インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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六話

 一夏とオルコットの試合は結果だけを見れば、オルコットの勝利で終わった。

 当然、という結果ではあるが一夏もフォーマットとフィッティングの時間を稼ぐだけの動きはでき、素人ながら喰いつくガッツは見せてくれた。

 しかし、彼のISである白式の単一仕様能力がいけなかった。

 

 零落白夜。

 

 自身のSEを消費してのSE無効化攻撃。これを使ったせいで残り少なかったSEが枯渇し、負けてしまったのだ。

 何とも言えない負け方に彼自身も納得はいっていなかった。

 この試合を見ていた龍也もこれは仕方ない、といった顔をしていた。

 初見で把握するのは彼には難しいだろ、と。

 

 とはいえ、自分ならそんなミスをするのは致命的でマズイと考えていた。

 では、オルコットとの試合はどうだったのか?

 答えは簡単だ。元より負けるつもりだったのだ。

 クラス代表なんて面倒な仕事をしたくなかったし、表に出過ぎると素性がバレることにもなる。そうなると仕事がし難くなるため、体のいい理由をつけて避けるつもりだったのだ。

 今回はたまたまバーゼラルドの欠陥を利用でき、周囲にももっともらしい感じにはなっただろ。

 

 仮に勝利していたらどうだったか?

 連続使用した瞬時加速で関節が限界で次の試合はできません、と言うつもりであった。

 実際、その後も予定されていた試合に関してはこの言い訳で通させてもらっていた。

 

 さて、そんな龍也だが今は生徒指導室に連れて来られ着席させられていた。目の前には織斑先生が腕を組みながら座っていた。

 

「言いたいことは判るな?」

 

 視線は鋭く、隣にいる山田先生がオロオロとするほどの雰囲気だ。でも、彼は平然とこう答えた。

 

「いいえ、何のことやら……さっぱり判りません」

 

「ほう……。ならば言ってやろう。お前は何者だ?」

 

「何者、とですか。はて、日本政府とブキヤから報告書が出ていると思いますが?」

 

「あくまでとぼけるつもりか」

 

 彼女の言いたいことは判る。IS操縦時間があまりにも短すぎるのに、戦い慣れしていることや高度な操縦テクニックが気になるのであろう。

 どう答えるべきか。IS操縦なんかは普段の戦闘の延長で動いたら、自由自在に動けてブキヤスタッフも驚いた、なんて素直に言えないし。悩みますな。

 

「とぼけると言われましても。実際にIS操縦時間は二百時間には満たしてもいませんよ。まぁ、武術には精通していますので戦闘の練度は高いとは思いますが……」

 

 当たり障りのない回答でお茶を濁したいが、織斑先生は納得してはいないご様子。

 ひしひしと冷たい視線を感じるが、本職について話すことは出来ない。織斑先生が日本政府と深い繋がりなら答えてもいいのだが、そうではない。余計な事を知り、突っ込まれるのは鬱陶しいことこの上ない。ブキヤにもこの事は徹底して漏らすな、と言ってあるし大丈夫だとは思うが。

 

「うーん、納得できないという感じですね。では、織斑先生はどうしたいんですか?」

 

「私たち教師にはこの学園の平和を守る義務がある。そこに不安要素があるわけにはいかない」

 

 単刀直入であった。

 ふむ、どうしようかな~~。平穏に学園生活を送って俺のISの情報を狙う輩から避けたいのに。超ピンチじゃないか。しょうがないか……?

 

 龍也はハァ、とため息を一つこぼし胸ポケットからスマートフォンを取り出した。

 電話帳を開き、目当ての相手に電話をかける。織斑先生が何か言いたそうにしたが、右手で制止する。

 三コールで相手が電話に出てくれた。

 

「……どうも龍也です。突然すみませんが、今、お話ししていても大丈夫ですか?……ありがとうございます。実は折り入ってご相談がありまして。ええ、ご理解が早くて助かります。では、電話を代わりますのでお願いします」

 

 龍也が織斑先生にスマートフォンを差し出した。

 

「織斑先生。この電話の方と話をお願いします。そうすれば、あなたの不安要素が少しは改善されるハズです」

 

 彼女は無造作に彼からスマートフォンを取り、話をした。

 

「お電話を代わりました、織斑です。……!」

 

 一瞬、驚愕の顔をしたが、すぐに冷静な表情で話を続けた。

 数分もしない内に電話が終わり、彼女は疲れた顔をしていた。

 こちらにスマートフォンを返すと、

 

「……事情は判ったが、誰が相手かくらいは話せ」

 

「まぁまぁ。それよりも、私の事については納得していただけましたか?」

 

「ああ、まったく。今年は大変な一年になりそうだ。あまり私に負担をかけさせないでくれないか?」

 

 善処します、と言いながら彼は席を立ち部屋から出て行った。

 そのタイミングで今まで話をしてなかった山田先生が織斑先生に尋ねた。

 

「先輩、一体、秋野君は誰に電話をしたんですか?」

 

 その問いに数拍の間をあけてから答えた。

 

「山田君。君は口が堅い方だから話すが、これから話すことは他言無用で願いたい」

 

 彼女はコクリと頷き、話を促した。

 

「電話の相手はこの国の総理大臣だ」

 

 え?と彼女は驚くが、構わず話を続けた。

 

「『彼は信頼に値する男だ。我々も度々力を貸してもらっている。安心できるかはこれから判断してみてくれないだろうか?』と言われたよ」

 

 つまるところ、政府からの命令だ。彼について詮索するな、という。

 困ったような顔をしながら、山田先生が呟く。

 

「今年、一年は本当に大変そうですね」

 

 全くだ、と織斑先生は俯いた。

 

 

 

 

 龍也は学園と寮の間にある庭園にいた。

 先ほどの戦闘で破損したバーゼラルドについてブキヤに報告をしていた。

 

「いや~アキさん、すいません!バゼちゃんの関節逝ってしまいました!」

 

 アキさんはブキヤのIS開発部門の主任だ。ロマン溢れる男性で、ノリの良い人物だ。

 

『はぁ?たっちゃん、もしかして連続で瞬時加速とかしちゃったのか?』

 

「……アキさん、勘が良すぎるのは命を短くしますよ」

 

『当たりかよ。瞬時加速ですらまだ使わないでね、と念を押してあっただろうに。まぁいいや。修理はたっちゃんできるよな?』

 

 当然、と返すと、

 

『そしたら、修理部品一式と開発が完了したM.S.Gを送るわ』

 

「あ、提案してあったM.S.G完成したんですか!?」

 

 M.S.G。モデリングサポートグッズ、のことだ。実際にプラモデルでもある追加武装のシリーズなのだが、それをIS用に再現しよう!と幾つか龍也が提案をしてあったのだ。

 それが完成したのか、と喜ぶ。

 

『そう。って、言っても再現しやすい物からしか造れなかったけどな』

 

「いえ、十分ですよ。楽しみにしてます!」

 

『おう、そうしてくれ。急いで準備させて明日の朝には学園に届くようにするから』

 

 了解、と言って通話を切る。

 一体、どのM.S.Gが完成したのか楽しみで仕方なかった。

 

 

 一方、オルコットに負けた一夏君は。

 

「うぐぅ……」

 

 道場で篠ノ之に鍛えられ力尽きていた。

 




オルコットと一夏の試合内容はカットッ!
次回はバゼちゃんに新しい武装が追加されるよ!
やったね、バーゼラルド。
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