うっかり使ったアイテムにより、守護者の数名の中身が入れ替わってしまった!
どうする、アインズ様?
「準備は良いな、マーレ。」
「私はいつでも大丈夫です、最悪の場合はアインズ様お一人でもお逃げ下さい。」
アインズは今、自分の部屋の前でマーレ(inデミウルゴス)と共に部屋の扉の前に立っていた。
先程アルベドからの早急に会いたいという旨の《伝言》が来たことをアウラ(inセバス)とマーレに伝えた所、御身にもしもの事があった場合一大事であると鬼気迫る表情で説得された。
その為、足止めや拘束を得意とするマーレが共に付き添い、アウラは一先ず現状をプレアデスに説明すべく別行動となった。
中身が違うのにスキルが使えるのか、という疑問にマーレは使い方どころかその内容、果てはコンボスキルすら手に取るように分かると言われ、その場は納得する形で頷いておいた。
(にしても、誰の中に誰が入ってるのかも分からない状態で、よりによってアルベドに会うのか・・・無事に済めば良いけど)
ただでさえ暴走すると手のつけようが無いアルベドである。中身が入れ替わっているだけという確証が無い現在、下手をすれば理性のタガが外れていてめくるめく地獄の48手巡りツアーへご招待!なんて事にもなりかねないのである。
気持ち同様に重苦しい扉を開けて中へと入る。
すると其処には普段と変わらぬアルベドが、静かにこちらヘ振り向いて穏やかな挨拶を返してくる。
「お待ち致しておりました、アインズ様。唐突なお話にも関わらず、私の元へといらして頂きなんとお礼を申し上げれば良いか・・・♪」
だが、賢しいマーレは薄らと気付いていた。普段よりも女としての色気を無意識に振りまき、淑女と言うよりも淫魔の面が強く出ている事に。
それに、この気配はアルベドのモノよりもアインズ等と同じアンデッド特有の気配であるとも。
(普段と変わらない。つまりアイテムの効果を受けていない?)
そんな甘い考えが浮かぶが、いやいやと首を振ってそれを振り払う。アルベドは確かに暴走もよくするが、それまでのタメと言うか平常を装うのにも長けている。何か裏があると踏んで間違いないだろう。
そうアインズが思考を巡らせていると、横からマーレが耳打ちをしてくる。その言葉に思わず何を言ってんだ!?と言いたげに見つめ返すと、自信満々の笑みで返された。
マーレの顔でドヤ顔をされると、些か可愛らしさが全面に出てきてしまい効果は半減なのだが。
しかし、デミウルゴスの助言により救われた事も少なからずある為、一か八かの賭けに出ることにした。決してヤケクソとかマーレを道ずれにとは考えていない。
「あー・・・今日も愛らしいな、アルベドよ。その美貌はこの世界の何者よりも美しい。」
あまり感情の篭っていない台詞をつらつらと述べてみる、するとアルベドの頬はみるみる紅潮し、次第には小刻みに痙攣しだす始末である。
こうなると大概奇声とも盛大な鼻息とも取れる何かを吹き出しながら身悶え始めるのだが、今日はその兆候が見られない。それどころかみるみる萎縮していくではないか。
(な、なんだ?やっぱりアイテムのせいでおかしくなってるのか?)
「あ、アインズ様に・・・アインズ様に美しいと!これ以上我慢出来ないでありんす、いざめくるめく地獄の48手ツアーに!」
「やっと本性を現したね、シャルティア。気配で正体は分かっていたが、一応念のために反応を見させてもらったよ。」
アルベドが飛び上がった瞬間にマーレの拘束魔法が発動、黒く太い蔦が体に巻き付き雁字搦めにしてゆく。
「マーレ、邪魔をしなんし!アインズ様と組んず解れつさせるでありんす! 」
「やれやれ、守護者ともあろうものが気配で判断すら出来ないとはね。」
「気配?何を・・・デミウルゴス!?」
「ご名答。とはいえ、幾分気付くのが遅すぎるよ。以前の失態は反省出来ていないようだね?頭に血が上ると周りが見えなくなるのは悪い癖だ。」
宙吊りの守護者統括を叱る闇妖精の弟、それを静かに眺める死の支配者。その後もこってりとマーレに絞られた末にアインズから事情を説明されたアルベドは、浅はかな私をお許し下さいと幾度も頭を下げていた。
「まぁ、これに懲りたら下手な気は起こさぬように。」
アインズのその一言によりマーレの説教から脱したアルベドは、その金色の瞳を潤ませて見つめてくる。
その姿についアウラやマーレにするかの如く慰めるべく頭を撫でてみれば、背筋を跳ねさせ恍惚とした表情のまま痙攣を始めるアルベド。
おまけにあんな場所やこんな場所からも、言葉には出来ない様なものを垂れ流す姿にアインズは心の内で叫ぶ。
(ペロロンチーノこの野郎!後タブラさんごめんなさい!)
多数の感想ありがとうございます。
おかげで書くモチベーションをいただく事が出来ました、またコメントについては読んでおりますが、うっかりネタバレしかねない程作者は口が軽いので、返信等は控えさせていただきます。