「兄さん、お昼はどうしますか?」
「そうだなぁ、外食かなぁ、何がいい?」
「「デラックスキッズプレート!!」」
リビングから顔を出し、そんなことをいいだす琴里と心愛。
「「子供か(ですか)」」
「ダメ?お兄ちゃん」
なんて妹(心愛)に上目遣いでお願いされたら断れない。
「はぁ、わかったよ。1時すぎにファミレス前な。」
「「やったぁ!」テロリストに占拠されても空間震が起きても絶対だぞ!」
「テロリストに占拠されてしまったら食べれませんよ。」
琴里の興奮したような叫びに、智乃が冷静につっこむ。
「じゃ、先行ってるわ。心愛、道に迷うなよ?智乃、入学式これからだけど、琴里を頼むな」
「はーい!」
「わかりました、兄さん」
「子供扱いしないでよぉ」
声が揃って何を言っているかわからないが、士道には分かった。
「デラックスキッズプレート食べたい時点で子供だろ。それじゃ、行ってきます。」
「「「行ってらっしゃーい!」」」
智乃が一瞬、妻に見えてしまった。が、頭をふってその考えを消しながらドアをあけた。
士道が七罪と出会ったのは、小学4年生の時だ。
買い物をしている時に、たまたま目に入ったのが、七罪だった。
下を向いて歩いていた七罪は、横から来た大男にぶつかられ、転んでしまった。その男には、
「ちっ、ちゃんと前見て歩けや。」
と、謝られることもなく、立ち去られた。
士道はそんな七罪に思ったことがあったのか、手をさしのべた。
「大丈夫?」
優しい言葉をかけたつもりだったが、
「何が目的よ。」
と、見当違いの返答が返ってきた。
「いや、困ってる人助けるの当たり前だよ?」
「騙されないわよ!私は……」
「じゃ、今から遊ぼ?態度であらわすから。」
まだ幼い士道には、そんな言葉を使うしかなかった。
「いいわよ。その中で何が目的か見抜いてあげるわ。」
「よーし、じゃ、どこいく?」
「……、どこでもいいわよ。」
士道はしばらく考え込む仕草をすると、
「お化け屋敷行こう。あ、俺は五河士道だ。」
「……、七罪。」
「よろしくな、七罪!」
士道はすっ、と手を出す。七罪はしぶしぶその手を掴み。
士道は右手で掴んだその手を握り、さらに左手で七罪のその右手を掴み、自然な形におろす。傍から見れば、初々しい恋人のような、妹を引く、兄のような形だ。
「……どういうつもりよ。」
驚いた七罪はそう言って手を振りほどこうとする。
しかし士道はキュッと手を握り、離そうとしない、させない。
そんな事を幾度も繰り返し、先に折れたのは七罪だった。
「勝手にしなさいよ。」
「拗ねるなよ〜。」
折れた七罪を煽る士道。
(なんで、なんでこの人には悪意の欠片もないの!?)
そんなこんなでお化け屋敷に到着。
「……あ、お金ない♪」
「私が出すわ。」
七罪はどこからともなく万札を……。
『入口は右手奥の方になります。』
士道は七罪をリードしながらさっきのことを聞く。
「どこからお金だしたんだ?」
「……ポケットマネーよ♪」
どこか御機嫌だったのでそれ以上は問わないことにした。
お化け屋敷に入ってしばらくした時。
『私を殺したのは、あなた?』
士道の耳元でそんな声が聞こえた。
「ッ!?」
驚いた士道は七罪の手をギュッと握り、恐怖をあらわにした。
そんな士道の、様子をみて、七罪はバレない程度に笑っていた。
また次回に続きます。
今回のサブタイトルの意味は士道の過去、と捉えてください。
七罪の過去でも良かったのですが、なんかネタバレかなぁ、って思ってたり。
ではまたいずれ。