インフィニット・フレームアームズ~俺アームズでブンドド~   作:たちゅや

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戦闘描写は難しい


八話

 修理が終わったバーゼラルドを纏い龍也はアリーナにいた。

 アリーナの使用許可を申請しておいて良かった、と思いながら新たな武装を実体化させる。

 両手に現れるは片刃の大剣。

 軽く振り、重さを確かめた。

 

 軽いな。もう少し重さがあってもいいんだが。

 

 そう思いながらバーゼラルドのインターフェイスを操作し、視覚に仮想敵を出現させた。

 これはブキヤで訓練するのによく使っていたVRをISに搭載し、訓練に使えるようしたものだ。今、龍也の目の前には仮想敵としてフレズヴェルクがいた。しかも、アーテルだ。

 これも彼の趣味だ。

 

 バーゼラルドの訓練をするなら、想定する敵はやはりコイツだな。

 

 くく、と喉を鳴らしながら訓練開始のボタンを押し、戦闘態勢を取った。

 目の前にいるアーテルも大型の鎌ベリルスマッシャーを構えた。

 カウントがスタートした。

 

 三、二、一……GO!

 

 最初に動いたのは龍也だ。

 初撃は右の大剣で斬り込む。

 アーテルは左のベリルスマッシャーで受け止め、逆の手のベリルスマッシャーを胴めがけて振る。彼は左の大剣でそれを防ぎ、一旦距離を開けるべく後退する。

 だが、アーテルは前進しすぐに距離を詰めてくる。

 ベリルスマッシャーの形態を変え、アックスにし振りかざした。右の大剣で受けるが一撃が重かった。

 

 片手で凌ぐのは中々骨がいるな!

 

 このVR訓練で凄いのは、攻撃の重みを感じ取ることができるところだ。より実践に近い状態で訓練ができるので、非常に有益なのだ。

 だから、IS学園に入学するまでの間はこのVR訓練が日課だったのだ。

 

 さて、大剣のままでは威力は出ても小回りが利かない。

 ならば、と龍也は左の大剣を腰のハードポイントに付け、右手の大剣を解体した。

 

 そう、今回使っている大剣は幾つかの武器が合体した武器なのだ。

 なので組合せを変えることで様々な武器に変化する。

 

 右手にはショートソード、左手にはナイフを握り立ち向かう。

 相手のベリルスマッシャーも形態変更ができるが、どれも大型に変わりがない。だから、懐に入ってしまえば対応がしやすい。

 だが、このアーテルは近接に特化したバリエーション機。その程度はすぐに対応されてしまう。

 ベリルスマッシャーをグレイヴにし、突きと斬りの交互で攻めてきた。

 

 両手の武器で受け流しながら、こちらも速度を活かし連続で斬りつける。

 互いに斬撃に斬撃を重ねる。

 

 速い。

 

 誰か見ている者がいれば呟くだろう。

 どちらも高速戦闘をする機体だ。まだ速度は上がる。

 龍也は瞬時加速で後退し、大きく距離をとる。

 

 今までは正面からの攻めばかり。この武器もようやく馴染んできた。ならば、もっと速度を上げていく!

 

 全身のブースターで一気に機体を前に押し出した。

 これは瞬時加速ではないが、速度的には同等の速さが出ている。アーテルの目の前まで迫る。向こうは左右のグレイヴで突きを放った。

 

 ここで!

 

 速度を変えないまま機体を右に動かし、側面に周りショートソードで斬りかかる。

 アーテルの目が不気味に輝き、その場から消え去る。

 

「上か!」

 

 フレズヴェルク。

 この機体の厄介な所は変形することだ。サイドワインダーと呼ばれる飛行形態で並みの機体では追いつけないのだ。

 

「でもな、このバーゼラルドは‼!」

 

 再びフォトンブースターを吹かし、空へと飛びあがる。

 

「対フレズヴェルク用のFA――今はIS――の力を見せてやる‼!」

 

 分解してあった武器を元の大剣に戻し、もう一本の大剣と組み合わせた。

 これぞ、この大剣の神髄。

 

「ユナイトソードの力で叩き斬る!」

 

 高速で飛翔し、突撃してくるアーテルに対しユナイトソードを上段に構えながら追いかける。

 伊達に多数のブースターを付けているわけではない。アーテルに追いすがり、攻撃をする。

 振りかざした一撃を軽々避けながら、アーテルは飛行形態から人型に変形し、鎌形態のベリルスマッシャーで交互に斬りつける。

 ユナイトソードの腹で受けながら、押し返し吹き飛ばす。

 しかし、さすが空戦にも強いアーテル。態勢はすぐに整えられる。

 

「良し、そろそろ次で決めるぞ!」

 

 正眼の構えでアーテルを迎え撃つことにした龍也。

 そんな気も知らず、向こうは最高速で突っ込んできた。

 瞬時加速のような速さ。攻撃も速さを乗せたままのアックスに変形させたベリルスマッシャーの一撃が来る。

 

 ここで、ユナイトソードの力を更に使う!

 

 ユナイトソードでアーテルの攻撃を薙ぎ払う。

 

 少し確認をしようか。実際のユナイトソードにはブースターが付いていることを覚えているだろうか。

 実は今、彼が使っているユナイトソードもそれも再現している。

 一本のユナイトソードに二つのブースター。

 更に合体させたユナイトソードなら四つのブースターが付いている。

 

 それじゃあ、もしこのブースターの出力を改造し、バーゼラルドのフォトンブースターと同程度にしてあったとしたら。

 四つ同時に吹かしてみたらどうなるのか。

 やってみましょう。

 

 龍也はユナイトソードのブースターを吹かし、薙ぎ払った態勢から機体を回転させる。この回転で生まれた速さで更にアーテルに斬りつけた。

 

 さすがのアーテルも二つのベリルスマッシャーでこれを受け止めるが、

 

「全ブースター!一斉噴射っ!」

 

 勢いで剣を思いっきり振り切り、アーテルを地上へ叩きつけた。

 叩きつけられたアーテルはポリゴンの塊になり霧散していった。

 設定されていた数値を削り切ったのだ。

 

 龍也はふぅ、と息を吐き地上に降りた。

 

「いやぁ、ユナイトソードはやっぱりこの二剣を合体させた状態が良いな!それに、この関節パーツも強化してくれてあったから、これだけ速度を上げたのに負荷の掛かり方が違う。ブキヤのスタッフには感謝だな」

 

 ユナイトソードを格納し、バーゼラルドも待機状態にする。

 時間にして三十分だったが、汗がびっしょりだった。

 

「はぁ、汗が気持ち悪いな。さっさとシャワーを浴びて休むか」

 

 龍也はさっさとアリーナから出ていく。

 その光景をこっそりと覗いていた少女がいた。

 

「……一体、龍也さんは何と戦っていたんでしょうか」

 

 彼女には龍也が一人で動いている様しか見えなかった。

 

 VR訓練。

 それはこのシステムを搭載した機体でなければできない訓練方法。故に、第三者が見れば一人でチャンバラをやってるようにしか見えない、虚しいシステムなのであった。

 

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