デート・ア・ライブ 士道spirit   作:Sylvia

4 / 12
士道preterit

「兄さん、お昼はどうしますか?」

 

「そうだなぁ、外食かなぁ、何がいい?」

 

「「デラックスキッズプレート!!」」

 

リビングから顔を出し、そんなことをいいだす琴里と心愛。

 

「「子供か(ですか)」」

 

「ダメ?お兄ちゃん」

 

なんて妹(心愛)に上目遣いでお願いされたら断れない。

 

「はぁ、わかったよ。1時すぎにファミレス前な。」

 

「「やったぁ!」テロリストに占拠されても空間震が起きても絶対だぞ!」

 

「テロリストに占拠されてしまったら食べれませんよ。」

 

琴里の興奮したような叫びに、智乃が冷静につっこむ。

 

「じゃ、先行ってるわ。心愛、道に迷うなよ?智乃、入学式これからだけど、琴里を頼むな」

 

「はーい!」

「わかりました、兄さん」

「子供扱いしないでよぉ」

 

声が揃って何を言っているかわからないが、士道には分かった。

 

「デラックスキッズプレート食べたい時点で子供だろ。それじゃ、行ってきます。」

 

「「「行ってらっしゃーい!」」」

 

智乃が一瞬、妻に見えてしまった。が、頭をふってその考えを消しながらドアをあけた。

 

 

 

士道が七罪と出会ったのは、小学4年生の時だ。

買い物をしている時に、たまたま目に入ったのが、七罪だった。

下を向いて歩いていた七罪は、横から来た大男にぶつかられ、転んでしまった。その男には、

 

「ちっ、ちゃんと前見て歩けや。」

 

と、謝られることもなく、立ち去られた。

士道はそんな七罪に思ったことがあったのか、手をさしのべた。

 

「大丈夫?」

 

優しい言葉をかけたつもりだったが、

 

「何が目的よ。」

 

と、見当違いの返答が返ってきた。

 

「いや、困ってる人助けるの当たり前だよ?」

 

「騙されないわよ!私は……」

 

「じゃ、今から遊ぼ?態度であらわすから。」

 

まだ幼い士道には、そんな言葉を使うしかなかった。

 

「いいわよ。その中で何が目的か見抜いてあげるわ。」

 

「よーし、じゃ、どこいく?」

 

「……、どこでもいいわよ。」

 

士道はしばらく考え込む仕草をすると、

 

「お化け屋敷行こう。あ、俺は五河士道だ。」

 

「……、七罪。」

 

「よろしくな、七罪!」

 

士道はすっ、と手を出す。七罪はしぶしぶその手を掴み。

士道は右手で掴んだその手を握り、さらに左手で七罪のその右手を掴み、自然な形におろす。傍から見れば、初々しい恋人のような、妹を引く、兄のような形だ。

 

「……どういうつもりよ。」

 

驚いた七罪はそう言って手を振りほどこうとする。

しかし士道はキュッと手を握り、離そうとしない、させない。

そんな事を幾度も繰り返し、先に折れたのは七罪だった。

 

「勝手にしなさいよ。」

 

「拗ねるなよ〜。」

 

折れた七罪を煽る士道。

 

(なんで、なんでこの人には悪意の欠片もないの!?)

 

そんなこんなでお化け屋敷に到着。

 

「……あ、お金ない♪」

 

「私が出すわ。」

 

七罪はどこからともなく万札を……。

 

『入口は右手奥の方になります。』

 

士道は七罪をリードしながらさっきのことを聞く。

 

「どこからお金だしたんだ?」

 

「……ポケットマネーよ♪」

 

どこか御機嫌だったのでそれ以上は問わないことにした。

 

 

お化け屋敷に入ってしばらくした時。

 

『私を殺したのは、あなた?』

 

士道の耳元でそんな声が聞こえた。

 

「ッ!?」

 

驚いた士道は七罪の手をギュッと握り、恐怖をあらわにした。

そんな士道の、様子をみて、七罪はバレない程度に笑っていた。




また次回に続きます。

今回のサブタイトルの意味は士道の過去、と捉えてください。
七罪の過去でも良かったのですが、なんかネタバレかなぁ、って思ってたり。

ではまたいずれ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。