ガチニートの大家さん   作:汐入 那月

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どうも鐳波です。
息抜きにこれから色んなの書いていきます、既存の小説を合わせて。
特に書くことは無いのですが...そうですね、この小説は今の所お気に入りです。
ではお楽しみください!


俺、仕事します。

どうもおはようございます、現在午後9時です。

今日の午前4時から今まで寝てました。いい夜ですね。

おっと、紹介が遅れました、俺は大波 俊平、20歳です。

俺は中学2年生の頃に患った対人恐怖症の所為で今まで引きこもり、ニートをやっています。

そしてこれからもずっと...

両親は現在全12部屋のマンションの大家をやっています、そして俺はその中の一部屋にお邪魔させていただいてるわけです。

俺は常にネットサーフィン、ネトゲ、掲示板などで情報に埋もれながら余った人生を潰しています。

起き上がり、風呂に入ろうと部屋から出るとスマホが着メロを流す。

 

「...」

 

「もしもし?俊平?母さん達明日から三週間海外旅行海外旅行行くから代理で大家やってもらえる?」

こうした要望は意外とよくある。

対人恐怖症と言えども受け答えは少しならできるので、今までも普通に受けていたのだ。

 

「あぁ、いいよ。頑張る」

 

「悪いねぇ、じゃあお願いね?」

いつも通りだと思っていたのが間違いだったのだ。

両親はその三週間後、帰りの飛行機が墜落し死亡。

葬式にはうちのマンションに住んでいる人達も出席し、俺は初めて大勢の前で震えた声を晒した。

いつもの俺なら関係ない顔で無言で立ち去っていたが両親の葬式ではそれを考えることすらなく、ただ自身の本音を口から垂れ流した。

葬式は滞りなく終わり、遺産相続は全て俺の手元に転がり込んできて、家も俺の所有物となった。

保険金は膨大な量になっていてマンションの大家も俺になっていた。

俺が住んでいたマンションの部屋は掃除をして荷物をマンションの前にある高級住宅街の一番デカい家の元俺の部屋に積み込む。

それから数ヶ月は何もなくただ家賃を受け取ったりするだけの日常だったのだがそれから一年後に元々俺の住んでいた部屋に入居者が入った。

名前は松本 (かなで)、中学生だ。彼女は部屋を借り仕送りだけしてもらい一人暮らしするといった複雑な家庭事情を持つ少女だ。

彼女はやらないで欲しいあいさつをしにやってきた。

家にインターホンが鳴り響き、俺はYシャツ姿で扉を開ける。

 

「あ、大家さんですよね?私あのマンションに今日から住む松本 奏です、よろしくお願いしますねっ」

そう言って箱を渡してくる。

大きさと重さから察するにインスタントコーヒーの詰め合わせだろう。

俺はコーヒーは好きだから有り難いが反応に困る。

 

「...............ありが、とう...ご、ございます」

俺はたっぷり間を取ってからようやく震えた声を絞り出す。

 

「それで、あの...申し訳ないのですが荷物出すのを手伝っていただけないでしょうか?流石に私ひとりじゃできなくて...」

確かにそうだろう、見た感じ華奢な体だ。

普段から筋トレを欠かさない俺なら腕を折ってやれるかもしれない。

俺は対人恐怖症の癖に頼まれるとやらなくてはならない使命感に駆られてしまう変な奴なのだ。

恐らくこんな生活をしているから少しでも誰かの役に立ちたいと言う自己満足のためだ。

俺は返事の代わりにタバコとライターを取り、外に出て彼女の部屋へゆっくり向かう。

年頃の女の子らしく荷物は多めだった。

少し広めのこのマンションは確かに丁度良いかもしれない。

やることを終え、彼女の厚意で茶を出してもらい、それを飲み終えて部屋を出るときに軽く口を開く。

 

「...話すのは苦手だけど何か困ったことがあったら言って。出来る範囲で助ける...から」

そう言い煙草に火をつけて外に出る。

外の手すりに腕を乗せ煙交じりの溜め息を吐くと不意に声をかけられる。

 

「俊坊!」

いきなり抱きつかれた。

この人は俺が生まれた時から本当の姉のように接してくれる雨宮静夏さん。

俺より4つ上の24歳でバリバリのサラリーウーマン。

 

「...どうも、姉さん。その、離れてくれないかな...」

俺は無意識のうちにすごく震えていた。

 

「はぁ...どうしてこうなっちゃったんだぁ?昔はおねーちゃーんってすっごい甘々だったのになぁ?」

 

「これでも姉さんとは普通に話せてるほうでしょ。普通なら触れられでもしたらパニックになってるし...」

 

「そーだ、あたしの胸触ればいいんじゃね?」

 

「無理だから...俺をからかわないで」

煙草を指で挟み立ち去ろうとすると手を掴まれる。

 

「みんな。みんなお前の事心配しながら待ってるから...ゆっくりでも人に慣れてくれよな?」

 

「あぁ...頑張るよ。ありがと」

今振り返ったなら姉ちゃんは泣いているだろう。

ただ今はまだそれを見ていい時じゃない。

いつか、いつか本当に笑顔で人と触れ合える様になるまで振り向いちゃいけない。

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