士道と七罪は朝、教室に入ってからクラスメイト全員から無言で見られていた。男子からは嫉妬、女子からは好奇心の目で。
「………」
「………」
(じー………)
士道達が教室で待つこと数分。
チャイムが鳴ると同時にタマちゃんが入ってくることで沈黙は破られ。
「起立、礼」
クラス委員の号令で挨拶する。
「独身先生「「「おはようございます」」」」
誰だ独身先生って言ったやつ
「誰ですかぁ?今独身先生、って言った人」
一瞬でタマちゃんの雰囲気が変わる。
(またかよ)
「五河です。」
「また五河君ですかぁ?これはやっぱり責任を取ってもらうしかないですねぇ」
「先生ー」
「今回もー」
「殿町君でーす」
「……も?」
タマちゃんの視線が殿町に向く。
そんなやりとりは他所に……。
つんつん
(ん?)
つんつん
(七罪か?いやでも後ろから……)
つんつんつんつん
「なんだよ、さっきから」
「あら、申し訳ございませんわ、士道さん」
士道をつついていたのは漆黒の髪をした女の子だったようだ。
「ん?君は?」
「申し遅れましたわ、私は時崎狂三と申しますわ。」
「始業式の日にはいなかったよな?」
「つい先日まで海外に居まして、こちらにくるのが遅れてしまいましたので、1日遅れて登校しましたの。」
狂三の目を見た瞬間、鈍い頭痛が士道を襲った。そして視界いっぱいに文字列が広がる。
『時崎狂三。時を司る精霊。天使は刻々帝〈ザフキエル〉。1から12にそれぞれの能力がある。天使を使うのに霊力と時間を消費する。そのため、時崎狂三はたくさんの人を殺めている。』
「な…、え…?」
「どうかしたのですか?士道さん」
「い、いや、なんでもない」
狂三と話している士道を見ていた七罪は心配する。
「士道、体調悪いなら保健室いく?」
「大丈夫だ、心配してくれてありがとな、七罪」
「あらあら、妬けてしまいますわね。」
ボン、と音がしそうな程、二人は赤くなった。
それと同時にホームルーム終了のチャイムがなる。
「では、これでホームルームを終わりまーす。殿町君は放課後進路指導室に来てくださいねぇ、ふふふふ」
「ひ、ひぇぇっ」
「ちなみに来なかったら家庭訪問しますからねぇ」
笑顔でそう言う。
「はっはい、わかりました(涙目)」
クラス中に笑いが起こる。
「ざまぁ」
約1名、暴言を吐いてる奴がいたが。
「し、士道……」
聞いていた七罪は苦笑する。
「そういえば士道さん。明日はお時間がありまして?」
狂三が唐突に言い出した。
「あ?あぁ、空いてるけど、急にどうしたんだ?」
「私、まだこの町のことがあまり分かりませんので案内していただければ、と思いまして。」
「りょーか「私も行く」七罪……」
「分かりましたわ。では、士道さん、七罪さん、また明日、駅前でお会いしましょう。私はこれから用事がありますので。」
「そうなのか?じゃ、また明日な」
「………また明日」
狂三はそう言って去っていく。
「士道」
「どうした、七罪」
「あの子、精霊よ」
「知ってる。狂三と目を合わせた瞬間、俺の視界に情報が掲示された。」
「な、どういうこと!?……私の天使はそうじゃないはず…」
「なんか言ったか?七罪」
「何も言ってないよ。明日は気を付けて行こ?」
はーぁ、難しい……