剣の奇跡 鋼鉄の城に生きる八葉と妖精   作:銀炭

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時間かかったのに最後の方が雑に・・・展開があああああ


正式チュートリアル

「私の・・・世界?」

 

ポツリと、誰かが呟いた。

 

『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

 

「カヤバアキヒコ?リィン、誰それ」

 

「・・・この世界を作った張本人だ、説明書に書いてあった」

 

説明書にある情報だけだが、リィンも知ってはいた。そして、その無機質な声に違和感を覚えた。

 

(何故製作者自身が今出てくる?何か不具合があったのなら、他の人に任せて修正を優先するはず)

 

無機質な声から焦りや苛立ちは感じられない。むしろこうなる事を予想していたかのような──────

 

「まさか・・・!」

 

リィンが何かに気づいたとき、茅場は、絶望を叩きつけ始める。

 

『プレイヤーの諸君は、既にメインメニューからログアウトボタンが消えていることに気づいていると思う。・・・しかし、これは不具合などではなく、このゲーム本来の仕様だ』

 

本来の仕様、不具合ではない。その言葉が、プレイヤーを混乱させ、不安を煽っていく。

 

『諸君は自発的にログアウトすることは出来ない。・・・また、外部の人間によるナーヴギアの停止、解除もありえない。それを試みれば、装着者はナーヴギアから発せられる高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる』

 

それが意味するのは『死』。ゲームの中ではなく、現実世界からの永久退場となる。マイクロとか聞いたことがない二人でも、『生命活動の停止』という一言だけで理解できた。

 

『・・・忠告を無視し、ナーヴギアの破壊、解除を実行したものが既に何人もいる。その結果───────』

 

 

『───────残念ながら、213人ものプレイヤーがこの世から永久退場している』

 

 

死の現実を告げられる。

 

戯れ言なのかもしれない、むしろそうであって欲しい。だが、無機質な声が、プレイヤーたちに事実として認識させる。

 

『諸君が向こう側に置いてきた肉体の心配をする必要はない』

 

空中にホロウィンドウを展開し、そこに映るものをプレイヤーたちに見せる。

 

『見てのとおり、現在テレビ・ラジオ・ネットメディアはこの状況を繰り返し放送している。無論、死者が出た事もだ。これにより、現実で君たちがナーヴギアをどうこうされることはないだろう。・・・今後、諸君の肉体は病院やその関連施設に送られ、厳重な介護措置を受けるはずだ。安心してゲーム攻略に取り組んでほしい』

 

「ふざけるなっ!!こんな状況でクリアしろっていうのか!?こんなゲームでもないものを!!」

 

「・・・・・・そ、そうだ!さっさと終われよ!!趣味ワリィぞ!」

 

黒髪のプレイヤーと、バンダナをしたプレイヤーが叫ぶ。

しかし、それを無視して茅場は続ける。

 

『ここからは攻略する上で最も重要になる部分だ、よく聞いてほしい。諸君にとって、《ソードアート・オンライン》はただのゲームではない、もう一つの現実とでも言うべき世界だ。・・・・・・今後、リスポーンなどのあらゆる蘇生手段は意味をなさない。ヒットポイントが0になると、アバターは永久に消滅し──────』

 

 

 

『──────諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される』

 

 

 

リィンは自身のHPバーを見る。

 

    HP:412/412

 

これがこの世界での命。いとも簡単に無くなってしまう、脆いもの。

 

『諸君らがゲームから解放される方法は一つ。アインクラッド100層まで到達し、そこに待つ最後のボスを打倒すること。即ち、ゲームをクリアすることだ。誰か一人でもボスを倒すことが出来たのならば・・・・・・その時、生きている全プレイヤーを解放することを約束しよう』

 

100層という言葉に、広場は静まりかえった。全員が意味を理解したからだ。

 

空に浮かぶ鋼鉄の城。その頂上たる100層まで、辿り着かねばならない。

 

「100層まで・・・か。フィーはどうだ?」

 

「・・・結構あるけど、出来ないことはないよね」

 

 

 

行く先々で命のやり取りをしていたリィンとフィー。常識が通用しないレベルの強者なんて山ほど見てきた。それすら生温い怪物も沢山いた。そして、世界規模の存在とだって戦ってきた。

 

ただ、システムに従う怪物を倒すだけ。

 

現実で戦った《火炎魔人》や《試練》に比べれば、今までよりも遥に低レベルのものでしかなかった。

 

だが、それは二人が特別故にである。

 

「クリア・・・100だとぉ!?無理に決まってんだろ!?βの時も行けなかったって言うじゃねぇか!!」

 

バンダナの男が絶望を含んだ声を上げる。その隣に立っている黒髪の少年も、唖然とした。

リィンとフィーは知らなくて当然のことだが、SAOのβテストでの最高到達点はそこで唖然としている黒髪の少年の6層。テスト期間中の二か月、ソロとはいえ6層までしか進めなかった。何度も死に戻りを繰り返して、ようやく6層だ。

 

「・・・彼らには厳しいかもしれないな。この状況を受け入れて、恐怖を克服し、生きる力を身に着けることは」

 

「私たちみたいに死がすぐそこにある場所に居たわけじゃないから、仕方ない」

 

そんな彼らを、二人は値踏みするような目で見ている。これから先を生き残れるだけの力を手に入れられるのか、それとも、部屋の隅で震えるようになるのか。

 

『それでは最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。アイテムストレージにプレゼントを用意してある、確認してくれたまえ』

 

一斉にプレイヤーがインベントリを開く。プレゼント、という言葉につられたのか、ただただ自然な動作だったのか。

開いたインベントリには全プレイヤーに共通して《手鏡》というアイテムが一つ。そしてそれをオブジェクト化する。

 

その時だった。

 

一瞬のうちに全アバターが光に包まれる。が、数秒程で光は収まった。

 

「お前、誰だ?」

 

「おめーこそ誰だよ?」

 

つい先ほどまで黒髪の少年とバンダナ男が立っていた場所に、別の誰かが立っていた。なにやら言い合いをしていたが、

 

「お前、キリトか!?」

 

「クライン!?」

 

どうやらその二人のようで。

これにはリィンたちも困惑していたが、それでも飲み込むのが早かった。

 

「・・・・・・俺たち以外の姿が変わった、ってことでいいのか?」

 

「多分、あれが現実の体。私たちだけ変わってないのは、そっくりに作ったからだと思う」

 

二人は現実と差がないようにアバターを作成していたため、光に包まれても変化はなかった。他は揃って姿が変わっている。そして死の現実を叩きつけられた時のような阿鼻叫喚になっている。

 

男が女に、女が男に、イケメンがキモオタに、もう嫌だこいつら。

 

とまあ割と本気で作者が書いてて嫌になってきたので、数分後。

 

 

 

『諸君は今、なぜと思っているだろう。なぜ、私がこんなことをしたのか?・・・・・・私の目的は既に達成されている。この世界を作り出し、鑑賞するためだ』

 

「・・・・・・狂っている」

 

ある意味結社よりも質が悪い、リィンはそう思った。

何か大きな目的があるわけでもなく、ただ楽しむだけ。そのためだけに、自分たちはこの男の模型の中で動かされるのかと。

 

『・・・以上で《ソードアート・オンライン》の正式チュートリアルを終了する。プレイヤー諸君らの健闘を祈る』

 

その言葉を残して、ローブのアバターは姿を消した。




次も時間かかるかも・・・頑張る

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