これがはじめての投稿となります。あたたかい目で見ていただきたいと思っております。
キャラ紹介
僕こと空井海斗は、先週彼女にフラれ独りで日本特有の騒がしいハロウィーンとは裏腹に、真っ黒の空に慎ましげに浮かんでいる月のもとを歩いていた。
そんなとき、後ろから声をかけられた。
「私、キレイ?」
振り返ってみると、マスクを付け、赤い服を着た、スラッとしたキレイな女性が立っていた。正直言って、フラレた彼女よりも美しかった。美しいという言葉を体現したかのような、女性だ。
いや、まじでこんな女性が、僕なんかに、声をかけてくるなんて、人生何があるかわかんないもんだなー。でもこんな時に、声をかけてくるということは、これは、もしや、世にいう逆ナンというものか。確かに、クリスマスに独りでいるというのは、この年になると、なぜか、心にくるものがあるからなー。今のうちに、彼氏をゲットしておこうということなのかな。
「ねぇ、聞いてる?」
「あー、聞いてるよ。」
「なら、私、キレイ?」
「はっきり言って、まじでキレイだよ。スラッッとしているし、マスクを付けているから顔はあんまり見えないけど、整えているしで、本当キレイだよ。」
「そう…。ならこれでも。」
すると、その女性は、スッとマスクを外した。
そして見えたのは、耳まで裂けた口だった。
「私、キレイ?」
えっ、嘘だろ。口裂け女?いやいや、あり得ない。あっハロウィーンだからか。全く脅かしやがって。特殊メイクなら早く言ってくれよ。
「えぇ、キレイですよ。特殊メイクしてたって、もともとのポテンシャルが、高いから美しさが、にじみでてるよ。」
「えっ、あの、えっと…。」
「ん?何。」
「あのー、これ、特殊メイクじゃないんですけど…。」
「へ。」
「いや、まじのほうで、口が裂けているんですよ。」
「ということは、今、僕の目の前にいるのは、本物の口裂け女ということでせうか。」
「そういうこと。その事をふまえてもう一度聞くわ。私、キレイ?」
嘘だろ。口裂け女って本当にいるんだ。まじ、レアな体験じゃん。いやいや、そうじゃなくて、どうやったら逃げれるっけ、確か、べっこう飴をなげたら、いいんだっけ。あっでも、今べっこう飴もってないわ。あーもうどうしたらいいんだよ。
「ねぇ、私、キレイ?」
うわー、言い直された。まじ殺される。この人生良いこと無かったなー。なら、いっそ死ぬ前に、疑問に思っていることでも聞いてスッキリしてから、殺されるか。てか、口裂け女が目の前にいるのに、自分でも恐ろしいほど冷静なんだな~。人って、死ぬ前になると、冷静になるって本当だったんだ。
「えっと、あなたが、キレイかどうかって話だよね。僕が答える前に、質問してもいいかな。」
「まぁ、いいわよ。」
「ありがとう。何で、そんな問いかけをするの。」
「………」
「あの~。」
「……な……こ……………か……き……………じ…。」
「もう一度言ってくれないかな。」
「そんなの、恋人がほしいからに決まっているじゃない。」
うわー、なんか、リアルな答えがかえってきた。
「まぁ、昔は、恨みとかで、色々と殺って憎しみに任せて現実をみてなかったけど、今頃になってようやく、どんどん婚期が遅れていること気がついたのよ。恋人の一人もいないなんて、女性にとっては、死活問題なの、わかる。」
「うん、何となくだけど、独りで、イベントとかを迎えるのは、なかなか、こたえるものがあるもんね。」
なんか、口裂け女が、妙に可哀想になってきた。心のどこかで、寄り添ってあげたいっていう感情もわいてきた。これが、人肌が恋しくなるって言うものなのかな。
「なら、僕が君の、恋人になろう。実は、先週、彼女にフラレて、心がボロボロなんだよ。でも、そんなことは、君といる時間で、上書きできる。多少、不甲斐なかったり、君と不釣り合いかもだけど、君を出来るだけ幸せにするよ。」
「えっ、でも、私は、口裂け女なのよ。」
「なに、今さらいっているんだよ。はなしかけてきたのは、君からだよ。」
「そうだったわね。これからよろしくお願いします。」
アレ?命は、助かったけど、非日常に、足を踏み入れてしまった。僕って、どうなるんだろう。
「ところで、あなたの名前を聞いてもいいかしら。」
「空井海斗だよ。よろしく。」
「海斗ね。分かったわ。私は、咲希よ。名字は、無いわ。これからよろしくね。」
こうして、僕は、非日常の世界に、入っていくこととなる。
僕には、恐怖心というものが、麻痺しているのだろうか?