せなかった。

 そりゃあ、絶賛、行方不明中の人物が――ISの生みの親が現れれば、そう反応してもおかしくはない。

 

「えっと、龍也さんはご存知で ?」

 

「ん。彼女とは何度か会っているよ」

 

 ふーん、と眼を細めるセシリア。シャルロットも彼女の雰囲気からほほう、と龍也に熱い視線を送る。

 

『コイツ、何か隠してる』

 

 あとで絶対に関係を吐かせる、と硬く心に決める彼女らであった。

 

「束、この後も予定が詰まっている。さっさと用事を済ませろ」

 

「もー ! ちーちゃんはせっかちだなぁ。箒ちゃんにたっくんも何か言ってよ !」

 

「えー……私もなるはやでお願いします」

 

「束博士。俺も早く箒に受領させて訓練を始めたいんで」

 

 箒と龍也からもホラ早くしろよ、という態度にガーンッと自分で効果音をつけながら項垂れる束。だが、彼女の立ち直りの速さも天才的だ。

 

「チッ、最近たっくんも私に対して冷たいし。……ま、それよりも。さぁ、これが箒ちゃんへの誕生日プレゼント !」

 

 隣に立つ真紅のISを指差し、高らかに彼女は名を叫ぶ。

 

「これがっ ! 第四世代型ISにして “天災” 束さんが初めて開発したFA型IS、 “マガツキ・紅天” !」

 

 姿はフレームアームズ・マガツキがベースになっており、そこへ巫女装束の様な形状をした増加装甲が全身に散りばめられている。

 また各部に存在するTCSオシレーターⅡ型は蒼く輝き、武装は二本の大太刀だけ。

 雄々しく立つ鎧武者の姿に皆は釘付けになる。

 ちなみに第四世代型ISと言ったことにどよめきが生じるが、束はここぞとばかりに説明を始める。

 

「そうっ、このマガツキは第四世代型 ‼ なんとなんと、全身の装甲は展開装甲仕様 ! 攻撃・防御・機動と用途に応じて切り替えが可能ときたもんよ。これこそ第四世代の醍醐味である即時万能対応機っ ‼ さすがは私だね ‼」

 

 まぁ、これがどれくらい凄い事なのかと言うと、現在各国のIS開発者はようやく第三世代型ISの一号機が出来始めたころなのだ。なのに、なのにだ。

 それを軽く一世代超えたのだ。

 

「束、やりすぎじゃないのか ?」

 

「テヘッ。ちょっと熱中しすぎちゃった」

 

 可愛いく言っているつもりだろうが、やり過ぎもいい所なのである。

 

 これを、あの人は私にプレゼントだと…… ?

 

 妹の誕生日プレゼントにISを渡すなんて常識外れにも程があるが、姉の事を考えるならしょうがないのかと諦めてしまう。

 

 今の私は受け取っても良いのだろうか。マガツキを目にし自問する。

 

 確かに力を求めた事はある。一夏の隣に立ちたいと願った自分がいた事は紛れもない事実。だが、一夏が龍也と出会い、変わっていったのを見て思い直したのだ。

 

『大きな力を持つ者は、正しく行使しなければならない』

 

 大丈夫。私は彼の言葉を聞いて思い直したんだ。かつての私のように力に溺れはしない。大丈夫だ。

 

 箒はマガツキに手を伸ばし触れる。

 赤い光が周囲を包み集束した後にそこには、マガツキを纏った箒が佇んでいた。

 体を軽く動かしてみる。腕を振り、足を動かす。

 自分が思う感覚に機体の動きはついてくる。

 

 馴染む。打鉄や轟雷を使った時とは感覚が違う。これが…… “私の専用機”。

 

「馴染むでしょ ‼ 今の箒ちゃんにバッチリに合わせてあるからねっ ‼」

 

 姉の言う通りこのISは彼女に完璧に馴染んでいた。最初からこれほどの完成度に迫れるのは恐らく篠ノ之 束以外に存在しないだろう。

 

「えぇ、私の思うとおりに動きます」

 

「そうでしょ、そうでしょ ‼ さぁ、細かい調整やっちゃおうか ⁉」

 

 よっしゃあっ ‼ とハイテンションの束がマガツキの調整を始めていく。

 

「よし、篠ノ之はそのまま束とISの調整をしておけ」

 

 千冬はそう言うと龍也に視線を合わせる。

 彼はこくん、と首を縦に振ると皆の前に出て振り返り声を上げる。

 

「では、ここからは俺が。えー、みんなは国から送られてきた装備のデータ取りが主な作業になると思うけど、ある程度作業が進めば模擬戦をしたいと考えている。これは、織斑先生と山田先生に相談して許可を貰ってあります」

 

 ふむ、と一同が納得する中で問題なのは模擬戦の内容だ。普段の訓練では龍也一人に対して、二名以上でやることもある。

 さて今回は ?

 

「やり方はいつもやってる訓練と同じで戦闘不能状態になるまでだが……」

 

 龍也はフフッと笑みを浮かべ、自身の背後にバーゼラルドを展開する。

 だが、彼の機体は皆が見慣れている機体ではなかった。

 全身に追加装甲を纏ったシャルロットとラウラ以外は見た事のあるゼルフィカールの状態。しかし、変化はこれだけではない。

 両肩、脚部のスラストシールドと両腕部に刃状の武装が追加され、右手には剣のような武装を、左手には花弁のような形をした盾を持っていた。

 またカラーリングも紅白だったのに対し、黒と紫という色に塗り替えられていた。

 

「この新生した“ナイトエッジ”のテストも兼ねて、全力でやらせてもらうぞ ‼」

 

 

 




さてさて、なんともフワッとした内容になってしまいましたが、
今回の話は要約するとこの三点!

一つ! 箒ちゃん専用機を手に入れる!

一つ! ついにバーゼラルドがナイトエッジ仕様のカスタマイズ機に!

一つ! やったね全力全開の龍也君と模擬戦だよ!

以上、三点になりますね。

……次の更新はもっと早めにしてぇなぁ
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